やってみた！研究 イグノーベル賞

五十嵐杏南(著者)

• 販売会社／発売会社: 東京書店
• 発売年月日: 2024/02/16
• JAN: 9784885748295

商品レビュー

2024/10/26

　バッタにスターウォーズを見せたらどうなる？
　黒板を爪でひっかく音が不快なのはなぜ？
　ワニにヘリウムガスを吸わせたら？
　バナナの皮はなぜ滑りやすいのか？
　鳩は絵画を見て画家を当てられるのか？
　ぐっすり寝ている人を音以外で起こすには？
　単細胞粘菌の関東地方の形をした容器に置くとどうなる？

毎年のように日本人も受賞しているイグノーベル賞。「まずは人を笑わせ、そして考えさせる」優れた研究に贈られるノーベル賞のパロディのようなものです。
イグノーベル賞コラムもあり、楽しい授賞式の様子が紹介されます。

実験内容だけ聞くと「なんでそんなことしたの！？」「どういう理屈でそうなった！？」というものばかりですが、理由を聞くと確かに納得、そして実際に役に立っています。
これは実に楽しく考える良い本！

バッタにスターウォーズを見せるというのは、飛行する生物が前から来る障害にぶつからないようにするにはどうやっているのか、という研究のためにバッタ脳波反応を調べたのだそうだ。この研究成果により車の衝突回避システムに役立ったんだって！そしてバッタはダースベイダーが近づくシーンで脳細胞が活性して興奮したんだそうだ。人間以外も怖がらせるダースベイダー！さすが！(^o^)

黒板を引っかく音の周波数は、チンパンジーが警告のために鳴らす声の音波と似ているんだそうだ。人間が聞くと警告音だと思って反応してしまうということ。今で言えば、スマホの緊急警報もそうなのかなあ。あれが鳴り響くと身体が反応しますよね。

ワニにヘリウムというのは、声を出す仕組みを知るための実験だ。哺乳類など喉の奥の整体を震わす「共鳴音」はヘリウムにより声が変わる。両生類など物が細かく震えることで出る「振動音」の場合はヘリウムに影響を受けない。ワニはヘリウムにより声が変わったので「共鳴音」だとわかったのだそうだ。この実験により、哺乳類や爬虫類が両生類の祖先から枝分かれしたのだとわかった。

バナナの皮を踏むと内側の小さなつぶつぶが潰れてヌルヌルした液が出るのだそうだ。

寝ている時に警報が鳴っても、耳の不自由な人には聞こえない。そこで音以外の方法を探ったところ、ワサビの匂いを嗅がせたら起きたのだそうだ。それによりワサビ成分スプレーが出る火災報知器を開発につながった。

鳩の実験では、白黒にしたり上下逆さまにしてもピカソとモネの絵を見分けたのだそうだ。…私より優秀そうだなあ(^_^;)

粘菌の実験は、関東地方の形の容器に、山や湖など平らではない場所には粘菌が近寄らないように光を当てて、山の手線の内側にあたるところに粘菌を置いたんだそうだ。すると本当の鉄道網に似ていて、さらにより人や物を運ぶ効率が良く、危険地帯を避けたルートで広がったんだそうだ！
ええ！鉄道会社と協力して路線図に役立てようよ！！

好きだからこそ徹底的になりきるやり切る人々もいる。
人間を休んで山羊スーツを作って山羊として3日間生活する。虫に刺された場所による痛みの違いのために体中虫に刺される。

実験は生物の身体から出るものに対する物も多い。うん◯を集めて固めたらナイフになるのか？の実験で自分の排泄物を集めてビニールで捏ねて凍らせたとか、唾液を調べるのに協力者たちに唾液を出してもらってビーカーに出してもらうんだとか、読みながら身体がモゾモゾするようなものも(^o^;　それが世界の発展に役立っているのだから脱帽であります。

そして人間や動物が生きやすい方法を探る研究は感動的です。
癌の薬の副作用や腸の病気で臭いオナラ多発に悩む家族のための実験、動物を苦しめない運び方の研究、動物と人間の接触ダメージを避ける研究。
ノーベル賞は人類の平和や発展に貢献した人に贈られる。そしてイグノーベル賞はさらに笑える要素がある。
好きなことを突き詰め人間も動物も平和に暮らせるようになったら。
いやあ。実に良い一冊です！！

しかしちょっと本の構成的には、受賞者、受賞年、受賞した賞の名前が巻末にまとめて書かれているのが見づらい。実験紹介のページに一緒に入れてほしかったなあ。

2024/05/06

真面目な変な研究を検証する、イグノーベル賞。なぜか毎年のように日本人が受賞している気がする。

子供向けに簡単なダイジェストにしてる本なので、クスッとする以上のものは何もないのだが。
そもそも、本より研究内容が面白いから。

やたらうんこが出てくるのが特徴かも。

2024/02/18

イグノーベル賞、言葉を見るたびに気になりはしたが、詳しく知るための行動はしていなかった。一気に知ることができる待望の本、これは読まずにいられない

#やってみた!研究 イグノーベル賞
#五十嵐杏南
24/2/16出版

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