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京都、美しい苔庭さんぽ 心にしみる苔景を、見る・知る・学ぶ
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京都、美しい苔庭さんぽ 心にしみる苔景を、見る・知る・学ぶ

烏賀陽百合(著者)

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京都、美しい苔庭さんぽ 心にしみる苔景を、見る・知る・学ぶ

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2024/05/23
JAN 9784065353554

京都、美しい苔庭さんぽ 心にしみる苔景を、見る・知る・学ぶ

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2024/06/17

根も花もなく種もない植物 苔のライフサイクル ツノゴケ類・タイ類・セン類 風土が育む1000年の苔美学 静寂の守り人としての苔 苔庭スタイル:池泉の庭・禅と枯山水・茶庭/路地・町家の庭 白龍園で苔浴さんぽ 苔いろいろ:スギゴケ・コツボゴケ・スナゴケ・ハイゴケ・ホソバオキナゴケ・シ...

根も花もなく種もない植物 苔のライフサイクル ツノゴケ類・タイ類・セン類 風土が育む1000年の苔美学 静寂の守り人としての苔 苔庭スタイル:池泉の庭・禅と枯山水・茶庭/路地・町家の庭 白龍園で苔浴さんぽ 苔いろいろ:スギゴケ・コツボゴケ・スナゴケ・ハイゴケ・ホソバオキナゴケ・シノブゴケ・ヒノキゴケ・シッポゴケ 龍源院 宝厳院 黄梅院 青連院 浄往寺 東福寺 建仁寺 光明院 大河内山荘 瑞峯院 法音韻 慈受院門跡 瑠璃光院 苔の生存戦略:うるおい貯金・死んだふり・しさえ会い・あの手この手・外敵に備える成分 苔テラリウム 本書「京都、美しい苔庭さんぽ 心にしみる苔景を、見る・知る・学ぶ」は、カナダ王立風景建築アカデミーで庭園デザインを学び、世界30カ国以上の庭園を見てきた庭園デザイナー・鳥賀陽百合氏による京都の苔庭専門書です。著者はニューヨークのグランドセントラル駅に日本庭園をプロデュースした実績もあり、国際的な視点から日本の苔文化の魅力を解説しています。本書は「知る」「見る」「学ぶ」の3章構成で、苔への理解を段階的に深めていく構造となっています。 第1章では、苔と日本文化の深い関係が探求されています。苔は「君が代」にも詠まれ、長い時間をかけて緑を広げることから繁栄や不変のシンボルとして日本人に愛されてきました。京都の苔庭には4つのスタイルがあり、平安時代からの池泉の庭、室町時代の枯山水、茶の湯文化の茶庭・露地、そして日常に自然を取り入れる町家の庭があります。特に注目すべきは年2回のみ公開される秘密の庭園「白龍園」で、ここでは「苔浴」と呼ばれる深い癒しの体験ができます。また、シノブゴケ、ホソバオキナゴケ、コツボゴケなど主要な苔の種類が図鑑形式で紹介され、苔の色彩や季節変化についても詳細に解説されています。 第2章では、京都の代表的な苔庭が「クラシック」「ランドスケープ」「フォトジェニック」の3つのカテゴリで紹介されています。クラシックな苔庭では、大徳寺塔頭の龍源院や黄梅院、嵐山の宝厳院、御所近くの青蓮院など、歴史的価値の高い庭園が取り上げられています。ランドスケープの苔庭では、重森三玲が手掛けた東福寺の幾何学的デザインや建仁寺の「潮音庭」、大河内山荘の池泉回遊式庭園などが紹介され、現代的な解釈による苔庭の可能性が示されています。フォトジェニックな苔庭では、瑠璃光院の瑠璃色に輝く苔や、現代的なホテル「ギャリア・二条城」での和とモダンの融合など、写真映えする美しい苔景が特集されています。 第3章では、苔の生命力と環境における役割について科学的に掘り下げています。苔の5つの生存戦略として、体表全体での水分吸収、乾燥時の休眠能力、群生による相互扶助、多様な繁殖方法、化学物質による防御機構が詳細に解説されています。特に重要なのは、ミズゴケによるCO₂吸収とピート(泥炭)形成の環境的意義で、これは地球温暖化対策において重要な役割を果たしています。また、苔の医療・衛生用品としての利用価値も取り上げられ、ミズゴケの優れた吸水性や抗菌性が伝統的に包帯や止血剤として活用されてきたことが紹介されています。 文化的側面では、日本の苔文化が海外に与えた影響と、古典和歌における苔の詩的表現が探求されています。ポートランド日本庭園やサンフランシスコ日本茶園など、世界各地で日本の苔文化が受け継がれている事例が紹介されており、苔が国際的な文化交流の媒体となっていることが示されています。万葉集や古今和歌集における苔の詠まれ方からは、時の移ろいや不変の美を表す象徴として、苔が日本人の美意識の根幹に位置していることが理解できます。 本書の実用的な価値として、施主と庭師の協働による苔庭の維持管理の歴史的経緯と、「苔に水を与えないでください」という日本特有の自然共生思想が解説されています。これは、苔が空気中の湿度から水分を吸収する特性を理解した、日本庭園独特の管理哲学を示しています。さらに、全国および京都の主要苔庭の詳細なインデックスが提供されており、場所、アクセス、開園時間、拝観料などの実用的な情報が網羅されているため、実際の庭園巡りに活用できる構成となっています。

Posted by ブクログ