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パルウイルス ハルキ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 2024/05/15 |
JAN | 9784758446389 |
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高嶋哲夫の本にハズレはない。偶然本屋で見つけ、即買いした。 遺伝子工学者のカールはナショナルバイオ社副社長のニックの依頼で、古い肉片からエボラに似た未知のウイルスを発見する。この未知のウイルスが次第に蔓延していく…、生物兵器といったビジネスに使えると考える輩が…。 この小説は、単に未知のウイルス蔓延による人類滅亡の恐怖を描いたものではない。現代人は愚かにも、古代人が封じ込めた太古のウイルスを復活させようとして、自滅の道を進もうとしていることに対し、警告を与えている。 地球温暖化により、シベリアなどの永久凍土に異常が発生し、地下のメタンハイトレードが融け、気体となったメタン(なんと温室効果はCO2の25倍!)がさらに温室効果に拍車をかける。 実はそれだけではなく、数万年以上前から埋もれていたマンモスなどが地表に露出し、マンモスの体内で生息していたウイルスが蘇生する。このウイルス、人類にとって潜在的な脅威になるのではないか。 カールの大学時代のルームメイトの友人ダン。大学時代に喧嘩別れした後、音信不通になっていたが、カール宛てにダンから特別便が届く。その特別便を手掛かりにカールはダンの消息を追う。 小説のタイトル「パルウイルス」。本文中では、ペイル、死のウイルスの意などとしているが、パルは友人、仲間という意味で、カールとダンのことを言っているような気がした。ラストでカールはダンと奇跡的に邂逅するが、このシーンに透明感のある美しさを感じた。 今後、「シベリア凍土から人類に脅威を与える新たなウイルスが発見された」といニュースを聞いたら、きっとこの小説のこと思い出すことだろう。
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温暖化で北極や南極の氷が溶け出しているリアリティもあって、有りえない内容とも言い切れないと感じました。永久凍土の中で守られてきた太古の動物達の中に未知のウイルスや細菌が潜んでいるという発想にも衝撃を受けました。不十分なのでは?と思わせる対応策も混沌としていてエンディングとしてこ...
温暖化で北極や南極の氷が溶け出しているリアリティもあって、有りえない内容とも言い切れないと感じました。永久凍土の中で守られてきた太古の動物達の中に未知のウイルスや細菌が潜んでいるという発想にも衝撃を受けました。不十分なのでは?と思わせる対応策も混沌としていてエンディングとしてこれもありかもと思いました。コロナを経て、平凡でも穏やかな日常が大切だと痛感しました。
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帯に書かれた『TSUNAMI』や『首都感染』で未来を予言した作家の最新作という言葉に惹かれて購入。 温暖化の影響によって、永久凍土に封印されてきたウイルスが目を覚ますという設定は、なかなかリアリティがあり、興味深かったです。 また、ウイルスを生物兵器として利用しようとする人々の...
帯に書かれた『TSUNAMI』や『首都感染』で未来を予言した作家の最新作という言葉に惹かれて購入。 温暖化の影響によって、永久凍土に封印されてきたウイルスが目を覚ますという設定は、なかなかリアリティがあり、興味深かったです。 また、ウイルスを生物兵器として利用しようとする人々の存在は人間の傲慢さを強調しており、経済的利益や社会的立場は横に置いて、どうにかしてウイルスを封じ込めようと猪突猛進する主人公たちの人物像を際立たせていました。 主人公達の活躍やウイルスの恐ろしさの描写も良かったのですが、 個人的にとても好きなのは、ロックダウンを余儀なくされた市の市長が、不安と恐怖からロックダウンに反発する市民に対して「私はどこにも逃げない。あなた方と共に戦う」という姿勢を表明した場面です。 コロナでも感じましたが、緊急時におけるリーダーシップの重要性が改めて感じられました。 ウイルスに対する技術革新が進む昨今ではありますが、このような事態が現実にならないことを祈るばかりです。
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