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ピアノを尋ねて 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2024/08/29 |
| JAN | 9784105901967 |

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ピアノを尋ねて
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商品レビュー
3.4
24件のお客様レビュー
◼️ クオ・チャンシェン「ピアノを尋ねて」 台湾で多くの文学賞を受賞したという注目作。調律師と音楽家、実業家の孤独。独白が特徴であり、核心かも。希望は・・うーむ。 台湾注目の作家だという著者のピアノもの。クラシック好きの本読みとしては興味津々。多くの国で翻訳出版されている純文...
◼️ クオ・チャンシェン「ピアノを尋ねて」 台湾で多くの文学賞を受賞したという注目作。調律師と音楽家、実業家の孤独。独白が特徴であり、核心かも。希望は・・うーむ。 台湾注目の作家だという著者のピアノもの。クラシック好きの本読みとしては興味津々。多くの国で翻訳出版されている純文学だとのこと。 ヴァイオリンを弾く若い妻エミリーを亡くした実業家の林、類まれな才能を持っていたが家庭環境に恵まれず、教師の紹介で若き有名ピアニスト・ジョゼフと知己を得て、音楽学校に進んだ調律師の「わたし」。林は妻が経営していた音楽教室の閉鎖や妻のピアノである自宅のスタインウェイの処分を考えていたが、教室のピアノの調律師である40代の「わたし」と知り合い、その提案に従って中古ピアノ販売業へ乗り出そうとする。2人は大きなピアノ市場、ニューヨークへ旅立つ。「わたし」はエミリーの秘密を知っていたー。 最初の方は3人称と主人公の1人称が混ざっている感じだったが、やがて調律師のモノローグへ統一されていく。 ピアノとは、演奏とは、ピアニストとは。調律師はジョゼフとともに過ごした洋館でピアニストの悲哀を知る。またピアノの音、ピアノそのものについて深く感じていく。音楽教師として身を立てようとしたがうまくいかず、細々と調律師をしていて、どこかいつも人生に疑問と矛盾と孤独を感じている。 林サンが妻の関係していたものを切ってしまえない心理。2人が一緒に行動するくだりはリラックスできるところがなく、なにかがいつか破裂するような緊張感をはらむ。 終盤、かつてお世話になった教師・邱(チウ)先生の手紙で、わたしに大きな影響を与えたキーとなるものの行方が明らかになり、前妻の境遇による林サンの変化などから主人公の心が乱され、そして雪の舞うニューヨークのピアノ倉庫で、爆発するー。 わたしも好きな名ピアニスト、リヒテルの境涯や独白などが物語に重ねられ、グレン・グールドやフジコ・ヘミングの話も出てくる。主人公が邱先生と初めて聴くコンサートはダン・タイ・ソン。 仕掛けもボトムに敷かれているもの、ストーリーのクライマックスも、よく組み上げられていると思う。 ピアニスト、ピアノを続けようとして挫折していった者たちの心情、投げかけられる疑問には、時として我欲やプライドがのぞく。そのまま独白として露わに描くことは、人間くささを生む。対比として、自分の人生を掴んだ邱先生、そして最後に孤独感から逃れるすべを見つけた林サンと主人公との対比は鮮やかだ。台湾では決して降らない雪も効いている。 破滅的に表現される「老い」、寄り添うのもまた人間らしい人生で、ピアノ、ピアニストの世界が天上界の、空想の産物のようにも思える。やや浮いている気がする。うーむ、希望が見えない、空虚さが・・とも感じた。でも、これもまた、深い考察と強烈な表現かも知れないと考え直した。 もひとつ実感を持って心に響く、というわけにはいかなかったがこれはこれでいい、と思ったのでした。
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よくしてもらっている本屋の店主さんに「うだつが上がらないおじさんの話だよ、いいの?」と冗談まじりに言われながらも買った本作。 確かに味わうにはまだ人生経験が足りなすぎたかもしれない。もっと大人になれたら再読したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
台湾でベストセラーのピアノに関する小説ということで期待して読んだのだが、残念ながらあまり楽しめず、だんだん腹立たしくなってきたので、その原因を考えたメモ。 登場人物の性別がわかりにくく書かれているのは、意図的なものなのだろうか。 ・調律師(わたし) エイミーのピアノの調律師 ・エイミー(故人) ピアノ、バイオリンを演奏する 音楽教室を運営していた ・林サン エイミーの夫 エイミーとは20歳くらい年上の中年男性 エイミーとは再婚。先妻と子は米国在住 エイミーにグランドピアノを買い与える ・邱(ちう)先生 調律師が子ども時代の先生 ・ピアニストの青年(米国帰り) 調律師が少年時代に邱先生が紹介してくれた青年 スタインウェイのピアノを持っている ・エイミーの情夫(NYにいた) 同じ新潮クレストの『パリ左岸のピアノ工房』のようなリーダビリティを期待すると肩透かしである。 「わたし」が調律師であるゆえの思考回路も、それが登場人物との関わりにどのように影響していくのかの描写も物足りない。 頻発する「偉大なる音楽家であるわたし(今は調律師)」の尊大さを補う根拠が乏しすぎる。本人がそう思ってる裏付けエピソードが全く無し。一体この主語なんなんだ? この日本語の読みにくさは、訳がこなれてないのか、編集が緩いのが原因なのか。 アメリカ帰りの青年が、不治の病である(80年代後半の時代設定である、おそらくAIDSに罹患していたであろう)というのも、マイケル・カニンガムの『めぐりあう時間たち』のような展開を期待するも、時代が交錯するような物語性もなく、少年の「わたし」が「米国帰りのピアニスト青年」への思慕や憧憬の描写も充分ではなく、彼のピアノを傷つけるほど?(ここもよく分からん)の激情に説得力をもたせられない。 ラフマニノフのヴォカリーズ、グールド、リヒテル、フジコ・ヘミングという並びは、21世紀に読まれる小説としてはテレビのような通俗さえあり、目新しさも無い。(これはわたしが日本語話者であるせいかもしれないが) ラノベみたいだな。(悪口です) ベトナムのピアニスト(おそらくソン)、グールド、リヒテル、フジコ・ヘミングこの4人に共通するのは、(パートナーの有無はともかく)結婚していないことである。 調律師(わたし)が同性愛者であることは小説内では本人が言及しないまま、妻を亡くした林サンと距離を近づける展開には、彼への心情を匂わせる描写も足りていない。 (小説とは関係ない蛇足) ・邱(チウ)先生に連れられてショパンコンクールの優勝者(アジア人)のコンサートに行くシーン、80年代であることからピアニストはダン・…・ソンであるだろうと推察される。「彼は貧困家庭だったのよ」と先生の説明、ちなみに実際は、当人は貧困家庭ではなく(母親はピアノ教師で裕福な華人だ)幼年時代に不安定な環境であったのはベトナム戦争の要因が大きい。(小説で名前を出さないのは匿名性をもたせるためかもしれないが)わたし(調律師の子ども時代)が台北で餃子店を営む子沢山の家庭であったことを先生が慰めるための言葉であったのかもしれないが、それは読者の勝手な想像と憶測。 ちなみに台湾は音楽の才能があれば小学生から公立の音楽科の特殊クラスがあり、富裕層でなくても教育の機会はある。だからこういう状況は台湾の若者にはリアリティがあるのかもしれない。日本とは結構事情が違うのである。 ・ちなみに現在ダン…は「カナダ在住を選んでいる」ので「パートナー」(NYでのシーンでこの単語に注目させる描写がある)はいるのかもしれないがオープンではない。 ・リヒテルのドキュメンタリー「エニグマ」をyoutubeで観たという箇所あり、おっと、それ著作権的にどうなのよ…と。小説内の描写ならいいのか? ・この著者本人は劇作家らしい。訳者あとがきによると、著者はアメリカ在住時に同性のパートナーがいたが、不幸なことに自殺されている過去があるとのことなので、たとえばこれを台湾映画『鯨が消えた入り江』(←レスリー・チャンがモチーフとなっている)の監督、エンジェル・テンが映画化すると、クィアをテーマにした良い雰囲気の作品ができるかもしれない。今の台湾(同性婚は合法)にはこういう物語が求められているのだとすれば、そういうドラマを観たい人々もいるかもしれないね。
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