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ミュージカル『モーツァルト!』の世界
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 小鳥遊書房 |
| 発売年月日 | 2024/05/31 |
| JAN | 9784867800348 |

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1件のお客様レビュー
東宝ミュージカルで何度も再演されている舞台『モーツァルト!』。 本書はその解説を中心とした副読本である。(著者の言葉を借りるなら、「『モーツァルト!』鑑賞における『副音声』のような存在」) 大の「モーちゃん」ファンである私としては、一度ミュージカルを観てから本書を読んでいただき...
東宝ミュージカルで何度も再演されている舞台『モーツァルト!』。 本書はその解説を中心とした副読本である。(著者の言葉を借りるなら、「『モーツァルト!』鑑賞における『副音声』のような存在」) 大の「モーちゃん」ファンである私としては、一度ミュージカルを観てから本書を読んでいただきたいと思う。(控えめに言って、圧倒されます…!) しかし現在、過去の公演が円盤化されているのに加え、日本語で歌われた楽曲がYouTubeにアップされている。 したがって、場面ごとの曲を聴きながら、本書を読むなんてことも叶うわけだ。 言わずと知れた大音楽家モーツァルトの生涯をミュージカル化したもので、彼を演じる俳優は終始ドレッドヘア・ジーンズ・スニーカー姿で登場する。この衣装については言及がなかったものの、恐らくは当時の音楽業界の異端児であることを表したかったのではないかと私は見ている。 一方、他の役者(モーツァルトの妻コンスタンツェを除く)は皆その時代に合った扮装をしており、話の流れも史実に忠実である。 中でも感動したのが、実際の書簡にしっかり基づいて、歌詞が作られていたこと。 ミュージカルの代表曲「僕こそ音楽」の歌い始め「詩は書けない/感じたまましゃべる…」は、何とモーツァルトが父レオポルト宛の手紙にそのまま書いていた…!絶対的家父長制のモーツァルト家において彼は、「ありのままの自分を理解して愛してほしい」と本当に訴えていたのだ。 「ぼくの最上のお父さん、ぼくはあなたの気に入るよう、ぼくのすべての幸福と健康と生活を犠牲にするつもりでした。しかし、ぼくの名誉ーこれはぼくのものです。ーそして、あなたにとっても何よりも大事なものです」(P 193) 時代背景や用語の解説、それに考察も全て納得がいく。(史実では、コンスタンツェの実家が舞台よりも、モーツァルト家に良心的なのが意外だった) だが、ミュージカルを鑑賞した人なら誰しも、アマデと小箱の存在には引っ掛かるだろう。 アマデとは幼少期モーツァルトの幻影で、劇中はモーツァルトと行動を共にしている。フリースタイルな大人モーツァルトとは違い、こちらは白いカツラに赤い燕尾服姿だ。 小箱はアマデが常に抱えているもので、後援者のヴァルトシュテッテン男爵夫人によれば、「産まれた時からアマデのもの」だという。 私は、その小箱を「アマデ(或いは大人モーツァルト)の才能」だとずっと思い込んでいたが、本書ではそれをずっと上回る考察がされていた。 アマデは一度この小箱を開けるが、著者はその行為を、あのパンドラの匣と結び付けている。匣を開けると様々な災いが飛び出し、最後は希望だけが残るという伝説だが、実はその希望こそが最も厄介な災いだった。 望みがあるように見せかけた災いにすがったばかりに、本人や家族は苦しむ羽目になる…。夫の才能に固執したコンスタンツェも、犠牲者の一人と言えよう。 いやぁ深い…まいりました。(何に?) ところで終章では、モーツァルト没後、遺された身内らの余生について触れられている。 そこを読む限りでは、皆「匣の呪縛」から解放されているように思った。あとはモーちゃん自身が、才能や期待から解き放たれていたら良いんだけど。
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