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死んだ木村を上演
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2024/11/13 |
JAN | 9784065376201 |
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死んだ木村を上演
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商品レビュー
3.3
8件のお客様レビュー
小劇場で観劇しているような感覚! 夢を追いながら現代社会でもがく若者たちの物語 #死んだ木村を上演 ■あらすじ かつて啓栄大学の演劇研究会に所属していた四人のメンバーに脅迫状が届いた。八年前の合宿、当時メンバーだった木村が命を落とした温泉の宿に来いという内容。当時のやり取りを劇...
小劇場で観劇しているような感覚! 夢を追いながら現代社会でもがく若者たちの物語 #死んだ木村を上演 ■あらすじ かつて啓栄大学の演劇研究会に所属していた四人のメンバーに脅迫状が届いた。八年前の合宿、当時メンバーだった木村が命を落とした温泉の宿に来いという内容。当時のやり取りを劇形式で再現しながら、木村が亡くなった真の理由を探ることになり… ■きっと読みたくなるレビュー 誰しも学生時代の苦い体験ってありますよね。若気の至りで迷惑をかけたり、みんなの前で恥ずかしい思いをしたり、恋愛や学業で失敗したり。そんな青春時代の影を引きずりつつ、今をなんとか生きている若者たちの物語です。 卒業後も演劇の世界で生きている庭田と羽鳥、既にやめてしまった井波と咲本。それぞれの会話を聞いていると、この八年間が何だか我がことのように感じられるんですよ。20代って一番輝いている年代のはずなんですが、実際は必死にもがいてるんだよなぁ。めっちゃわかるわー 中盤まではあらすじのとおり劇形式で進行。当時のやり取りを劇研メンバーが再現しながら、関係性が語られていく。正直、中盤くらいまでは本作の強みが感じられなかったのですが、後半はとんでもないことになります。 なるほど、前半のゆるく淡いテイストは演出なんすね、後半のための前振りか~。もう終盤は金子玲介先生の個性と狂気っぷりが一気に弾け飛び、心臓をぐわんぐわん掴まれてしまいます。これこれ、このエネルギー! 切り込み方とセリフ回しが素晴らしいのよ。 まるで小劇場でリアルに観劇しているようで、クライマックスは圧倒的な力強さでしたね。本作、そのまま舞台演劇にしてみても絶対見ごたえあるはず、ぜひどこかの劇団にお願いしたいです。 果たして木村が亡くなった真の理由とは何だったのか、悩みと葛藤多き彼らの未来はどうなるか。想像以上に情熱がこもった作品でした! ■ぜっさん推しポイント これまで金子玲介先生の前二作を読んできましたが、本作でも同じ「生きる」がテーマになっています。 自分らしく生きたいだけなのに、周囲のノイズ、見えない圧力、厳しい現実が襲ってくる。いまにも感情が爆発しちゃいそうで、それでも生きていかなきゃならなくて。ただ頼りない小道をただひたすら歩いていく… ライトでコミカルでユニークな文体の中にも、この希望と絶望の隙間を描いてくれるんすよね、もう最高。本作は若い人だけでなく、むしろ年配の方にこそ手に取って欲しい作品だと思いました。
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第一作、第二作とそこそこ面白く、話に引き込まれていったのだが、この作品はダメ。劇団に過去起こった自殺事件を上演形式で解決しようとするもの。 頭の中にすっと入ってこず、ところどころつっかえながら読むことになる。 終わり方も釈然としない。連発して発刊するのでなく、1年ごとにどっしりし...
第一作、第二作とそこそこ面白く、話に引き込まれていったのだが、この作品はダメ。劇団に過去起こった自殺事件を上演形式で解決しようとするもの。 頭の中にすっと入ってこず、ところどころつっかえながら読むことになる。 終わり方も釈然としない。連発して発刊するのでなく、1年ごとにどっしりした作品を読みたい。
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Amazonの紹介より 死が、かけがえのない生を輝かせる。 啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。 『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』 集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。 木村が死んだあの日の...
Amazonの紹介より 死が、かけがえのない生を輝かせる。 啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。 『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』 集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。 木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあったーー。 奇跡は、舞台で起きる! デビュー作では「山田」、次いで「石井」ときて、今回は「木村」ということで、どんな作品か気になったので購入してみました。 金子さんの作品に共通して言えることは、題名にオーソドックスな苗字、「生きたい」という気持ちが心の底から叫ぶシーンがある、オールナイトニッポンが好き、若者同士での下ネタ談義が小説に散らばっています。 今回の作品でも、上記のような要素が盛り込まれていました。 冒頭から、何やらミステリーの予感が。DMに届いた謎の脅迫状で集まった演劇研究会の卒業生たち。 脅迫状には、木村は自殺ではなく、誰かに殺されたという内容が書かれていた。 当時の事故現場近くで宿泊した宿に集まって、被害者の妹とともにあの時を振り返りながら、あの日何が起きたのか再現していきます。 その再現の仕方が変わっていました。エチュードという即興芝居なのですが、8年前の記憶なのに、よく思い出してやっているなという関心とともに疑問も発生するのですが、それは最後の方で明らかになります。 当時、登場人物それぞれが何を思っていたのか、台詞の掛け合いから紐解いていきます。大半が台本に書かれている台詞なので、ちょっと変わった小説ではあるものの、ト書きや説明文が少なめになっているので、その時の状況での空気感を長く保ったまま読めるので、世界観に引き込みやすかったです。 8年前に何が起きたのか?木村が死ぬまでの所を時系列に再現していくのですが、見えなかった登場人物の裏の「顔」が明らかになっていきます。 ただし、それが木村の死にとって、関係あるかはわかりませんが、前半で読み取った印象とは違い、後半での印象は意外性もあって、面白かったです。 後半では、作品の真骨頂となる心の叫びも垣間見れます。ぎっしりと改行せずに文字を詰め込んでいるので、読みづらさはあるものの、それだけ今迄の鬱憤を溜め込んでの心の叫びが発散されているので、こちらとしても心を動かされました。 果たして、「木村」は自殺だったのか?一つ一つ何気ない言葉や会話が、真相に近づく要素の一つに繋がっていくので、伏線回収の楽しみもあって面白かったです。 これで一件落着かと思いきや、さらに驚きの事実が明らかになります。それは先ほどのエチュードや題名の意味にも関係するのですが、なるほどそういうやり方だったんだという意外な手法だったので、全体的によく練られているなと思いました。 そう考えると、ある種のファンタジー要素も含まれていて、そういった部分では、前の2作品も共通しているなという印象がありました。 滲み出てくる心の叫びが印象的だけでなく、青春ならではのノリといったものが今回もあって楽しめました。 読了後、凝縮された「舞台」を読んでいるようでした。
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