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コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 柏書房 |
| 発売年月日 | 2024/05/27 |
| JAN | 9784760155651 |
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コロナ禍と出会い直す
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商品レビュー
3.6
13件のお客様レビュー
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すっかり日常を取り戻し、コロナ禍のことは既に遠い記憶となりつつある今日この頃。あらためて思い出してみると、色々と奇妙なことが起こっていたように思う。この本は、文化人類学というツールを使いながら、あのとき何が起きていたかを丁寧に検証し、同じ過ちを繰り返さないようにと警鐘を鳴らす大変...
すっかり日常を取り戻し、コロナ禍のことは既に遠い記憶となりつつある今日この頃。あらためて思い出してみると、色々と奇妙なことが起こっていたように思う。この本は、文化人類学というツールを使いながら、あのとき何が起きていたかを丁寧に検証し、同じ過ちを繰り返さないようにと警鐘を鳴らす大変有意義な本だ。ただ正直なところ、またパンデミックが起きたら日本人は同じことを繰り返すんだろうなという落胆も禁じ得ない。 たびたび発せられる「気の緩み」という言葉に着目したり、専門家=医療従事者の目線だけで「不要不急」が決められていることに疑問を持ったり、文化人類学という視点は非常に面白い。県境を跨いだ移動にあれほどまでに目くじらを立てていた奇妙さを、個人的身体・社会的身体・政治的身体の視点から読み解くと、私たちが県境を跨ぐ人に対して「道徳を欠いた人」と感じていたのは、我々が自然にそう感じたのではなく、政治や社会によってそう「思わされて」いたかもしれないということが浮かび上がってくる。これは私にとっては非常に恐ろしいことだった。 「疾病」「病い」「病気」といった概念を使った解説もとても興味深い。「疾病」は病気の生物学的な理解のこと。私は今まで、「病気」=「疾病」と信じて疑っていなかったが、「火垂るの墓」を例にあげて、同じ疾病であっても、時代や社会によって病気と扱われたり扱われなかったりすることを指摘されて、目から鱗が落ちた。さらに筆者は、病気を疾病と同一視することの問題点は、疾病の専門家(すなわち医師など)が社会にとって良い選択をできると勘違いしがちであることだと指摘しており、これはまさにコロナ禍で日本に起きていた問題だと感じた。 家族を看取りたい、故人を見送りたいなどといった、人間としての当たり前の感情や営みが、「不要不急」のものとして軽視され、「何を差し置いても感染対策」が優先される世の中は、今思うと異常だったのに、「仕方がない」と諦め「させられて」いた。最終章では、そうした世の中の風潮に抗い、独自の感染対策を行いながら、普段通りのケアを実現した介護施設「いろ葉」の取り組みが紹介されている。 「何かあったら責任が取れないから」と、多くのことが制限されたコロナ禍において、「「責任を取る」とはなぜ自分がそれをやったか説明できることだと思う」と言い切った、いろ葉代表の中迎聡子さんには敬意を表したい。たまたま最近出会った「ディグニティ -旅行医の処方箋-」という漫画も似たテーマで終末期医療の矛盾と葛藤を描いており、本書を読んでいたことでより深く考えさせられた。 また、コロナ後遺症に関連して、不調に名前がつくことについて論じた章も非常に考えさせられる。病名はつかないけれど、心身ともに仕事に支障をきたす程度の不調に悩まされることは、私にもよくあった。そうした名もなき不調に「コロナ後遺症」と名前がつくことで、周囲の反応が一変する。「火垂るの墓」の節子ではないけれど、同じ程度の症状なのに、心身の不調が社会の課程を経ているか否かで、周囲からの扱われ方や本人の感じ方すらもガラリと変わる。名前のついた不調と、名前のつかない不調。どちらが大変かといった問いは不毛だし、名前がついた方が良いのかというと、それもどちらでもないだろう。 ただ、引用元の生湯葉シホさんのエッセイも読んでみた感想としては、たしかにそこに存在する「不調」というものに、もう少し目を向けても良いのかもしれないと思った。名前がついていようが、ついていなかろうが。肉体の問題が、精神の問題に劣るかというとそんなことは決してない。“嫉妬も、坐骨神経痛の痛みの前には退陣してもらわねばならない”というヴァージニア・ウルフの言葉はとても痛快だ。 本書を通じて、さまざまなことを考えさせられた。先だってのコロナ禍のことをしっかりと検証し反省することは必須だと思いつつ、冒頭にも述べたようにまた同じことが起こるのだろうなという諦めの気持ちが強い。願わくば私の生きているうちに再びパンデミックが起こらないことを祈るばかりだ。
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・パーティション 2021/4 飲食店に向けての第三者認証制度のなかで必須項目の1つとなる 2021/8/19ニューヨーク・タイムズ記事、パーティションのエアロゾル滞留が感染リスクを高めるという内容 2022/7/14 感染拡大防止のための効果的な換気について、パーティションは空気の流れを阻害しないように設置されなければならない 効果に疑問符がつけられたにもかかわらずパーティション設置要項は変更なし 5類移行後に徐々に姿を消していく ・新型コロナと出会い直す 武漢肺炎 実際に掛かる前に情報によって知る、直接経験を書いたまま情報経験のみが圧倒的に先行 福井新聞に掲載された感染者相関図の人気、社会的な圧力 間違った行いをする人、迂闊な人が感染する病気として社会化 不調にコロナ後遺症と名前がつくこと、周囲の理解が得られやすくなる 名前がある不調と名前がない不調、実際には同じものだがどちらが良い? ・県外リスクの作り方 県境を超えたらリスクが高まるのは奇妙 県、行政がこのリスクを繰り返し強調 県外の人が油断してやってくるという状況?実際には福井県の2020/7のGWの県外からの流入は平日が20%減、土日休日は35-45%減 行政目線の境界を住民目線の境界に変換することに成功 集団に危機が迫るとき、境界周囲の警備が強化され、その様相は構成員の身体に映し出される ものを取り入れる「口」と排出を担う「尻」 マスクが売り切れると同時にトイレットペーパーも売り切れる 県外に出た身体は他者のことを思いやることのできない人、不要不急の行動をし感染リスクを上げる危ない人という表象を持つ 県の公式会見やポスター、新聞記事で繰り返され個人的身体のレベルに入り込み、直感的に嫌悪感を感じるようになる 5類移行後は、県境を越える恐怖や罪悪感はほとんど消えている、簡単に操作されうるもの ・新型コロナと気の緩み 2020/1-2023/8/15までの朝日新聞記事で気の緩みが現れる記事は160件で126件がコロナ関連記事、2020と2021に集中し2023は5件のみ。 実際には2020,2021はメディアがコロナ関連の情報で埋め尽くされ感染拡大が最優先されていた、国民が最も「気を引き締めていた」時期ではないのか? 気の緩みを最も多く使うのは政府、自治体の関係者が4割、医師などの専門家が2割など。 コロナ専門分科会でも気の緩みが話される 2018,2019はインフルエンザの大流行が起こり推計患者数は200万人以上 コロナ禍以降、マスクはその人が誰でどんな人かを表す衣装コードになった ・緊急事態宣言と雨乞い 雨季が近いタイミングで雨乞いすることで自分たちの心のリズムを同期させる 感染のピークで緊急事態宣言を出せば感染者が減ったように感じることができる、感じられることが大切。 コロナ禍という言葉。禍という字が入ってるのは日本人の集合意識が働いている。 感染拡大は悪しき行いによってもたらされるという世界の人格化。 災いをもたらす人々の行動を正すという道徳的意味合いが緊急事態宣言にある ・私達はなぜやりすぎたのか 精神論による失敗 批判は好ましくない、なぜなら頑張っているからだ コロナ分科会の意識は医療体制は大きく変えれないから国民の行動変化で乗り切るしかないという信念 リスクの実感が集合的に醸造され、呼応する形で起こった社会変化が年単位で保持される 日本は明文化されていない慣習の力で社会の統合を図ることができるユニークな国家 ・介護施設いろはの選択 周到な準備とユーモアで利用者の暮らしと命を守り抜いた 何を差し置いても感染症対策ではない道へ
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