平原綾香と開くクラシックの扉 第2楽章

平原綾香(著者)

• 販売会社／発売会社: 中日新聞東京本社
• 発売年月日: 2025/01/29
• JAN: 9784808311100

商品レビュー

2025/04/29

第1章「映画」とクラシック　から２つだけ取り上げます。

・チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」×「オーケストラ！」

この「オーケストラ！」という映画は、前半はふざけた感じで途中で観るのをやめようかと思った記憶がある。
なんだ、B級コメディ映画か！？というような作りだったからだ。
が、最後の演奏会の盛り上がりが凄く、アイコンタクトの演技に引きこまれ、(私には珍しく)涙があふれた作品だ。

チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は、個人的にはアンネ=ゾフィー・ムターの演奏に迫力を感じています。
ムターがオーケストラ相手に「私の演奏に負けないように、しっかりと付いてきなさい！」とリードしているようだからです。
「オーケストラ！」は、この独奏ヴァイオリンとオーケストラの緊迫感のある掛け合いを見事に表現した映画だと思います。
この映画の評論はあまり聞かないので、平原綾香さんが取り上げてくれていて、同じような感想を持っていて嬉しかったです。
（本映画の実際の演奏をしているヴァイオリニストはサラ・ネムタヌさんだそうです）

・モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」×「アマデウス」

アイネ・クライネ・ナハトムジークは曲名を知らない時からよく耳にしていて馴染みのある曲でした。

Eine (アイネ):「一つの」、kleine (クライネ):「小さな」、Nacht (ナハト):「夜」、Musik (ムジーク):「音楽」
というドイツ語だと調べたことを思い出します。

この映画では、オープニングで流れる「交響曲第二十五番」が実に印象的で、いきなり心臓を鷲掴みにされました。
たぶん「交響曲第二十五番」はこの映画で初めて聴いたと思う。
モーツァルトと言えば「四十番」だったが、この映画を観て以来「四十番」よりも聴く回数が上回った曲になった。

クラシックに限らないが、映画と音楽は一体になって心に残っている関係性がありますね。

2025/03/08

1. クラシック音楽の魅力
- 感情の表現: クラシック音楽は深い感情を表現する手段として強調され、特にショパンやチャイコフスキーの作品が挙げられる。
- 技術と表現力: 演奏技術の向上が求められる一方で、音楽の「歌心」を大切にすることが重要であると述べられている。

2. 音楽と人生の関わり
- 自己表現: 音楽は自己を表現する重要な手段であり、平原の過去の経験や挑戦がどのように音楽に影響を与えたかが語られている。
- 共感の力: 音楽を通じて他者との共感が生まれ、人々がつながる力を持っていることが強調されている。

3. 映画とクラシック音楽
- 映画での音楽の役割: 映画作品におけるクラシック音楽の使用例が紹介され、音楽が物語にどのように深みを与えるかが論じられている。
- 感動的なシーン: 「シャイン」などの映画を通じて、視覚と聴覚が結びつく瞬間の感動が描写されている。

4. 文学と音楽の接点
- 文学作品との関連性: クラシック音楽が文学作品に与える影響や、逆に文学が音楽にどのようにインスピレーションを与えるかが述べられている。
- 作家の音楽的感受性: 宮沢賢治などの作家が音楽をどのように取り入れ、表現しているかが具体的に紹介されている。

5. 音楽教育の重要性
- 未来の音楽家育成: 音楽教育の重要性が強調され、次世代の音楽家たちがいかにして育てられるべきかが考察されている。
- 学校教育との連携: 音楽が学校教育の一部としてどのように統合されるべきかについての提言がなされている。

6. 音楽の季節感
- 四季を感じる音楽: 各季節にふさわしいクラシック音楽が提案され、リスナーがその季節感を音楽を通じて感じることの重要性が述べられている。
- 特定の作品の紹介: ヴィヴァルディの「四季」など、特定の作品を通じて季節感を表現する方法が説明されている。

結論
本書は、クラシック音楽が持つ多面的な魅力とその影響力を探求することで、読者に対して音楽の大切さやその感動を伝えようとしている。音楽が人と人をつなげる力を持ち、人生に彩りを与えるものであることが強調されている。