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クラーク・アンド・ディヴィジョン 小学館文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2024/06/06 |
JAN | 9784094072686 |
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クラーク・アンド・ディヴィジョン
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クラーク・アンド・ディヴィジョン
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商品レビュー
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舞台の歴史的背景は真珠湾攻撃から2カ月後の1942年2月19日、ルーズヴェルト大統領の大統領令により日本人の血が16分の1以上入っている日系アメリカ人約12万人(うち3分の2は生まれながらの米国民)が強制的に西海岸から収容所に移住させられた戦時下である。国家反逆罪やスパイ活動から...
舞台の歴史的背景は真珠湾攻撃から2カ月後の1942年2月19日、ルーズヴェルト大統領の大統領令により日本人の血が16分の1以上入っている日系アメリカ人約12万人(うち3分の2は生まれながらの米国民)が強制的に西海岸から収容所に移住させられた戦時下である。国家反逆罪やスパイ活動から守るという名目だったが、ホワイトハウスの「事実調査」部門の主任エージェントのカーティス B. マンソンにより、「反米活動が広まる危険があることを示す証拠は見つからず日系アメリカ人の忠誠心を証明する大量の資料が提出されていた。」にもかかわらず大統領令は発令された。同じ敵国のドイツやイタリア移民には調査も強制収容は適用されなかった為、明らかな人種差別と偏見に基く措置だった。 主人公のアキ・イトウ一家はこれによりシエラネバダ山脈の麓のマンザナー戦争収容所(Manzanar War Relocation Center)に入れられる。翌年9月収容所からの移動を許可された姉のローズはシカゴに向かう。その後残された家族もローズに合流すべく収容所を出る。シカゴに到着すると、家族はローズがクラーク・アンド・ディビジョン駅に入ってきた地下鉄に轢かれて亡くなった事を知らされる。物語はここから事故も自殺も信じないアキによる真相の究明への執念と、故郷のカリフォルニアを離れた土地で生き抜く家族の苦労が詳細に描かれる。戦時中の日本人移民の置かれた境遇の史実と、アキのロマンスとローズの死の真相を探るミステリーを組み合わせた興味尽きない一冊でした。 「母は故郷のことを思い出すたびにクロウということばを口にした。英語にすると“苦難”——suffering になるのだろうけれど、sufferingという ことばは、なんだか表面をさっとひとすくいしただけに聞こえる。クロウは、もっと奥深くまでえぐられた状態をあらわすことばだ。 咽喉の奥から絞り出されるうめき声や骨の髄まで 貫くほどの痛みまでをもあらわす。」 kurou, which could be translated to “suffering.” But the English word seemed to skim the surface, whereas kurou went deeper. It referred to a guttural moaning, a piercing pain throughout your bones.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
翻訳ミステリーを予約したつもりが、図書館で「こちらでよろしいでしょうか」と背表紙を魅せられた際に目にした著者名「平原直美」に「あれ?」となる。 解説によると、著者平原さんは日系三世の方のよう。 なるほど、こういうパターンもあるのね。 文中、「オニギリ」とか「タクアン」とか日本っぽい単語が敢えてカタカナで表記されている箇所があって、原文はどうなっているのだろうと不思議に思いながら読んでいたが、イタリックの「onigiri」とか「takuan」とかで表記されているそうで、その辺も面白く感じた。 戦時中のアメリカ国内における日系アメリカ人の物語。 無知でした。 日本にルーツがあるというだけで、収容所(本書内では強制労働や暴行の類の記述はない)に集められていた歴史があるようだ。 アメリカへの硬い忠誠を誓うと他の街へ再移住できるが、そこでも「イッセイ」、「ニセイ」という括りで差別的視線を向けられていたという。 物語は、アキ・イトウ一家の再移住先シカゴで繰り広げられる。 一足先に再移住していた姉ローズを追って、アキ、父、母の3人でシカゴの地に降り立った途端に伝えられた姉の自殺。 クラーク・ストリートとディヴジョン・ストリートの交差点に位置するクラーク・アンド・ディヴィジョン駅。 借りていたアパートに程近いこの駅で飛び込み自殺をしたとされる姉だが、姉の性格を考えたらそんなことは絶対にありえないと、妹アキが姉を知る人々から話を聞き、真相を掘り起こそうとする。 メアリー・H・クラーク賞、マカヴィティ賞最優秀歴史ミステリー小説賞受賞作品とのことだが、ミステリー感はほんのり。 「姉の自殺の真相を探る」という点が物語を牽引してはいるが、どちらかというと日系人コミュニティの日々を描く様が興味深い。 敢えてマイルドに描いているのか、日系人が取らされていた差別的扱いはそこまで悲惨ではないように感じた(擁護するつもりはない)。 一九四四年にして、決して金銭的余裕はあるわけではないがそれなりの職につけているようだし、おめかししたり、週末パーティに出かけたり。 作中の時節柄、同時期の海の向こうの日本の様相に思いを馳せさせられるという点で『ベルリンは晴れているか』や『真珠湾攻撃の冬』などが思い浮かぶ一冊。 ただ、本作中では一九四五年は迎えない。 次作が2年後の設定というから、その辺の記述もあるのかな。
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1940年代にシカゴに「再移住」した日系ニセイの女性が主人公のミステリー風小説。日米の開戦により始まった沢山の苦難、しかも唯一無二の存在の姉を失う喪失感の中で、姉の死が自殺ではなく他殺なのでは、と、それだけが原動力になり、当時の日系社会の様子を背景に、自ら探偵の様に情報を集めてい...
1940年代にシカゴに「再移住」した日系ニセイの女性が主人公のミステリー風小説。日米の開戦により始まった沢山の苦難、しかも唯一無二の存在の姉を失う喪失感の中で、姉の死が自殺ではなく他殺なのでは、と、それだけが原動力になり、当時の日系社会の様子を背景に、自ら探偵の様に情報を集めていく。とても生々しく、特に収容所の辺りから読めなくなった。敵国なのに、イタリアやドイツ人は収容されないのに、なぜ日系人だけが、との思いも共感できた。姉に囚われ過ぎて周りさえ危険に晒すのが唯一の残念な点。
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