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インディアスの破壊をめぐる賠償義務論 十二の疑問に答える 岩波文庫青427
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2024/03/15 |
JAN | 9784003342794 |
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インディアスの破壊をめぐる賠償義務論
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
既刊の『インディアスの破壊についての簡潔な報告』が、その名の通りスペイン人が新大陸でおこなった非道な行為のレポートだとすると、本書はスペイン人の賠償義務を自然の法、神の法、人定の法に照らして論ずる理論的な本。ただし解説によると、ラス・カサスはもっと理論的な『財宝論』を本書の前に書...
既刊の『インディアスの破壊についての簡潔な報告』が、その名の通りスペイン人が新大陸でおこなった非道な行為のレポートだとすると、本書はスペイン人の賠償義務を自然の法、神の法、人定の法に照らして論ずる理論的な本。ただし解説によると、ラス・カサスはもっと理論的な『財宝論』を本書の前に書いており、本書はインディアスで働く聴罪司祭たちに向けたマニュアル的性格を持っているらしい。ラス・カサスは「賠償義務を果たさないのならお前らの告白は聞いてやれないもんね」という聴罪を人質にした戦法でインディオたちに正義をもたらそうと試みた。とても実践的なことをやっていたわけで、その分、現地での強い反発も生み出したと 繰り返しが多くやや単調で、読んでいて面白いとかいう代物ではないのだが、実に考えさせられる ラス・カサスは必ずしも孤軍奮闘だったわけではなく同じような考え方の聖職者も結構いたとか、スペイン王とコンキスタドールたちとの間にも緊張関係があったとか(やっぱりコンキスタドールは関東軍っぽい)、それでもスペインの衰退ゆえに王も貴重な財源であるインディアスの現状を追認したとか、ラス・カサスとコルテスは面識があったとか(驚くべきではないのだろうが)、事実認定と法解釈がややごっちゃになっているのかなとか、法律関係の安定性みたいなことはそこまで考慮しない(事態が事態なのだが)のだなとか、いろいろ勉強にもなった 先人の論考を引用しながらしつこいくらい丁寧に論証していくスタイル、ローマ以来の欧州での法学の伝統なのだろうか。いまの感覚からするとくどすぎるが面白い
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16世紀に始まった「エンコミエンダ」はインカの人たちを奴隷のように扱う代わりにキリスト教の教化を義務づけたスペイン王室の制度である。コンキスタドールたちの征服・支配について賠償義務があるとするラス・カサスの意見はもっともだが、一方的な一神教の教化や改宗の是非については触れられてい...
16世紀に始まった「エンコミエンダ」はインカの人たちを奴隷のように扱う代わりにキリスト教の教化を義務づけたスペイン王室の制度である。コンキスタドールたちの征服・支配について賠償義務があるとするラス・カサスの意見はもっともだが、一方的な一神教の教化や改宗の是非については触れられていない(気がする)。彼はカトリック司祭でドミニコ会員だったから仕方ないとはいえ、その点がずっと気になっている。
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