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財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ 岩波新書2007
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財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ 岩波新書2007

神野直彦(著者)

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財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ 岩波新書2007

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2024/02/22
JAN 9784004320074

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商品レビュー

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2024/07/10

前半でギブアップしそうになるも、後半は圧巻。思想の領域、とも感じました。反復して噛みしめたい、自身にしみこませたい言葉が多発です。 日本の課題も新鮮な角度から見つめ直すことができました。「新しい資本主義」「全世代型社会保障の構築」。もっと深めていくことが重要ですね。 変容という...

前半でギブアップしそうになるも、後半は圧巻。思想の領域、とも感じました。反復して噛みしめたい、自身にしみこませたい言葉が多発です。 日本の課題も新鮮な角度から見つめ直すことができました。「新しい資本主義」「全世代型社会保障の構築」。もっと深めていくことが重要ですね。 変容というより転回。創造・革新。大正デモクラシーならぬ令和デモクラシー。未来が楽しみになりました。 読後感は「税は国家なり」です。 ことあるごとに北欧国家と比べていますが、規模感やら歴史風土やら、日本のマッチするのかはよくわかりません。けれども、目指すべき国家観というか、ビジョンを輪郭明解に示していくことは急務である、ということはよくわかりました。ここらへんの漠然とした課題意識を、うっすらと自覚しながら本に助けを求めていた自分も見えてきたので、その意味ではこの本はしっかりと未来を示してくれていると思いました。コロナ以降、こういう未来の話をしてくれる本が増えてきているような気がするには私だけでしょうか。時代が変わってきていることを実感します。遅ればせながら、ようやく私のアンテナがそっちに向いているだけなのかもしれませんけどね。

Posted by ブクログ

2024/05/11

人間社会が原因の内在的危機と人間社会が原因ではない外在的危機とが有機的に関連する「根源的危機の時代」に置かれているという問題意識。 民主主義に基づいた共同決定による財政で危機を乗り越えようとする提案。 危機を乗り越えるために基礎自治体レベルの協働から始め、広域自治体、中央政府、...

人間社会が原因の内在的危機と人間社会が原因ではない外在的危機とが有機的に関連する「根源的危機の時代」に置かれているという問題意識。 民主主義に基づいた共同決定による財政で危機を乗り越えようとする提案。 危機を乗り越えるために基礎自治体レベルの協働から始め、広域自治体、中央政府、中央政府どうしの協働へとつなげる提案がなされていた。地道に進めて行くしかないと思うが、残された時間との兼ね合いで、どこまで時間的余裕があるのか、そんなことが気になった。著者の理念を共有して、実現するにはどうすればいいかも気になるところ。 現状の危機を生み出し解決しないままにしてきたのも民主主義に基づいた財政ではないのかと思ったりも。また高度経済成長期に財政が開発への財政支出を通じて環境破壊に加担したのではないか、それに対する批判的検討も必要な気もした。 本書を読む中で著者の理念や熱い思いが伝わってきた。

Posted by ブクログ

2024/03/28

専門的知見を交えながら幅広い話題が提供されている「新書らしい」感じの一冊だった。興味深く読了したところだ。 本書では、世の中の資金等の動きに大きく2つ在るとしている。民間企業等の活動による、利潤を追求する動きが在り、これに対して必ずしも利潤を追求するのでもない政府等が資金を動かす...

専門的知見を交えながら幅広い話題が提供されている「新書らしい」感じの一冊だった。興味深く読了したところだ。 本書では、世の中の資金等の動きに大きく2つ在るとしている。民間企業等の活動による、利潤を追求する動きが在り、これに対して必ずしも利潤を追求するのでもない政府等が資金を動かすというモノが在る。後者を「財政」と呼ぶ。その「財政」を巡って様々な話題を展開しているのが本書である。 所謂「パンデミック」という未だ記憶に新しい問題の故に色々な動きが世界の様々な国々で在った。日本もそれを免れてはおらず、色々な事が在った。本書の前半の方では、こうした事柄を巡っての話題が在る。 要は「人々が生きる権利を如何に護る」ということで、医療のような公共的なサービスを如何に運営する、如何に機能を護るというような問題が「パンデミック」に際して顕在化していた。これに関して、日本国内の例や国外の事例を色々と検証するような内容が在る。 所謂「新自由主義」というような経済関係の考え方が在る。これは米国や英国の流儀であるが、日本はこうした流れの中に在る。これらに対して、欧州諸国等の流儀が在る。そういった辺りが詳しく綴られている。 米国、英国、更に日本では社会の様々な動きに関して「観客型」という立ち位置になる人達が多い。欧州諸国では「参加型」ということになって、常々そういうように在るべきだと社会の中で促されているようだ。 こういう内容であれば「“出羽守”だ」と揶揄されてしまうことに終始するかもしれない。「でわのかみ(出羽守)」というのは「〇〇では」と国外事例のようなモノを列記するばかりという程の意味で時々言われる。が、本書はその「でわのかみ(出羽守)」に終始しているのでもない。 日本国内にも、時代の変化で半ば潰えてしまったが、「大正デモクラシー」というような「参加型」で社会の様々なことを動かそうとした経験、歴史も在り、地域の人達が地域で生き生きと活動出来ることを目指した様々な経過というモノが在るのだ。そういうことが確りと取上げられている。 著者は1946年生まれ(今年で78歳になる)ということだ。何か「後身達」や、より遠い未来を生きる世代に向けて、「人が人らしく在る未来を思い描きたい」という想いを遺し、伝えようとして本書を著したのかもしれないというような気もした。 未だ記憶に新しいような事柄も含めた“問題”の解説も含めて、新しい明日に向けたヒントを示すような本書はなかなかに貴重だと思う。御薦めしたい。

Posted by ブクログ

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