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奏鳴曲 北里と鴎外 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2024/07/09 |
| JAN | 9784167922481 |
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奏鳴曲 北里と鴎外
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
北里サイドと森サイドで同じことが書かれていたり、年号と事柄が列挙されていたりと、ストーリーを追う気でいると、読みづらさを感じた。 が、本郷和人氏の解説で史伝と歴史小説の違いを知ると、なるほどこういった書き振りになるのも納得だし、分かりやすく描かれているのだなと思い直した。 解説の『史料の確度を吟味し、信頼できる史料を以て歴史像の復元にあたる』という一文が、史伝を読み慣れない自分にとって、この作品に自分を馴染ませるきっかけになった。 ストーリーに関しては、森が意固地に北里を敵視する理由がよく掴めずモヤモヤとしていたが、最後、北里が森の見舞いに訪れるところから臨終までの美しい描写で、なんだかスッキリした心地になった。また、ここでも、『でも彼は科学者だった。』という解説中の文が、スッキリの後押しをしてくれた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
北里柴三郎と森林太郎(鷗外)は「感染症から国民の命を守る」という同じ志を抱き、共にドイツへ留学し、世界的権威ロベルト・コッホの秘蔵っ子となる北里。その縁で森もコッホの下で学びます。帰国後、理想を掲げる二人は次第に道を違えていき、北里が民間の立場から実学としての細菌学を追及する一方、森は陸軍という組織の中で官僚的な衛生行政を担っていく。 結核菌やコレラ菌を発見したコッホ。その秘蔵っ子の北里もペスト菌や破傷風菌の発見、また破傷風菌の血清療法の開発等、世界的な学術成果を挙げた。 だが、北里は政府の官僚的な体質を批判したのが祟って、帰国後は冷遇され宙ぶらりんの状態であった。そこへ福沢諭吉が救いの手を差し伸べて私立の研究所を設立し、北里も活動の場を得るが・・・ 一方の森は順調に軍隊での出世と作家としての才能を開花させるが、脚気(かっけ)問題では、後世に大きな汚点を残している。 当時は、脚気(かっけ)での死亡が深刻な社会問題となっていた。 陸軍では、脚気は細菌感染という考え方が主流であったのを配慮した森は、栄養学の観点から陸軍の白米食を理論的にバックアップし、海軍が採用した洋食+麦飯(麦と米の混合食)への切り替えを認めず、白米食を維持する立場を取り続けた。 その結果、日露戦争では、戦死者よりも脚気での死者が多い事態(28,000人以上)となるが、陸軍はその事実をひた隠しにし、陸軍軍医としての森の立場は揺るぎなかった。 陸軍軍医としては最高位の陸軍軍医総監(中将相当)まで登り詰めた森だが、北里の大鷲のような強靭さと、目標に対して一直線に翔けて行く意志に対し、森は常にコンプレックスを抱いていたと思われる。また森家の家長としての期待、組織人としてのしがらみに常に悩まされていたので、そのはけ口として文学の道へもひた走るが・・・ そういう事象が淡々と書かれているのですが、森林太郎(鷗外)の苦悩の掘り下げ方が今一つ心に響かないという感じです。 全体として面白く読み通せたのですが、読後感となると、いまひとつ物足りないという感じになったのは残念です。 山崎正和氏の「鷗外 戦う家長」という優れた評論があります。そこでは明治という国家の期待を背負いながら、家というものを必死に守り抜こうとした一人の男の「闘い」と「孤独」を浮き彫りにしています。 「挫折しないことへの不安」に怯えながら、最後まで社会的役割を演じ続けた森が、死の床ですべての社会的肩書きを拒否し、「森林太郎」として死んでいく事実。そこから逆に遡って考えれば、もっと哀れな、悲劇的な人間として森を描けたのでは・・・読者の身勝手な思いですが・・・
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明治時代のニッポンに、感染症との終わりなき闘いに挑んだ男たちがいた。「細菌学の父」北里柴三郎と、陸軍の軍医総監にして文豪の森鷗外。民の命を護るため「医療の軍隊」を夢見た北里と鴎外は、なぜ道を違えて対立したのか。医師でもある作家が描くライバル物語!
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