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明智恭介の奔走
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2024/06/28 |
| JAN | 9784488029067 |
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明智恭介の奔走
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商品レビュー
3.6
173件のお客様レビュー
短編集。屍人荘の殺人より前のお話。 日常に起きる事件を明智さんと葉村くんが解決していく。 サクッと読了。ちょっと物足りない、、、
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※このレビューにはネタバレを含みます
2018年本屋大賞の続編、スピンオフ作品 『屍人荘の殺人』で強烈な印象を残しながら、物語の途中であっさりと退場してしまった明智恭介。 「あのキャラクターを、あそこで終わらせるのはもったいない」と感じた読者は多かったはずだ。本書『明智恭介の奔走』は、そんな思いに応えるかのように、彼が生きていた“過去”の事件を描いた短編集である。 舞台は神紅大学とその周辺。殺人事件は一切起こらず、扱われるのは盗難騒ぎ、日常の違和感、試験問題の消失、奇妙な悪戯など、ごく身近で小さな謎ばかりだ。いわゆる「日常の謎」ミステリであり、米澤穂信の古典部シリーズが好きな人には特に相性がいい。個人的にも、死人が出ないミステリはやはり読み心地がよく、本作はその点だけでも好感が持てた。 全五編の中核をなすのは、明智恭介と助手・葉村譲のコンビだ。明智は名探偵に強い憧れを抱き、事件を求めて名刺を配り歩く一方で、どこか抜けていて、調子に乗ると必ず痛い目を見る。そのアンバランスさが非常に魅力的で、葉村の冷静なツッコミが入ることで、二人のやり取りは軽快なテンポを生んでいる。 序盤の「コスプレ部盗難事件」では、学内サークルで起きた盗難騒ぎをきっかけに、人間関係の歪みと悪意が浮かび上がる。犯人は内気な医学部生に罪をなすりつけようとしたコスプレ部副部長であり、しかも濡れ衣を着せられた学生はすでに事故死しているという後味の悪さが残る。日常の謎でありながら、人の弱さや残酷さがしっかり描かれている点が印象的だった。 「とある日常の謎について」は、寂れた商店街の古びたビルが二千万円で売却された理由と、「五十円玉二十枚」の謎が語られる人情話だ。謎解きとしてはやや唐突な部分もあるが、亡き妻との思い出という真相には温かみがあり、読後感は悪くない。論理よりも情緒に重きを置いた一編と言える。 中でも最も印象に残ったのは「泥酔肌着引き裂き事件」だろう。明智が泥酔した結果、密室状態の自室でパンツだけが引き裂かれて玄関に置かれていたという、どう考えても馬鹿馬鹿しい(最大級の褒め言葉)謎を、真剣に解き明かそうとする二人の姿が最高に楽しい。トリック自体はやや甘いが、明智と葉村の掛け合いの魅力が最も発揮された一編で、本書の中では一番好きだった。 「宗教学試験問題漏洩事件」は、『屍人荘の殺人』冒頭で言及されていたエピソードの詳細編。真相は教授による自作自演で、部屋を丸ごと入れ替えるというトリックだが、伏線や発想は比較的分かりやすく、やや強引に感じる部分もあった。それでも、“ミステリとしての仕掛け”を真正面から楽しめる一編ではある。 最後の「手紙ばら撒きハイツ事件」は、明智が大学一回生の頃の話で、葉村が登場しない点が特徴的だ。叙述トリックも用意されているが、やや分かりにくく、爽快感には欠ける印象だった。もしシリーズ化するなら、やはり葉村とのコンビがあってこそ明智の魅力が最大限に活きるのだと感じさせられる。 総じて本書は、『屍人荘の殺人』シリーズに見られたオカルト的要素を排し、純粋なミステリとして明智恭介というキャラクターを掘り下げた一冊だ。謎解きの完成度には首をかしげる部分もあるが、明智という人物の魅力だけで、十分に読ませる力がある。 すでに“死んでいる”キャラクターである以上、彼を主人公に物語を続けるのは難しいかもしれない。それでも、こうして一冊を通して彼の奔走を描いたことには大きな意味がある。 『屍人荘の殺人』で明智恭介を好きになった人はもちろん、未読の人にとっても、本書は彼の魅力を知るための良い入口になるだろう。
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残念ながらシリーズ第一作で退場した明智恭介が、短編集で帰ってきた。 あれだな、本編にもこれくらいのけん引力のあるキャラクターがやっぱ必要だな。話の展開も早いし読んでいて楽しい。それでいてミステリ要素もしっかりとあって読み応えも悪くない。返す返すも惜しい人を・・・ ただ個人的には...
残念ながらシリーズ第一作で退場した明智恭介が、短編集で帰ってきた。 あれだな、本編にもこれくらいのけん引力のあるキャラクターがやっぱ必要だな。話の展開も早いし読んでいて楽しい。それでいてミステリ要素もしっかりとあって読み応えも悪くない。返す返すも惜しい人を・・・ ただ個人的にはあの言動で見た目がシュッとしたイケメンというのはなんかなあ。もっと見た目も押しが強い癖の強い人物であってほしかった。なんとなく。表紙の装丁画とかかっこよすぎません?せめてアロハではいてほしかった。できればノーパンで。
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