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『孫子』の読書史 「解答のない兵法」の魅力 講談社学術文庫2841
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『孫子』の読書史 「解答のない兵法」の魅力 講談社学術文庫2841

平田昌司(著者)

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『孫子』の読書史 「解答のない兵法」の魅力 講談社学術文庫2841

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2024/11/14
JAN 9784065376720

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2024/12/07

不敗への欲望: 知識の移動する時代 呉孫子兵法と斉孫子 孫子の構成 孫子学派の形成 兵書のひろがり 兵書と史書 転換期ー後漢から三国時代 新しい利用法ー唐代の孫子 北宋・孫子の制度化 女真・西夏への影響 満州語訳→フランス語訳 奈良・平安時代の孫子 臨済禅と学問の新しい波 日本的...

不敗への欲望: 知識の移動する時代 呉孫子兵法と斉孫子 孫子の構成 孫子学派の形成 兵書のひろがり 兵書と史書 転換期ー後漢から三国時代 新しい利用法ー唐代の孫子 北宋・孫子の制度化 女真・西夏への影響 満州語訳→フランス語訳 奈良・平安時代の孫子 臨済禅と学問の新しい波 日本的孫子の形成 日清・日露戦争と孫子の聖典化 近代中国陸海軍への影響 毛沢東の遊撃線論とグリフィス 辞は珠玉の如し: 形篇・勢篇をよむ テクストの誤り 不確定であれ 死地に陥れるー新井白石の疑い 勢・寄正と芸術理論 1. 書物としての『孫子』 「孫子」は学匠(孫氏)の著作を指す尊称で、「孫子兵法」等の別名あり。本来の呼称は不明。 初期の『孫子』には篇名がなかった可能性が指摘されています。 2. 文学性と評価 頼山陽は『孫子』を「平易にして精妙」と評し、『論語』に匹敵すると高く評価。 その道理の深さが優れた文辞として表れていると、文学性も指摘されてきました。 3. 戦いの言語化 戦闘状況を的確に言語化する能力に優れ、「風林火山」に代表される比喩表現は有名。 視覚(旗)と聴覚(金鼓)による指揮伝達の重要性を説いています。 4. 成立時期の議論 『史記』は春秋時代の孫武(十三篇)と戦国時代の孫臏の兵法、二つの『孫子』を伝えます。 孫武は戦国時代の孫臏と同一人物とする説(斎藤拙堂など)もあります。 正確な成立年代は未確定で、紀元前6世紀末から紀元前3世紀まで諸説あります。 5. 知識の伝播と孫武 戦国時代には専門的な軍事知識が拡散・文字化され、専門家による伝授が行われたと考えられます。 孫武が斉から呉へ移った背景には、当時の知識人の移動という社会的潮流があった可能性がありますが、理由は不明です。 6. 古典籍における位置づけ 古代中国の図書分類では、兵書は専門技術書とみなされ、思想書(諸子)より下位に置かれる傾向がありました。 7. テクストの変遷と異本 漢代の竹簡(銀雀山・張家山)には現行本と異なる部分や配列が見られ、多様な異本の存在を示唆します。 「呉孫子」(孫武著)と「斉孫子」(孫臏著)の区別は後世の注釈に由来し、竹簡には見られません。 現行十三篇の体系性は、後世の編纂説の根拠とされる一方、語法(接続詞「故」など)の偏りは複数著者の可能性も示唆します。 呉越対立への言及は、成立・編纂過程の論点です。 原型は戦国中期に成立し、紀元前3世紀頃まで改訂が続いたとする説が有力視されています。 8. 歴史における受容と評価(中国) 前漢では限定的な扱いでしたが、三国時代の曹操による注釈(魏武帝注)は後世の本文の基礎となりました。 唐代には道教経典集『道蔵』に収録、北宋代には武官養成の教科書(武経七書)となりました。 宋代以降、考証学による学術的研究が進展しました。 9. 日本における受容 古代に伝来した可能性があり、鎌倉~江戸前期は「武経七書」の注釈を通じて受容されました。 江戸時代に研究が本格化し、荻生徂徠『孫子国字解』など注釈書が多数刊行され、本文研究も進みました。幕末の吉田松陰なども深く研究しました。 10. 明治以降の『孫子』 西洋軍事学導入後も関心は続き、日清・日露戦争後に再評価され、経営戦略など一般にも応用されるようになりました。 戦後は非戦・平和思想の側面も注目され、現代でも普遍的な知恵として多様な分野で読まれています。 11. 『群書治要』と『孫子兵法』 唐の帝王学の書『群書治要』に全文収録され、古い形態を留める可能性があります。 注釈(主に曹操注)が付されており、本文解釈に影響を与えます。 他の伝本との異同(誤写、語法変化、訓点等による)が見られます。 12. テクスト分析と主要概念 「形」(態勢)、「勢」(いきおい)、「奇正」(奇襲と正攻)、「虚実」(敵の弱点を突く)などの戦略概念が重要です。 竹簡との比較や、篇ごとの思想的特徴(例:九地篇の将の断行重視)も分析されています。 結論 『孫子』は兵法書に留まらず、文学・思想・歴史資料として多面的価値を持つ古典です。成立やテクストには未解明な点が多いものの、普遍的な戦略思想は時代や文化を超えて影響を与え続けています。東アジアで広く受容され、現代に至るまで多様な解釈を生んでいます。テクスト比較や注釈史を考慮した読解が重要です。

Posted by ブクログ