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ピアノを尋ねて の商品レビュー

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2024/10/21

天才的な才能を持ちながらも、貧しい家庭に育っちピアニストになれなかった主人公は、調律師となり自分が調律したピアノを弾いて周りの人を驚かせている。顧客だったピアノ教室を開くバイオリニストが亡くなり、年の離れた夫の林サンに呼ばれる。林サンはピアノ教室をどうするか、悩んでいた。そこから...

天才的な才能を持ちながらも、貧しい家庭に育っちピアニストになれなかった主人公は、調律師となり自分が調律したピアノを弾いて周りの人を驚かせている。顧客だったピアノ教室を開くバイオリニストが亡くなり、年の離れた夫の林サンに呼ばれる。林サンはピアノ教室をどうするか、悩んでいた。そこから主人公と林サンのピアノを巡るストーリーが始まる。 台湾で「聴覚小説」といわれ評判になった作品だとか。私は、とても好きな作品だった。

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2024/10/19

文字での創作で音楽を伝えるのはほんと難しいんだな この本の場合は出てくる作曲家も曲もどれも判りやすいものばかりだし甘く感傷的な小品ばかりだから、物語の雰囲気にシンクロしてBGMのように感じながら読めた ベーゼンとスタンウェイの音色の違いとか作曲家のエピソード(おもしろい)とか...

文字での創作で音楽を伝えるのはほんと難しいんだな この本の場合は出てくる作曲家も曲もどれも判りやすいものばかりだし甘く感傷的な小品ばかりだから、物語の雰囲気にシンクロしてBGMのように感じながら読めた ベーゼンとスタンウェイの音色の違いとか作曲家のエピソード(おもしろい)とか、クラシックピアノの経験がない人にはなんのことやら。。てなる部分もあるんじゃなかろうか 音楽学校の教授とか作曲家とか指揮者とか調律師とか、ステージピアニスト以上にいい演奏をする人は実際多くいる

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2024/10/09

なんだか合わないな〜、難しいことは書かれていないのに読みにくいなぁ〜と不穏に思いつつ、大好きなシューベルト、リヒテルに触れられていたので期待を保ちつつ、短めなので頑張ろうと何とか読了。 音楽のことをかなり語っているのに芸術性は感じられず深掘りもされず… 調律師も、かなりのピアノ...

なんだか合わないな〜、難しいことは書かれていないのに読みにくいなぁ〜と不穏に思いつつ、大好きなシューベルト、リヒテルに触れられていたので期待を保ちつつ、短めなので頑張ろうと何とか読了。 音楽のことをかなり語っているのに芸術性は感じられず深掘りもされず… 調律師も、かなりのピアノの才能があるということだったが、そしてそこがこの物語の質を確保する大事な部分だと個人的に思うのだが、特に文章からも彼の際立った才能も読み取れず、うーん。 音楽はプロットのための道具のようだった。残念。 9章になって突然調律の少し本格的な話になった。 主人公の調律師の言葉 ◯抽象的な描写がどれだけ自由奔放であったとしても、調律師にできる事は実はあまり多くはない。111 ◯私には人より優れた耳があって、音色に含まれる微細な違いも聞き分けられた。ただ奇妙なことに、音に対するこだわりといったものをほとんど持っていなかった。(略)演奏家の音に対するあの偏屈な完璧主義について、常に無関心であり続けることができた。112 うーん。演奏者と調律師の音の捉え方の違いはよく耳にする。調律師の方が演奏者よりかなり科学的で現実的な気がする。 だけど、こんな風に思っているのなら、ピアニストとして才能を活かせなかったのは必然なのでは?と思ってしまった。 最初から最後まで、なんだか芸術に関して色んなことがチグハグな気がした。どうして音楽を題材にしたんだろう?

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2024/09/28

「聴覚小説」と銘打っている本作は、台湾の主要文学賞を総なめにしたとのこと。帯にクラシックの巨匠たちの名が記されており、気になって読んでみました。 台湾の実業家が、再婚した妻を亡くして三か月。ようやく気を持ち直して、妻が生前営んでいた音楽教室の整理に取り掛かっているところ、ピアノ...

「聴覚小説」と銘打っている本作は、台湾の主要文学賞を総なめにしたとのこと。帯にクラシックの巨匠たちの名が記されており、気になって読んでみました。 台湾の実業家が、再婚した妻を亡くして三か月。ようやく気を持ち直して、妻が生前営んでいた音楽教室の整理に取り掛かっているところ、ピアノの調律師である”わたし”に出会います。 二人は、幾度か会って会話をするうちに、互いに過去の自分自身に向き合いつつ、また、相手を次第に受け入れて打ち解けていきます。やがて二人は、中古ピアノの販売事業をしようと思いたち、共にニューヨークに向かいました。そこでは、過去を紐解く偶然の出会いや、実業家の元の家族の出会いなどがあって……。 物語の合間に、ラフマニノフ、グールド、リヒテル、シューベルト……と、クラシックの巨匠たちの孤独な人生が語られていました。 レコーディングされた音を是とするグールドと、聴衆の前で演奏してこそというリヒテルの対比が面白い。作者はリヒテルに心を寄せているようですね。自分は、どちらか一方ではなく、両方こなしていて欲しかった…とはグールドに対して思うところがありますが。 話しがそれましたが、なんだかんだで歴史に名を残した人と、作中の夢が叶わなかった人たちの対比が物悲しさを誘う作品です。音楽に無理解な家庭で育った主人公。その幼い頃に才能に気づいて目をかけてくれた先生。先生から紹介された同級生のピアニスト。音楽家の妻を亡くした実業家。彼らを通して、結局のところ人生を振り返ったとき、自分に対して嘘偽りが無かったか?そんなことが問いかけられているようでした。それでも人生なんて納得感(それに対する解釈であり、諦めでは無い)であり、なるようにしかならないんですけどね。ラストは、モヤっとしてますが、主人公には希望の光に向かって歩んでいってほしいと思いました。

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2024/10/10

台湾の文学賞総ナメ、ピアノ調律師を描く小説! そりゃ読みますとも、イメージは宮下奈都「羊と鋼の森」でしょう!? ・・・ところが、全然違う。 なんというか渇いた小説で、読みようによっては、 いくらでも深淵が続くような・・・ 老いや喪失の哀しみ、諦念を抱える主人公は語り手の「わ...

台湾の文学賞総ナメ、ピアノ調律師を描く小説! そりゃ読みますとも、イメージは宮下奈都「羊と鋼の森」でしょう!? ・・・ところが、全然違う。 なんというか渇いた小説で、読みようによっては、 いくらでも深淵が続くような・・・ 老いや喪失の哀しみ、諦念を抱える主人公は語り手の「わたし」。 若き日の回想を交えつつ、 亡くなった雇い主の夫であるビジネスマン「林サン」と 交流をしていく・・・物語。 二人は中古ピアノの販売を目指して、NY.へ向かい そして・・・というところからがクライマックスで、 雪の描写が美しい。 調律師は天才ピアニストの才能をもちながら、かなわず。 「林サン」の妻は機会に恵まれながらも、才及ばず。 二人に象徴されるように、どちらにしても哀しみと孤独、秘密を抱えるのだろう。 読んでいて、ずっと「やめて~」と叫びたくなる感じ。 なんだか灰色の陰に包まれていくようで、やるせない。 でも読み続けたのは、ピアノの物語りだから。 ラフマニノフに始まり、リヒテル、シューベルト、グールドら 天才と呼ばれた人たちの孤独と苦しみが、 彼の目を通しをうかがい知れる。 (情報知識として知らなかったこともあるし) 影響されて、毎晩シューベルトのソナタ894番を聴いている (内田光子演奏) 大好きなロマン派、その開拓者ながら、なんとなく敬遠し続けていたのだが・・・ 聴いて良かった。聴かず嫌いはイカン! それも収穫♫

Posted byブクログ

2024/11/05

出版社(新潮社)のページ https://www.shinchosha.co.jp/book/590196/ 内容紹介、「試し読み」、書評、短評紹介

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