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新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ
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新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ

ロランス・コセ(著者), 北代美和子(訳者)

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新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 草思社
発売年月日 2024/06/03
JAN 9784794227263

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2024/09/10

建築は幾何学的な原型を目指す。 ピラミッド、天壇、パンテオン、フラードームなどなど。 パリ、デファンスに建つ新凱旋門グランダルシュは、いわゆるハイパーキューブ、立方体を入れ子にして頂点を結んだ幾何学的な原型をそのまま巨大に建造したものだ。 共和国建国200年にむけたミッテラン...

建築は幾何学的な原型を目指す。 ピラミッド、天壇、パンテオン、フラードームなどなど。 パリ、デファンスに建つ新凱旋門グランダルシュは、いわゆるハイパーキューブ、立方体を入れ子にして頂点を結んだ幾何学的な原型をそのまま巨大に建造したものだ。 共和国建国200年にむけたミッテラン大統領のグランプロジェ(本書では「大型工事」としばしば訳されていたがむしろ固有名詞だ)の掉尾を飾る偉大なモニュメント。その設計者として選定されたのはデンマークの無名の建築家であった。 モニュメンタルな建築の苦難に満ちた建設プロセス。その荒波のなかで理想を貫徹できず苦悩する建築家。大統領をはじめとする、たくさんのステークホルダーたちとの深刻なコンフリクト。官僚主義と不動産ビジネス。 建築は完成する。しかし、その物語は悲劇だった。 辞任に追い込まれ、完成を見ることなく死亡した建築家の最期も悲しいが、もっとも悲しいと感じたのは、末尾に近い53章。完成したアルシュが、政治的に利用されるばかりで、入居者に愛されぬまま、なかなか用途が落ち着かず、外装や設備も傷んでいく顛末。 図版はひとつもない。 建築の専門的な細部の名称なども出てくるから、図面や写真を使えばどんなに理解しやすいかと思うが、おそらくはスプレケルセンが著作権を押さえているからだろう。 カバーを外した表紙から裏表紙につながる写真は、エトワールの凱旋門からルーブル方向を見たもので、アルシュはこの写真の反対側だ。アルシュから見た写真ですらない。それも切ない話だ。

Posted by ブクログ

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