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鮎川信夫詩集 現代詩文庫9
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 思潮社 |
| 発売年月日 | 1968/04/01 |
| JAN | 9784783707080 |
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鮎川信夫詩集
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商品レビュー
4.7
4件のお客様レビュー
「死んだ男」「繋船ホテルの朝の歌」「橋上の人」などの詩は有名なようだが、私にはあまりピンと来ない。それよりも、次のような詩が気にいぅている。 くるしさにたえかねて ここまできた―― どぶ川のむこうに草がゆれており きみが消えていった空は どこまでもひろがっている ...
「死んだ男」「繋船ホテルの朝の歌」「橋上の人」などの詩は有名なようだが、私にはあまりピンと来ない。それよりも、次のような詩が気にいぅている。 くるしさにたえかねて ここまできた―― どぶ川のむこうに草がゆれており きみが消えていった空は どこまでもひろがっている ひたいに手をあてて 太陽は高い建物のうしろにかくれ まがった黒い影をつけたまま こころの樹もすっかり裸になった―― 失ったものへの愛のほか 失うものはもうない 季節はまっしぐら 記憶の坂道をくだっていく・・・ いまは声をかぎりに 泣くすべもなく・・・ 淋しき二重 どこか遠いところで 夕日が燃えつきてしまった かかえきれぬ暗黒が あなたの身体のように重たく ぼくの腕に倒れかかる ――あかりを消して」あなたは言った ぼくはあなたの口を押えようとする その手の黒さがぼくをぞっとさせる かかえきれぬあなたの身体が 重たくぼくの胸にのしかかってくる 世界の深夜―― 窓からさしこむ月光のしたで あなたは固く睫毛をとじて死んだふりをしている ぼくのいない眠りのなかで あなたはひそかに呟いている (わたしはひとり、わたしはひとり・・・) あなたのいない夢のなかで ぼくは片足にスリッパをひっかけて しばらく部屋のなかを散歩する (ぼくは憐みのこころをもっているか?) ――あかりをつけて」あなたは言った 広大な淋しさのひろがりに ぼくは黙って坐っているだけだ ぼくが暁の星だとしたら ぼくが殉難者の澄んだ眸をしているとしたら・・・ ぼくがあなたを信じないように あなたはぼくを信じようとしない ふと血の気のうせた顔を見あわせて ぼくたちは汚れを知らぬ微笑をうかべる ぼくたちが生れるずっとまえからそこにあった微笑を! 夜の終り 1 恐ろしいひと、あなたは 夜の岸辺のようにわたしの血汐の流れを抱きよせる、 恐ろしいひと、あなたは 鋭い愛の杭にかけて わたしのからだを水藻のように みもだえさせ、ずたずたにひき裂く。 恐ろしいひと、あなたは あさましい祈りのことばを口にし、 水死した処女の乳房をさぐりつづける。 わたしはのけぞらせた顔を 悲しみの水面にうかべて、 とおい星、ちかい星のひとつひとつにみいっている。 ああ、それだけのことなのだ。 やさしいひと、あなたは いつまでも、流れゆく川を 抱きとめておくことはできない。 あなたがいくら黒い髪を愛撫しても、 肌のふれあう水ぎわから わたしの感覚はぬけおちて、 あなたの指は何もつかまえることができない。 (2、3 略) お終い
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詩が、戦争で死んだ人たちに捧げるためや、死んだ人たちに取り残された人たちの慰めのためにあるとは思わないけど、 純粋な詩でなく、あくまでも孤独な個人の生活に立脚した詩としてこれを読んだ時に、やるせなさとか弔いとか言う言葉じゃ接近しきれない何かにせまれるのは確かだし、その"...
詩が、戦争で死んだ人たちに捧げるためや、死んだ人たちに取り残された人たちの慰めのためにあるとは思わないけど、 純粋な詩でなく、あくまでも孤独な個人の生活に立脚した詩としてこれを読んだ時に、やるせなさとか弔いとか言う言葉じゃ接近しきれない何かにせまれるのは確かだし、その"何か"が生の実感であり詩にしか作り出せないものだと思う . 誰も聞いていない。 この喧騒の大都会の 背すじを走る黒い運河の呻きをー あなたは聞いた。 氷と霧と蒸気と熱湯の地獄の苛責に 厚くまくれた歯のない唇をひらき 溺死人が声もなく天にむかって叫ぶのを... 「今日も太陽が輝いているね 電車が走っているね 煙突が煙を吐いているね 犬は犬の中で眠っているね やがて星がきらめきはじめるね だけどみんな<生きよ>と言いはしなかったね」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最後の春休みは鮎川信夫のことをよく考えていた。二月にこの詩集を読み始めた時に、アメリカという詩でとても惹きこまれた。荒地派という言葉と共に以前から聞いていた名前ではあったけれど、ここまでかと驚いた。 詩のことを、知りたい。社会人になる直前に、自分の中に芽生えたつよい思い。長田弘は彼の詩を〈沈黙〉と〈眼差し〉という構造で書かれたもの、と論をはじめる。鮎川の詩を読み終えてから、詩について知りたいと思った。そうして鮎川の詩論を読んでいくという流れを取れたことが何よりも幸運で、幾つかの詩論が書かれた後半部を、何日もかけて丁寧に読んだ。〈詩〉という言葉で語られる彼の考えを、書く時の態度に置き換えて、胸のうちに収めた。青春期に戦争を経験した文学者たち(年表を見て知ったが、彼は庄野潤三とほぼ同年代らしい)の心を深く知りたい。
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