夜の日記 の商品レビュー
1947年にインドが英国から独立した時、宗教間の争い対策としてインドとパキスタンに分かれたことを初めて知りました。 亡くなった母がイスラム教、父がヒンドゥー教の家庭で育ったニーシャーの家族が身の安全のため、それまで住んでいた地域を離れ長距離の過酷な逃避行を余儀なくされます。なぜこ...
1947年にインドが英国から独立した時、宗教間の争い対策としてインドとパキスタンに分かれたことを初めて知りました。 亡くなった母がイスラム教、父がヒンドゥー教の家庭で育ったニーシャーの家族が身の安全のため、それまで住んでいた地域を離れ長距離の過酷な逃避行を余儀なくされます。なぜこんなことになるのかという切なさが一番の思いでした。 またニーシヤーの双子の弟アーミルは、場面緘黙(多分)のニーシャーのことを一番に理解してくれていて、代わりに発言してくれる存在。そのアーミルは多動気味で発達障害を抱えている模様。この2人の子どもに対する父親の接し方から、他者を理解することや相性の難しさも感じました。 無駄な部分が一切なく、心に残る一冊でした。
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1947年、インドとパキスタンがイギリスから分離独立したときの物語。ヒンドゥー教はインド、ムスリムはパキスタンに居住地域を定められたので、膨大な数の民族移動が起き、それにまつわる暴動、大勢の死亡者が出る悲惨な出来事に。 その中でムスリムの使用人から贈られた日記帳に日々の思いを...
1947年、インドとパキスタンがイギリスから分離独立したときの物語。ヒンドゥー教はインド、ムスリムはパキスタンに居住地域を定められたので、膨大な数の民族移動が起き、それにまつわる暴動、大勢の死亡者が出る悲惨な出来事に。 その中でムスリムの使用人から贈られた日記帳に日々の思いを書き綴るヒンドゥーの少女を軸に話は進んでいきます。「なぜみんな仲良くなれないの?」という思いをあきらめていないだけ、彼女の嘆きあるいは喜びが伝わってきます。
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国の体制が変わるのは歴史的に大きな出来事だけれど、大きく何かが起こっている渦中には、必ず小さな個人の物語がある。どんなときにも、そこには生きている個人がいることを忘れてはならないと思った。 そして、いつも苦しむのは弱い立場の人たちだ。
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「スラムに水は流れない」に続き、またインドを舞台にしたお話。 インドがイギリスから独立した時にこんな現実があったことは全く知りえなかった。 歴史は疎い私がこうやって本を読むことで、大切な出来事を知ることができる。 本が翻訳され、少しずつでも自分の世界や知識が広がる喜びがあることに...
「スラムに水は流れない」に続き、またインドを舞台にしたお話。 インドがイギリスから独立した時にこんな現実があったことは全く知りえなかった。 歴史は疎い私がこうやって本を読むことで、大切な出来事を知ることができる。 本が翻訳され、少しずつでも自分の世界や知識が広がる喜びがあることに感謝したい。
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イギリスから独立したインドを舞台に、時代の大波に翻弄される少女の日記。フィクションではあるが実際の体験談を元に書かれている。 YA向けの生々しく過酷な物語。少女の気持ちを思うと辛くなってしまうが、それでも懸命に考え、生きようとする姿勢からは学ぶことが多い。世界には様々な宗教や考...
イギリスから独立したインドを舞台に、時代の大波に翻弄される少女の日記。フィクションではあるが実際の体験談を元に書かれている。 YA向けの生々しく過酷な物語。少女の気持ちを思うと辛くなってしまうが、それでも懸命に考え、生きようとする姿勢からは学ぶことが多い。世界には様々な宗教や考え方の違う人間がいるが、根本は同じ人間だ。この分断の時代において、まず相手を知ろうとすることの大切さを教えてくれる物語だと思う。今こそ多くの人に読んでほしい。
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印象に残る言葉がいくつか出てきた。 幼い女の子の視点で終始語られることで、大人なって諦めてしまっていた大切な事を思い起こしてもらえた。
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自分の無知を恥じた。 インドとパキスタンの分離独立をテーマに、少女の日記を読みながら当時の状況を知ることができる。そこには生きている人たちがいて、家族がいて、友人がいて、ニュースの中の世界だと思っていた出来事が、この本を読んで人の体温を感じ、胸がギュッとなった。
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今まで知らなかったインドとパキスタンが分かれたときの、普通の人の暮らしと気持ちの変化を知りました。前半が少し重たくまだるっこい感じがして読み進めるかどうか迷いましたが、勇気を出して読み進めたところ中盤から後半は一気に流れが進んで、最後まで読めました。逃げなくてよかったです。自分が...
今まで知らなかったインドとパキスタンが分かれたときの、普通の人の暮らしと気持ちの変化を知りました。前半が少し重たくまだるっこい感じがして読み進めるかどうか迷いましたが、勇気を出して読み進めたところ中盤から後半は一気に流れが進んで、最後まで読めました。逃げなくてよかったです。自分が関心のなかった分野だったのに、読んでみたことで世界がぐっと広がった感じがしました。
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ヤングアダルト向けの小説。 インド独立時の宗教対立のおはなし。 主人公ニーシャー家族はヒンドゥー教徒。現パキスタンの住まいから現インドの街へ出ていかなければならない。けれども、宗教間の暴力や砂漠の道が家族を危険に晒す。 ニーシャーの死んだ母親はイスラム教徒という設定で、死んだ母に宛てた日記という体裁を取られていることが、とても効果的にニーシャーの引き裂かれる心を表現しており、胸に迫る良著だった。 潜伏中、普段は言葉少なで友達もいなかったニーシャーが、危険と分かっていながら、イスラム教徒の女の子と友だちになりたいという強い衝動に駆られるのはどうしてなのか考えてみる。納得のできない別れの連続や命の危険に強いストレスを受けて、心がバラバラになってしまったのかな。世界は間違っている。イスラム教徒の女の子と友だちになれればまだ完全に世界は壊れていないと思える、と思ったのかな。 とてもリアルで悲しいおはなしだった。 そういうことがあった、と知っているのと、当事者目線で追体験する、のとでは心に残る重みが全く違う。 終わらない悲劇を思う夜になった。
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世界には様々な宗教対立や、民族文化の違いによる差別など歴史背景があるが、本書のような過酷な体験を記した本を読むたびに、 どこまで残酷で根深いのだろうと悲しい気持ちになる。 また、本書は作者の実体験ではなく、親戚の体験をもとにしているというが、実際小さな子供達もたくさん犠牲になっていただろうと思うと胸が痛む。 物語は、主人公ニーシャーにとって言葉とは「希望」そのものだったのだろうな、と思える希望あふれる最後になっていて良かった。
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