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夜の日記 金原瑞人選モダン・クラシックYA
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夜の日記 金原瑞人選モダン・クラシックYA

ヴィーラ・ヒラナンダニ(著者), 山田文(訳者)

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夜の日記 金原瑞人選モダン・クラシックYA

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 作品社
発売年月日 2024/07/12
JAN 9784867930410

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商品レビュー

4.3

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2024/10/13

海外文学は登場人物の名前がなかなか覚えられず、苦手で敬遠しがち。 でも、仕事で読まねばならぬ機会に恵まれ手に取った。 第二次大戦後、イギリスが撤退したインドはヒンドゥー教、シク教とイスラム教で国をインドとパキスタンに分断されることになる。 パキスタン側に住んでいた12歳の少女ニ...

海外文学は登場人物の名前がなかなか覚えられず、苦手で敬遠しがち。 でも、仕事で読まねばならぬ機会に恵まれ手に取った。 第二次大戦後、イギリスが撤退したインドはヒンドゥー教、シク教とイスラム教で国をインドとパキスタンに分断されることになる。 パキスタン側に住んでいた12歳の少女ニーシャーは医師である父と双子の弟アーミル、祖母のダーディーと徒歩と鉄道を使いインドへ向かう。その時の様子を住み込みの料理人でイスラム教徒のカジにもらった日記帳に記した日記形式の物語。 第二次大戦後、多くの国が分断され独立してきた。でも、インドとパキスタンの分断独立はガンディーのことばかり注目されて、ことような宗教上の違いから人々が殺し合い、差別し合い、ヒンドゥー教徒やシク教徒はインド側へイスラム教徒はパキスタン側は逃げるように移動していったことは知らなかった。 道中、いろいろな困難があったがそこを乗り越え、ニーシャーは幸福を手に入れる。 果たして、今現在、中東やウクライナで困難な状況に置かれている子どもたちには明るい未来はあるのだろうか。あって欲しいと願わずにはいられない。

Posted by ブクログ

2024/09/27

今現在も中東での争いは絶えない その悲しい悲劇のはじまりの物語だ。 インドに1本の線が引かれ、そこが 国境になりパキスタンと言う国が 生まれ、ヒンドゥー教徒はインド側に 逃げなければならず少女の一家は 苦難の末国境を越える。 少女は日記の中で何故今迄、多様な宗教 同士の人間が同じ...

今現在も中東での争いは絶えない その悲しい悲劇のはじまりの物語だ。 インドに1本の線が引かれ、そこが 国境になりパキスタンと言う国が 生まれ、ヒンドゥー教徒はインド側に 逃げなければならず少女の一家は 苦難の末国境を越える。 少女は日記の中で何故今迄、多様な宗教 同士の人間が同じコミニュティで 暮らして居たのに憎み合い、殺し合わ 無ければならないのか? そして、平凡な日常が如何に幸せなのかを 日記に書きながら思う。 この物語は宗教が違っても、人間の愛は 変わらずそこにある事を教えてくれる。

Posted by ブクログ

2024/08/26

 1947年8月。インドがイギリスから独立することが決まった。たが独立後はふたつの国に分割される。イスラム教徒はパキスタンに、ヒンドゥー教徒はインドに住むことになる。語り手の少女ニーシャーの家は現パキスタンの町にあった。ニーシャーの父はヒンドゥー教徒だから家を出て、新しいインドに...

 1947年8月。インドがイギリスから独立することが決まった。たが独立後はふたつの国に分割される。イスラム教徒はパキスタンに、ヒンドゥー教徒はインドに住むことになる。語り手の少女ニーシャーの家は現パキスタンの町にあった。ニーシャーの父はヒンドゥー教徒だから家を出て、新しいインドに移動しなければならない。ニーシャーの母はニーシャーと双子のアミールを産んだときに亡くなっていた。母はイスラム教徒だった。  世の中は「あたらしいインドの誕生」をお祝いしているが、ニーシャーはとてもそんな気になれない。インドが「自由」になるために、これまで仲良く暮らしてきた人たちとバラバラになってしまうからだ。ニーシャーは知っている人をシク教徒の〇〇、イスラム教徒の〇〇と枠に当てはめて考えて見たが、その人のなにかが変わるわけでもなかった。ニーシャーは家族同然に暮らしてきた家の料理人でイスラム教徒のカジとさよならしたくない。「自由」はいいものだと思っていたが、インドがふたつの国に分かれるのはいいことだと思えない。宗教が違うだけでなぜ反目し合うのか。ニーシャーにはおなじ人間にしか思えないのだ。  そう思うのは父が医者であることも大きいかもしれない。父に見せてもらった医学者によれば体内に骨も肉も血があるのはみな同じ。それなのに宗教で人を分けることに疑問を抱くのだ。  ニーシャーは「そもそも」を考え、子どもらしい素直な視点で、インド独立前後の様子を日記に綴っていく。とくにグッときたのは〈独立国誕生〉には光だけではなく影の面もあることを自らの誕生時の悲しい事故になぞらえる場面だ。自分たちが生まれたのはうれしいが、母が亡くなったのは悲しく、父の思いは複雑だっただろうと思うのだ。ニーシャーは聡明で繊細な子だ。ただ、ことばが思うように発せないため日記に綴っている。感性が鋭く、双子のアミールを見る目も美しい(アミールには特別な事情があり父から誤解されている)。  旅立ちの日の場面が印象深い。ニーシャーはカジからすり鉢とすりこぎを渡される。鉢にはスパイスのしみが残っていて、ふたりがキッチンで一緒に過ごした思い出がしみこんでいた、  悲しく厳しい場面ばかりではない。カジがいうように「料理は人をむすびつける」ものだ。人をつなぐたくさんのインド料理やデザートが出てくる。カジがニーシャーにあげた日記帳にはスパンコールや小さな鏡がついていて希望が煌めいているようだ。なにより、ニーシャーの両親は宗教の違いで家族に大反対されながらも愛を貫き、結ばれていた。宗教や家柄や民族に関係なく、「人を愛すること」が冒頭から貫かれており、児童文学らしいさわやかさがあった。

Posted by ブクログ

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