「ガラパゴス・日本」の歪んだ円相場 日経プレミアシリーズ524

藤井彰夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 日経BP/日経BPマーケティン
• 発売年月日: 2025/01/14
• JAN: 9784296121335

商品レビュー

2025/02/22

為替相場の変動と日本の経済
- 2022年から2024年にかけての急激な円安が大きな話題となった。円相場は1ドル111円から161円まで下落し、インフレに対する国民の不満が高まる結果となった。
- 日本政府は円安を抑えるために、24.5兆円の為替市場介入や、ガソリン・電気・ガス料金を引き下げる補助金政策を実施した。

日銀の金融政策
- 日本銀行は長期にわたり金融緩和を続けており、その結果、米国との金利差が広がっている。
- 2011年に民主党政権下で円高が進行した際も、日銀は円売り・ドル買いの介入を行ったが、円高は止まらなかった。

日本における為替相場の特異性
- 日本は主要先進国の中でも為替相場に振り回されやすい国である。その背景には「ガラパゴス現象」と呼ばれる現象がある。
- 「ガラパゴス化」は、日本が国内市場で独自の発展を遂げた結果、国際競争力を失うことを指す。

プラザ合意とその影響
- 1985年のプラザ合意が日本の為替相場に与えた影響は大きく、その後の円高に対する政策の変遷も重要である。
- 合意後、急速に円高が進行し、多くの輸出企業が影響を受けた。

政治的な影響
- 日本の為替相場は政治的要因にも大きく影響されており、歴代政権が為替相場に翻弄され続けてきた。
- 例えば、岸田政権も円安の進行に対して様々な対策を講じている。

経済構造の問題
- 日本経済は為替相場の変動に柔軟に対応できていない。国内の価格構造が為替変動に伴う調整を妨げている。
- 為替相場の変動が国内価格に反映されない構造的な問題が存在する。

結論
- 日本が為替相場に振り回され続ける原因の一つには、国内経済が変動に柔軟に対応できないことがある。
- 本書は、円相場の変動を抑えるためには、日本の経済構造をより柔軟で強靭なものにする改革が必要であると結論づけている。