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ことば探偵 金田一京助の秘密
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2024/03/21 |
JAN | 9784575247305 |
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ことば探偵 金田一京助の秘密
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書名に「探偵」とついているが同じ金田一でも耕助ではなく、日本のアイヌ研究の第一人者にして辞書編集者としても著名な金田一京助の評伝である。ミステリの評論で高名な著者がなぜ金田一京助の評伝を?という疑問の答えは「あとがき」に書かれている。野村胡堂が旧制盛岡中学校で金田一京助や石川啄木...
書名に「探偵」とついているが同じ金田一でも耕助ではなく、日本のアイヌ研究の第一人者にして辞書編集者としても著名な金田一京助の評伝である。ミステリの評論で高名な著者がなぜ金田一京助の評伝を?という疑問の答えは「あとがき」に書かれている。野村胡堂が旧制盛岡中学校で金田一京助や石川啄木と同窓であるという話をしたところ「金田一耕助が実在の人物だったとは知りませんでした」と言った人がいたというエピソードである。 私自身も、金田一京助は春彦氏の父であるということが一番最初に思い浮かぶテイタラクで、アイヌ文学の研究に至っては聞いたことはあるけれど……くらいのものだった。なので、ちょっと話題らしいので読んでみるかと思ったものの随分及び腰でしばらく積読に入ってしまっていた。 しかし一旦読み始めると、これが面白い。何しろ著者郷原宏氏の文章が読みやすく、こちらが興味を持っていようといまいと、ぐいぐいと先へ運んでくれるおかげでスラスラと読めた。ニュートラルな筆致でサクサクと描写されていくので、石川啄木との美しすぎる(いかがわしい?)友情も、家族が困惑するほどのアイヌの人々との濃い付き合いも、そんなこともあるかなと思えて立ち止まることなく読み進められた。 だからと言って内容が浅いわけではない。アイヌ研究の業績をきちんと押さえて紹介しつつも本当にそんなに多くの辞書編集に携わったのかという点はきちんと考察されているし、人柄についても「チンポコを持った貴婦人」と評されたという話や、いろんな人との確執の元となった惣領息子気質も具体的なエピソードも披露されており納得できる。愛すべきお人柄だったのかもしれないが毀誉褒貶が激しくなるのもやむを得ないとわかった気になれるほどに充実している。 金田一家の方は今もテレビでお見かけすることがあるので、あの人たちのご先祖様と思って読むのも一興であるし、戦前から戦後にかけての日本の言語学や文学の風景を知るという視点でも楽しめると思われる。
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国語学者にしてアイヌ語研究者の金田一京助の評伝。知里幸恵について知りたくて、その師である金田一の生涯や考え方を知るために読んだのだが、金田一も相当な変わり者だった。盛岡の裕福な家に生まれたが、アイヌ語というマイナーな言語の研究に取り組んだため貧乏暮らしが続いた。さらに、若い時には...
国語学者にしてアイヌ語研究者の金田一京助の評伝。知里幸恵について知りたくて、その師である金田一の生涯や考え方を知るために読んだのだが、金田一も相当な変わり者だった。盛岡の裕福な家に生まれたが、アイヌ語というマイナーな言語の研究に取り組んだため貧乏暮らしが続いた。さらに、若い時には石川啄木という貧乏神にまとわりつかれる。長女、次女、三女を幼くして亡くし、四女も成人したものの自殺してしまう。学問上でも、長く認められず万年助教授で、後継を期待した知里幸恵、真志保の姉弟に先立たれる。それでも明るく天真爛漫に生きたのはすごい。それにしても、なぜ日本語でなく国語なのか、現代かなづかいとは何か、宿題ももらった。
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