死の壁 死ぬ時に幸福な人

和田秀樹(著者)

• 販売会社／発売会社: かや書房
• 発売年月日: 2024/08/28
• JAN: 9784910364513

商品レビュー

2025/01/06

何冊も和田秀樹さんの本を読んできたが、言わんとしていることは理解しているつもりです。
この本は、今まで言ってこられた見解にもちろんブレはない。
同じような生き方、考え方の近藤誠医師へのリスペクトも感じられるが、「胃ろう」に関する考え方については、和田秀樹さん独自のものであった。
生い立ちであるが、「灘中学」に入った経緯は初めて知った。そして頭の良さ故、東京大学理三へ入ってしまったこと。
そして、老人病院での経験が後の和田秀樹さんの生き方に影響を与えたということも再認識できた。
「今を楽しく生きろ」という基本的な考え方、そして人生の終焉は、その延長線上にある。
この本を読んで、医者に人任せの人生を歩んでいる方々が、しっかり自分の人生に責任を持って、堂々とした自分自身の人生の終わり方について参考にして欲しいものである。

最後に「胃ろう」に関する件だけ、下記に記します。
・数々の延命治療があるなかで、胃ろうだけは胃に食べ物が入っていくだけなので、まったく苦しくありません。だから、一日でも長生きしたい人には胃ろうはお勧めの治療です。
・ただ、胃ろうのやっかいなことは、なかなか死なないことです。
・そこまでして、生きたいのか。それは、それぞれの価値観せしょう。
・苦しい延命治療をするか、残り時間を充実させるためにしないのか、それは自分の
　人生なので自分の生き方の問題です。
・最後までがんと闘うのもいいし、命を短くしてやりたいことを優先するのもいい
　わけです。
・胃ろうはなかなか死なないし、苦しくないし、ほかの延命治療よりはマシな治療
　だと言えるでしょう。

というような考え方でした。
最後の最後ですが、『医者なんて偉くもなんともない』という発言です。
ということは、自分自身の唯一無二の人生、人任せにすることなく、充実した人生を送るために必要な情報についてしっかり生涯学習し、悔いのない人生を送りなさいと言うメッセージだったと思います。