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新自由主義と教育改革 大阪から問う 岩波新書2029
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2024/08/22 |
JAN | 9784004320296 |
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新自由主義と教育改革 大阪から問う
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新自由主義と教育改革 大阪から問う
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商品レビュー
2.5
5件のお客様レビュー
3.0 大阪の教育改革の破綻しているところを指摘する専門書。何のために学び、どんな力をつけたいかの教育の原点を明らかにしようとしている。
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同じ研究室にいた先輩・高田さんの本。私は研究室を離れてもう20年以上経つし、学校へ通う子どもがいるわけでもないので、この間に大阪の教育に関しておこなわれてきた"改革"のこまかいところはよく分からずにいた。とくに大阪維新の会が率いてきた"教育改革&qu...
同じ研究室にいた先輩・高田さんの本。私は研究室を離れてもう20年以上経つし、学校へ通う子どもがいるわけでもないので、この間に大阪の教育に関しておこなわれてきた"改革"のこまかいところはよく分からずにいた。とくに大阪維新の会が率いてきた"教育改革"のことは、新聞報道などで読むのと、子どもがいる同僚さんにチラと聞くくらいだった。 詳しい話は、本文の各章に書かれているが、高田さんがここ十数年の(=大阪維新の会がのしてきた時期の)大阪の"教育改革"をどう捉えているか、どう考えているかは、「序」におおよそまとめられている。 ▼今まで述べてきた改革には次のような問題があったと私は考えている。第一に、教育界(教職員、教育行政関係者、教育研究者)の意見が尊重されず、政治主導で改革が進んだこと、第二に、選択や競争で教育はよくなるはずだという考え方が広まっていったことである。(p.5) ▼政治主導の教育政策は「新自由主義」の考え方に強い影響を受けている。 …(中略)… 教育における新自由主義とは、教育に市場原理を取り入れ、子どもや保護者(=消費者)による教育(=商品)の選択を促し、教師や学校(=サービス提供者)同士の競争を促すことによって、できるだけ安上がりに教育の質を向上させようという考え方である。(p.6) この本を読んでみて、15年余りの間に、大阪の教育の場でこんなことが起こっていたのかと、断片的に知っていたことがつながった気分。少子化という背景があるにしても、府立高校の募集停止や廃校がどんどん進んでいるのは、学区の廃止や私立高校無償化といった施策があったからか…。大阪市の小中学校の学校選択制も、格差を広げ、地域を切り分けてしまっているようだ。 ▼…新自由主義的改革は、政権が交代しても後戻りせず、軌道修正しつつ受け継がれている。いったん転がりだした改革は、なかなか止められないのである。(p.7) ▼改革の必要性を訴える人たちは、「改革を試みたが、うまくいかなかった」とは決して言わない。その人たちに言わせれば、改革は常に進めなければならず、改革は必ず成果をもたらすものである。何か不具合や問題が起きているとすれば、それは改革が足りないからである。時には教育関係者が「抵抗勢力」として悪者扱いされることもある。(p.10) さいごの第7章「新自由主義的教育改革に対抗するために」は、高田さんが言いたいことを最低限まとめた感じ。もう少し詳しく読みたい場合には、参考文献を参照せよということのようだ。(残念ながら、参考文献にあがっている、やや専門的な本は、地元の市立図書館にはほとんど所蔵がない。) この7章での高田さんの主張は、「応答性を土台にした教育が「育つ権利」を保障する」(p.182)こと、「子どもの権利保障とよりよい社会づくりを有機的に結びつけるために「子どもの参加」を大切にする教育が求められている」(p.182)こと、「子どもの参加は社会を変える」(p.200)こと、大きくはこの3点だろう。 ▼新自由主義的な教育改革の中では、教師と子どもの関係は、サービスの提供者と顧客の関係としてとらえられてしまう。それは選ぶ・選ばれる(市場になぞらえれば、買う・買われる)という顧客優位の関係である。サービス提供者(教師)は顧客(子どもや保護者)の満足度を高めるために努力するが、提供者が顧客の期待に応えられなかった時、顧客は去っていく。そのような関係の中では応答的な教育は成り立たないし、教師と保護者が助け合う関係もつくれない。(p.186) 先日の衆院選で、全国的には議席を減らしたものの、大阪では維新の会が圧勝だった。教育を"サービスの提供"と捉え、子どもや保護者を"お客様"とする関係では、あまりいいことになると思えない。ここまで維新の会がゴリゴリやってきた教育改革のなかで、既に義務教育を終え、高校や大学へ進む子どもがいる。それくらいの時間が過ぎた。 ここから、新自由主義的な教育改革に対抗していけるのか。できることなら、叶うことならと思うが、維新の会がこれだけ勝ててしまう中では難しいだろうとも思う。たとえば、この高田さんの本を、維新の会の首長や議員が読むだろうか?と思うと、望み薄な気がする。それでも、現状認識をすりあわせ、よりよい未来を展望する議論をできる場のための賢明な資料として、読まれてほしいと思う。 (2024年11月11日了)
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古典的な自由主義は、社会契約説が元になっている。アダムスミスの神の見えざる手。 社会主義の台頭で、ケインズ主義的福祉国家の誕生。 オイルショックで経済成長にブレーキがかかると、福祉国家の非効率性を批判して、小さな政府を目指す動きがでた。古典的な自由主義の焼き直しではなく、価値の多元性に支えられた思想。選択の自由を尊重、福祉国家的な自由を制限する政策を批判した。サッチャー政権、レーガン政権など。 大阪は、新湯有主義的な教育改革が大規模に組織的に行われた。 アベノミクスで格差が広がり再分配が進まなかった。政府が賃上げを迫る事態=自動的には賃上げにはならなかった。新自由主義は行き止まりだった。
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