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カテリーナの微笑 レオナルド・ダ・ヴィンチの母
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カテリーナの微笑 レオナルド・ダ・ヴィンチの母

カルロ・ヴェッチェ(著者), 日高健一郎(訳者)

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カテリーナの微笑 レオナルド・ダ・ヴィンチの母

定価 ¥5,940

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2024/10/18
JAN 9784622097280

カテリーナの微笑

¥4,070

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2025/07/18

15世紀ルネッサンスの天才レオナルド・ダ・ヴィンチは婚外子だった。実母カテリーナはダ・ヴィンチの父ピエロと結婚せず、ピエロはレオナルドが8ヶ月の時に別の女性と結婚する。カテリーナもレオナルド8歳の時に他家に嫁いだ。さて、このカテリーナは誰なのか、なぜピエロと一緒にならなかったのか...

15世紀ルネッサンスの天才レオナルド・ダ・ヴィンチは婚外子だった。実母カテリーナはダ・ヴィンチの父ピエロと結婚せず、ピエロはレオナルドが8ヶ月の時に別の女性と結婚する。カテリーナもレオナルド8歳の時に他家に嫁いだ。さて、このカテリーナは誰なのか、なぜピエロと一緒にならなかったのか。 ナポリ東洋大学のカルロ・ヴェッチェ教授が国立古文書館で、1452年カテリーナという名のチェルケス人の女奴隷が所有者から解放されたことを父ピエロが記録した解放証書を見つける。 つまりレオナルドの母親カテリーナはカフカス(中央アジアコーカサス)地方の山岳地帯の部族の長の娘ではないのか。彼女は誘拐され奴隷にされた少女だという仮説を立ててヴェッチェはこの少女の一生を小説化した。 論文ではなく小説という形で万人に向けて書いたという。話題の本です。読んでみました。 舞台はカフカスからダーナ、コンスタンチノープル、そしてヴェネチア、フェレンツェ、ヴィンチ村からミラノまで。カテリーナの人生に関わった様々な人々が語り部になり、彼女の人生を語る。登場人物ひとりひとりの人生も語られ、いわゆる大河小説となっている。奴隷らしからぬ気品と美貌を持ち、奴隷として売買されながらも多くの人に助けられるカテリーナ。 著者ヴェッチェは多くの資料から様々な点を炙り出し、それを線で結んでいく。かなりのロマンチストらしくカテリーナの高貴、母性、処女性、神秘性にこだわっており、「モナリザ」や「少女の頭部または岩窟の聖母の天使像のための下書き」などの謎めいた聖なる微笑に繋げたがっている。奴隷としての屈辱や艱難辛苦の描写はほぼ無い。 レオナルドの誕生を、カテリーナとピエロの純粋なる愛の結果として描くが、彼女と結婚しないピエロには違和感を感じる。それぞれ別の伴侶をもらい、レオナルドは4人の継母と16人の異母兄弟を持つことになるのだ。当時の文化や習慣がわからないので、何でも純愛物語と捉えるのは間違いだが、それならそうと説明が欲しいところだ。 カテリーナはミラノにレオナルドに会いに行き、彼の腕の中で命を落とす。ミラノでレオナルドがカテリーナを埋葬した記録が残っているのだそうだ。母子の心の動きもロマンチックに描かれる。 最終章は「私」、著者のヴェッチェがこの物語を書くにあたって調べた資料や推理した繋がりを説得力をもって語る。 学者としての立場上、当然ながら小説としての面白さよりも歴史的事実(仮説)を優先させている。だから残酷な現実を想像させるような箇所も著者は甘くロマンチックな解釈をする。さすがイタリア人だ。奴隷という不条理な仕組みの中でひとりの少女の人生を、周囲の人たちに幸福を与え、立派な息子を産んだという意義深い輝きをもって結実させる。カテリーナに対する愛情に溢れた物語である。

Posted by ブクログ