性別不詳に恋をしました。(1) FUZ C

piko(著者)

• 販売会社／発売会社: 芳文社
• 発売年月日: 2024/05/11
• JAN: 9784832204003

商品レビュー

2025/06/23

今（更）の流行？のテーマ？で類似作が雨後の竹の子なのは仕方がないが、実際にこの問題は既に「病理フェーズ」から「人権フェーズ」に移行して久しい。表現は自由であり守らなければならないが、それでも現実の当事者に苦しまれている方々も少なく無い事にも留意されたい。私達部外者が「単純に笑いの対象」としてはイケナイと私は考える。更に私に言わせるとあらゆる差別と偏見は戦争と地続きである。
当事者による、学術論文、実体験に基づく漫画作品、エッセイが存在するので紹介する。
「トランスジェンダー問題 議論は正義のために」
https://booklog.jp/item/1/4750354635
「花嫁は元男子。」
https://booklog.jp/item/1/B01CCYZUHY
「井手上漠フォトエッセイ normal?」
https://booklog.jp/item/1/4065231132

以下参考リンク

ジョグジャカルタ原則
https://yogyakartaprinciples.org/principles-en/yp10/

ウィキによる解説
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%BF%E5%8E%9F%E5%89%87

日弁連
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/activity/international/library/ihrstudy_themes/koza_2-2.pdf

追加の感想
１）ｐ１４－１コマ、ｐ１５－３コマのジェンダーの説明は甚だ不正確で誤解を招く。「生物学的性＋性自認＋性的志向（恋愛対象）」これでも大雑把。
米国にはＦＴＭ男性で女性の内性器を温存し、ゲイ男性と結婚してお子さんをもうけた方がおり、日本にもＦＴＭ男性でやはり女性の内性器を温存し、シスジェンダー女性と結婚し、親友からの精子提供で、自ら出産された方がおられる。
戸籍上の性別変更に「生殖能力の喪失」を必要とする現行制度は不条理、不合理であり、ハンセン氏病患者等に対する「強制不妊」を想起させる。
２）本作に描かれるヒロインはトランスジェンダーでは無くて単なるショートカットの美少女では無いのか。
３）本作第１巻Ｐ５０－３コマ（背中に虫）及びｐ６７－３コマ（虫のリリース）は「悪役令嬢転生おじさん」第１巻Ｐ１２８（背中に虫）及びｐ１３１（虫のリリース）にアイデアが酷似。虫は何方もクワガタの類。

私は当事者でも医師でも弁護士でも無いが良きＡＬＬＹで有りたいと思う。