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邪行のビビウ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2024/07/22 |
JAN | 9784120058080 |
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商品レビュー
2.8
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の作風としては珍しい、ダークファンタジー。 日経新聞で取材記事を読んで興味を持った。 「新型コロナウイルス禍に続き、ロシアによるウクライナ軍事侵攻。現実が想像を超えたような状況に、僕自身、エンターテインメントに没頭できなかった。しかし、そんな時期だからこそ、いつか真正面から向き合いたいと思っていた戦争を取り上げ、ちゃんとしたエンタメ小説を書きたいと考えました」 邪行師という死者をよみがえらせる呪術を使う主人公の一族。 架空の国家ベラシア連邦と、その共和国のルガレとの間の独立戦争。どことなく、著者が言う、“現実が想像を超えた”とある事象を想起させる。 その点でも興味深く読むことができた。 独裁者の支配に抵抗を示す反乱軍、暗躍する殺戮集団、三つ巴とも言える複雑な対立構造の中に、ビビウたち邪行師たちも、否が応でも巻き込まれていく。 主人公ビビウと、ベラシアの軍人ケーリン・バイが戦場で出会い交わす会話に以下の言葉ある。 「正しい戦争なんてない」ビビウは言った。「でも間違っていることを正すためには、自分も同じくらい間違わなくては太刀打ちできないこともあると思います」 「人の業ってやつか。だとしたら、ベラシアが戦争に明け暮れてきたのも理解してもらえるはずだ。むかしの戦争に勝ったやつらが決めたルールに納得がいなかいなら、おれたちだって声をあげるしかない。さもなければ、世界はおれたちの頭を踏んずけている臭い足をどけてくれない」 前段のビビウの言葉は、中盤でも再度繰り返される。著者の思いの籠った一文のようだ。 一見、ロシア・ウクライナ戦争を題材にフィクションとして物語を構築してはいるが、根本のところで、現状の、このキナクサイ世の中を作っているのは、ケーリン・バイの言うところの、「むかしの戦争に勝ったやつらが決めたルール」の存在であり、それを作っているのは、80年近く前の戦争に勝利を収めた一部の列国による陰に日向にの支配に他ならない。 そんなことにも思いを馳せながら読むことができる。 それを、邪行術といった、死体を蘇らせて動かすチープなギミックと、日本のアニメ好きのビビウの伯父ワンダ・ニエのユーモラスな言動を交え、重くなり過ぎないように描く。 ライトノベルを書いていたこともあるという著者。その頃の経験も生きているのだろう。
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新聞のインタビューによると、著者は「死ぬことにすごく恐怖がある。だからこういう物語を書いて少しでも死を怖がらないようにしたかった」と。 著者の母のルーツである中国・湖南省の死者が歩く伝説から着想を得たらしい。 ファンタジーなんだろうけど、重厚で、なのに読後爽やかさが残る一冊。 表...
新聞のインタビューによると、著者は「死ぬことにすごく恐怖がある。だからこういう物語を書いて少しでも死を怖がらないようにしたかった」と。 著者の母のルーツである中国・湖南省の死者が歩く伝説から着想を得たらしい。 ファンタジーなんだろうけど、重厚で、なのに読後爽やかさが残る一冊。 表紙は最近よく見るwataboku。
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いろんな要素があり過ぎて、中盤、メインとなる出来事や状況がよくわからなくなった。 巻き込まれて犠牲になった感が強くてなんだかなぁと思ったが、それが戦争下というものなのだろう。 今まで読んできた著者の作品とは違っていた。
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