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沈黙の春 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2024/09/11 |
JAN | 9784334104214 |
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レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、農薬の大量散布による自然や生態系の破壊と健康被害に警鐘を鳴らし、自然保護活動やエコロジー思想に大きな影響を与えたとして非常に有名であるが、新訳が出たことから実際に読んでみることとした。 本書刊行の時代の1950年代から60年代というと、...
レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、農薬の大量散布による自然や生態系の破壊と健康被害に警鐘を鳴らし、自然保護活動やエコロジー思想に大きな影響を与えたとして非常に有名であるが、新訳が出たことから実際に読んでみることとした。 本書刊行の時代の1950年代から60年代というと、科学/化学の力に魅了されていた時代であり、農薬による害虫駆除が大々的に行われたのもそうしたことからだったのだろう。本書では、鳥や魚その他の動植物に対する被害や、水や土壌の汚染に関する実相が次々と明らかにされていく。そして、農薬会社や行政、あるいは研究費の助成等で企業と利害関係のある研究者などが、農薬がそれらの被害の原因であることを容易に認めなかったことが被害の拡大を招いてしまった。 著者は、害虫駆除について、農薬による化学的防除に対して、天敵を利用した生物的防除の成功例を紹介し、その可能性を称揚している。確かに上手くいった例はあるのだろうが、現地にはいない新しい生物を招き入れるということは、当然ながらその場所の生態系に影響を及ぼすことになるので、思わぬ状況が生じる可能性もある。 いずれにしても、人間が自然を思うがままに管理できるとするのは、人間の傲慢なのであろう。失敗からきちんと学ぶ、本書は多くの例を通して、貴重な教訓を教えてくれる。
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