地域から築く自治と公共

中山徹(著者)

• 販売会社／発売会社: 自治体研究社
• 発売年月日: 2024/06/27
• JAN: 9784880377674

商品レビュー

2025/02/07

1. 自治と公共性の現状
本書では、自治体の現状と公共性の問題が論じられている。特に新自由主義的政策が地域の生活を脅かし、地方自治の縮小が進んでいることに焦点が当てられている。デジタル化による自治体施策の統一化や、行政の産業化が地域の独自性を奪う危険性も指摘されている。

2. 地域と生活の破綻
2.1. 経済的困難
- 貨幣の低下や社会保障予算の削減により、可処分所得が減少している。
- 地域経済の低迷と人口減少も地域の衰退を加速させている。

2.2. 地方自治の縮小
- デジタル化の進展により自治体独自の施策が縮小され、地方自治法の改正によって自治体の権限が後退している。

3. 自治と公共性の再生
3.1. 公共性の再生
- 地域福祉、教育、地域経済、まちづくりにおける公共性の再生が必要であると強調されている。

3.2. 自治体の再生
- 自治体が地域住民のニーズを把握し、政策に反映させることが求められている。

3.3. 地域経済の活性化
- 地域内で循環するお金を増やすことが強調され、中小企業を支援する必要があるとされている。

4. 地方政治の条件
4.1. 選挙と市民参加
- 地方政治を変えるためには、市民の積極的な参加が不可欠であるとし、特に若者層の投票を促す重要性が論じられている。

4.2. 野党共闘の重要性
- 地域の問題解決には、国政レベルでの野党共闘が必要であり、その実現が地方政治の変革を促進するとされている。

5. 地球環境と地域社会
5.1. 環境問題の深刻化
- 地球温暖化や気候変動が地域社会に与える影響が指摘され、持続可能な地域づくりが求められている。

6. 結論
本書は、地域の自治と公共性の再生に向けた具体的な施策や理念を提示しており、特に市民の参加や地域経済の活性化が重要であると結論づけている。新自由主義的な政策からの脱却と、地域の独自性を尊重した政策の実施が求められている。