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新宿花園裏交番 街の灯り 祥伝社文庫
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新宿花園裏交番 街の灯り 祥伝社文庫

香納諒一(著者)

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新宿花園裏交番 街の灯り 祥伝社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 祥伝社
発売年月日 2024/07/11
JAN 9784396350642

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新宿花園裏交番 街の灯り

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2024/10/01

  長く読書をしているにも関わらず日本の出版事情にさほど詳しくない。海外小説読みのぼくには、国内小説の出版の仕方に関して、いろいろな不思議があるのだが、その一つは、同じ作者でも、作品により、文庫・ソフトカバー・ハードカバーという本の種類の差があることだ。もちろん出版社の判断の差も...

  長く読書をしているにも関わらず日本の出版事情にさほど詳しくない。海外小説読みのぼくには、国内小説の出版の仕方に関して、いろいろな不思議があるのだが、その一つは、同じ作者でも、作品により、文庫・ソフトカバー・ハードカバーという本の種類の差があることだ。もちろん出版社の判断の差もあるのだろうが、作品やシリーズにそれぞれの重みを作者が付加しているとは思えないので、誰がそれを判断するのかである。香納諒一という作家だけを見ても、本シリーズは最初の二作はハードカバーだったのだが、三作目からは文庫に変わった。日本版コロンボという風味のある花房京子シリーズは、最初から通してソフトカバーである。物語に昭和の重厚感のある川崎警察シリーズは、やはりハードカバーの重みが似合う。小説に重さや軽さがあるわけではないのだろうが、出版する会社の判断がどのようにこれらを決めてゆくのかぼくにはよくわからない。  そうした坂下巡査シリーズがいきなり文庫化された作品がこれだ。しかもあまり時間を置かず二作目が出るとの話も聞いている。やはり読んでみて物語が前作に比べて軽くなったというわけではなかった。他の警察小説シリーズに比べるとどうしても舞台が刑事部屋ではなく花園裏交番ということだから、いわゆる刑事とは動きの差が出るのだが、事件現場の最前線に最初から配置されている警察官たちに顔を与えた小説シリーズというあまり見ない側面で描かれるスリリングな物語は珍しい。  新宿という舞台もあるだろうが、そこに蠢く国際的な組織対立と闇の深さは刑事部屋ももちろんのこと、街に出張って銃器・警棒を装備している警察官たちにとってはむしろ命のやりとりが日常的に行われる所謂『現場』なのである。そこに眼を付けてミステリーを書く作家が初めてとは言わない(パソコン通信時代の友人から本格ミステリ作家としてデビューした太田忠司の最初の作品『僕の殺人』が、まさに交番勤務の警官だった。ちなみに単発TVドラマにもなった!)が、ここまで命のやりとりをする交番勤務の警察官たちのシリーズ作品はまず皆無だったろう。  ちなみに香納諒一という作家は、ぼくがパソコン通信時代「冒険小説&ハードボイルドフォーラム」を運営していた時に若手作家として加入してきて頂いた方である。彼のデビュー当時の作品はアウトロー側から描いた傑作が多く、フォーラムの中でも高く評価され、ファンは多かった。しかし円熟期を迎えてからの香納諒一は、滅びの美学から徐々に変化を遂げ、警察小説の書き手として強固な地盤を作ってきた作家である。ぼくはその当時の愛読者の中の一人というわけだ。  本書では、真夜中の魔都・新宿に消えた少女の行方を追う交番勤務の警察官たちのストーリーなのだが、実に多くの有象無象の悪党たちが絡み合う複雑な構図はこのシリーズの最早シンボルのようなものだ。都会でダメになってゆく者たち、それぞれが金と欲とそこに愛とか執着という名の不確定要素が入り込むときに生まれる読みにくい人間絵図。新宿という人種と善悪の坩堝を背景に、一人の若い警官と彼を取り巻く上司たち、刑事たちが、底の深い人間の罪を掘り起こす物語である。いつもながら人間の書き分けが秀逸。でもできればシリーズ第二作までもが文庫化されているみたいだから連続的に読んできて頂きたい本書である。シリーズとして読んだ方がこの世界の深みはしっかり味わえるだろうから。

Posted by ブクログ

2024/08/11

新宿花園神社裏交番の巡査が事件を解決する。 今回はクスリと女が絡んだ複雑且つ分かりやすい事件。警察庁のエリートが事件に絡んでいて最後まで起訴されない。 警官は街の灯りを守るのが仕事。人生は続いていく。 復讐なのか、容疑者になるのか、この先をみてみたい。

Posted by ブクログ

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