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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 志学社 |
発売年月日 | 2024/06/06 |
JAN | 9784909868138 |
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商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
私小説?・・・的な掌編か。 著者作品は初めて。 「父と猫」「199981999」「愛はたまらなく恋しい」と、表題作「私の猫」の4編が収録されている。 表題作に合わせたか、どの作品も猫が出てくる(「愛は~」には出ないか)。 北大、ストリートミュージシャン、妹、というのが、何作かに共通して出てくる。 ので、ある程度、自身の実体験をベースにしたお話だと拝察。 (Wikiに、“デビュー前はストリートミュージシャンをした経験があり”とあるし) 書き下ろしの「19981999」がなかなかの力作で、半グレの自暴自棄な暮らしが、生々しく綴られていた。 己の命も軽んじるかのような生き方だけど、事故ってボロボロの身体で、 「餌、やらないと。死ぬしな、猫……」 少し休もう。 そのうち立ち上がれる。 部屋に戻って、猫に餌をやろう。 あとのことはそれからでいい。 と、ある。 普段、かわいがってもいない自分の家の猫のことを思い出すラストがいい。猫の存在が、彼の「生」への未練を繋ぎとめている。 「愛は~」の、しおんといちおの、幼馴染の純愛、たわいもない会話が美しい。 「私の猫」の二人の会話も、可笑しい。 「うっせえんだよ、馬鹿。マジで死ね。呪われて死ね。死ぬ前に墓に入ってから死ね」 「何、その独創的な死に方。やめてよ。苦しそうだし。怖いって」 「まあ、職業に貴賤はないって、おれは思ってるしね」 「あんたは無職だけどね」 ポンポンと畳みかけるような、リアルな会話…… のような気がする。自分の周りには、こんな口調で話す人間はいないが、今どきの若者は、こんなテンポ、言葉遣いで話すのかなと思わせる。 “ライトノベル作家の中でもかなりの速筆家”とのWiki情報もあり。 ペンの速さが、会話のテンポを生んでいるのかもしれない。
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