貴方のために綴る18の物語 祥伝社文庫

岡崎琢磨(著者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2024/06/12
• JAN: 9784396350536

商品レビュー

2024/09/13

駅のホームで出会った老紳士から物語を読んで感想を書く仕事を持ちかけられる...報酬その額143万円...

老紳士はなぜそのような仕事を自分に持ちかけたのか、この老紳士は何者なのか、どうして高額な報酬なのかを主人公と一緒に18の短編を読み進めて行くことで明らかになっていく。

読み進めるにつれだんだんと自分が物語の中に入っていく感覚は帯の通り「体験」そのものでした。

2024/08/25

まさに小説の世界に没入し、主人公と共に自身の感情が揺さぶられる一冊。
心の繊細さをくすぶる内容で、ミステリーとしても展開が面白い。
これまで恋愛小説は全く読んだことがなかったが、この一冊は、ミステリーの生地に恋愛にまつわる心象反応がスパイスとして乗せられたイマーシブ恋愛ミステリーであり、とても緊張感があって面白かった。

2024/08/18

――１８作の小説を読むだけで、１４３万円を差し上げます
ある日、主人公は駅のホームで出会った老人からこんな提案をされる。
疑いつつも主人公はその提案を了承し、送られてくる８０００字ほどの短編小説を一定期間読むことになる。

読み手のこちらとしては、老人はなぜこんな提案をしてきたのか？という意図がもっとも気になるところなわけだけど、読み終えた感想としてはそのへんがいまいち納得できなかった。目的そのものは理解できるものの、「もっと別の手段があったんじゃね？」と思わずにはいられない。
個人的には、作者さんが書き溜めたショートショートが一定数あって、そのまま捨てるのはもったいないから何かの形でリサイクルできないかな～的な発想で本作ができたのではないかと予想している。
ただ、それぞれのショートショートはけっこうおもしろく、ハッピーエンドからバッドエンド、ほっこりする話から胸糞悪い話、どんでん返し、などなど、バラエティに富んでいるのでそれなりに楽しんで読むことができる。しかし全体の構成としてはいまいち納得できないので☆２つとした。