1,800円以上の注文で送料無料

(霊媒の話より) 題未定 安部公房初期短編集 新潮文庫
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 文庫
  • 1225-01-01

(霊媒の話より) 題未定 安部公房初期短編集 新潮文庫

安部公房(著者)

追加する に追加する

(霊媒の話より) 題未定 安部公房初期短編集 新潮文庫

定価 ¥825

550 定価より275円(33%)おトク

獲得ポイント5P

残り1点 ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

3/7(金)~3/12(水)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2024/03/28
JAN 9784101121260

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

3/7(金)~3/12(水)

(霊媒の話より) 題未定

¥550

残り1点
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

2.8

5件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/10/27

「題未定──霊媒の話より」 霊媒師とは、要するにアドリブ俳優である 霊魂に身体を貸したというテイで お芝居をやっている 相手はそれを本当に先祖の霊魂と信じるのだけど それによって現世の鬱屈が いくらかでも癒やされるのなら 単純に否定すべきものではないのである では、かの霊媒師はい...

「題未定──霊媒の話より」 霊媒師とは、要するにアドリブ俳優である 霊魂に身体を貸したというテイで お芝居をやっている 相手はそれを本当に先祖の霊魂と信じるのだけど それによって現世の鬱屈が いくらかでも癒やされるのなら 単純に否定すべきものではないのである では、かの霊媒師はいかにして霊媒師になったか そういう話なんだけど これは、自分の話を他人事のように語っているのではなかろうか 副題からそう臭わせることで 自然主義文学へのひとつの問題提起ともなっている 死者の意思が捏造されうる以上 自らの経歴もまた捏造の可能性を免れない その事実を発見したことが 反近代のはじまりなのかもしれない 「老村長の死」 販売者免許を持たず牛の乳を販売してはいけない その決まりを破った老村長が告発され 議会に釈明を迫られる 老村長としては、物資の不足する時代に むしろそうすることが正しいと信じて牛乳を売ったのだ しかしそこに私欲が介在せぬことを 証明するのは難しかった 「天使」 精神病院の独房に閉じ込められてた人が そこを脱走した瞬間 自分は天使になったと思い込む 独房の外は未来…すなわちポストモダンであるなどと そんな信憑を抱いて街をさまよい歩く彼は しかしやはり他者とのふれあいに孤独を感じる やがて歌声が聞こえてきて 彼は知らない家の窓にそっと近づいてゆく 「第一の手紙〜第四の手紙」 大体の場合において、社会への奉仕というものが 当の社会に顧みられることはない 男女間の愛情ですらも いつかはそこにあって当然という受けとめ方になるだろう それら無償の愛の背景に見えるのは おそらく神の顔である 神様の存在は、普遍すぎてほとんど無視されている ならばそれを知らしめるために 人が神を演じなければならないのだ…ってのが 実は悪魔の教えなんだろうな 「白い蛾」 1000トンばかりの小さな船に 迷い込んできた白い蛾との交流を通じて パワハラ船長の心が穏やかになる話 「天使」の観念的続編と見るべきだろう 作者にしてはロマンチックな仕上がりとなっている 「悪魔ドゥベモオ」 事故かなにかで右腕を失ったときから 悪魔が見えるようになった 悪魔曰く、神は右手を用いて人間を創造したという しかし右手は勝手な考えを起こし 人間に名前を与えたり、知恵を授けたりしたので 神はこれをみずから切り落としてしまった つまり、かつて神の右手だったものが 今では悪魔と呼ばれているのだ これを聞いた男は、自分も神のようなものだと信じ 仕事も家族も捨てて小説を書き始める しかし3年かけてもそれはまだ完成しておらず 悪魔は元気を失ってきた 「憎悪」 メメントモリを意識しない者には 生きているという実感も持ちえない そういう意味じゃ世の中は 生きてるのか死んでるのかよくわかってない人たちだらけだ そんな哲学的ゾンビには あらゆる思想も意味をなさないだろう そして世の中の多数派とはそういうものであり 自分だってそれに同調しなければまともに生活できないのだ 自分のなかにふたつある心が互いを憎みあっている 「タブー」 捨てた我が子に自らの生きた証を受け継がせたい そんな夢想を抱きつつ 木彫りの人形を次々に作っている老人 タブーとはこの世に二つとないものである、などと言いながら タブーを託した人形はぞくぞく増えていく しかも彼はほとんど「構ってちゃん」状態にあって ボイスパーカッションみたいな音を出し 隣の部屋の若い住人をイライラさせていた 「虚妄」 自己主張をせず、まじめな女で 器量もよい たいへんな優良物件と思われたが これと向き合う男たちは なぜかたまらない気持ちになってしまう 彼女の沈黙がなにか 男たちのタブーを刺激するのかもしれない 戦争が終わってからまだ3年も経ってない頃の話 お前はなんで生き残ったんだ?という 「鴉沼」 1945年の9月 満州の都市部において群衆の反乱がおきる その前日、戦争に引き裂かれた男女が再会するのだけど 女は別の男と婚約していた 安部公房にも敗戦によって失われたロマンがあったのだろう しかしわりと早い時期にそれらと決別したのか 森鴎外の初期作品を少し思わせる 「キンドル氏とねこ」 キンドル氏が昇進すると同時に上役たちが不審な死をとげる 未完成作品で、まだねこは出ない

Posted by ブクログ

2024/09/11

高校生の時に現国の教師に安部公房の「壁」を教えてもって以来、夢中になって読み漁った。 当時、発売されていた新潮文庫版は全て読んだと思う。 好きだったな~。 そして、今回の若い頃の初期短編集を初めて読む。 感想は、僕には殆どと言うか、全くもって理解出来なかった。 僕の知っている安部...

高校生の時に現国の教師に安部公房の「壁」を教えてもって以来、夢中になって読み漁った。 当時、発売されていた新潮文庫版は全て読んだと思う。 好きだったな~。 そして、今回の若い頃の初期短編集を初めて読む。 感想は、僕には殆どと言うか、全くもって理解出来なかった。 僕の知っている安部公房の作品の雰囲気がほのかに感じる事が出来たのは「キンドル氏とねこ」くらいだった。 でも、残念な事に未完の作品。 また、安部公房の作品が読みたくなった。 こうして、読みたい本は限りなく増えていく。 まるで、本の餓鬼だ。果てしない欲望に自分が吞み込まれていく。恐ろしい・

Posted by ブクログ

2024/09/09

安部公房。 半世紀も前に夢中になって読んだ作家で、未発表の短編集というので思わず手に取ったのですが、とんでもなく読むのに苦労した。読むのにパワーが必要な作家だったのだな、と妙な納得をしてしまった。 「飛ぶ男」、どうしようかなぁ。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す