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ロゴスと巻貝
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KTC中央出版 |
発売年月日 | 2024/01/09 |
JAN | 9784877588557 |
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ロゴスと巻貝
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商品レビュー
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6件のお客様レビュー
歩きながら本を読む。 二宮金次郎じゃない。 頭の中で覚えている本を読むのだ。 暗誦だ。これは速読じゃなかなかできない気もする。私の中にはニュアンスは残っているけど、細かい言葉がなかなか残らない。 例えばこれ、暗誦。 「あんしょう」と読むのね。 速読の話もあるけど、言葉どころか読み...
歩きながら本を読む。 二宮金次郎じゃない。 頭の中で覚えている本を読むのだ。 暗誦だ。これは速読じゃなかなかできない気もする。私の中にはニュアンスは残っているけど、細かい言葉がなかなか残らない。 例えばこれ、暗誦。 「あんしょう」と読むのね。 速読の話もあるけど、言葉どころか読みも曖昧なまま、意味だけ抜き出したような読み方をしてると、いつまでも正確な読み方を知らなかったりする。 ただ、その速読でも、一言一句を噛み締めながら読んでも、どちらも読書。 著者はどちらもやってるみたい。 でもどうなんだろう、速読の中で気になったところに立ち返ってみたり、速読でも頭に焼きついて離れない言葉を暗誦することになるのかな。 いろんな読み方を知っている、様々な読書ができる。そして、読書について、本について、言葉を紡いでいける。 それが彼女にとって日常であっても、それを見て人は彼女を読書家というのだろう。 たとえ本人がどう思っていようとも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
表紙のデザインも、本文のフォントも、もちろん書かれていることも、何もかもがあまりにも好きで一文読むたびに震えてしまった。僅かに欠けているようなフォントだなと思いながら読み進めて、その理由が分かった時はこだわりに胸を打たれたし、冒頭の詩の響きは読んでいる間ずっと頭の中にあった。 著者は本を読むということは苦痛と結びついていると書いているが、それはそれほどまでに読書というものが彼女の人生に深く絡みつき、どうしたって離れることができないからなのだろうと、読み進めてすぐにわかる。 息をするように、生きるように読むというのはこういうことなんだと、そうして積み上げられたものを切り取るように紡がれた文章を噛み締めて、思った。
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ことばと戯れながらすごしてきた日々を本の記憶とともに綴ったエッセイ集。 読み始めてすぐ「ああ自分もこういうふうに書けたらなぁ」と淡い憧れの気持ちが湧いたけれど、読み進んでいくうちに感性とか行動原理とかがあまりにもかけ離れていて絶対に無理だと笑ってしまった。端正で音楽的な文章だ...
ことばと戯れながらすごしてきた日々を本の記憶とともに綴ったエッセイ集。 読み始めてすぐ「ああ自分もこういうふうに書けたらなぁ」と淡い憧れの気持ちが湧いたけれど、読み進んでいくうちに感性とか行動原理とかがあまりにもかけ離れていて絶対に無理だと笑ってしまった。端正で音楽的な文章だし、帯に載っている引用書籍から品のいい読書遍歴を勝手に想像していると、読後に残るのは中国武術漫画「拳児」の話だったりする。 とにかくご本人が面白い。学生時代に先生たちがこぞっておすすめの本を渡してきたエピソードなんかは、教師が"自分はこの子に影響を残した"と思いたくなるような生徒だったのかなぁと若干気持ち悪さも感じるのだけど、小学校時代にカウンセリングに通っていたというから先生たちなりに学校以外の生き方を提案していたのかもしれない。 中2のとき家に帰ったら川原泉「架空の森」を読んだ母親が号泣していた話もすごい。花ゆめを創刊号から読んでいるのが自慢のお母さんと一緒に泣きながら漫画を語り合うという光景が一つの理想像だなぁ。うちの親も漫画好きで一緒に色んな作品を読んできたけど、ここまで同じ刺さり方ができた体験はないと思う。 そしていちばん強烈なのは、「ナニ金が面白かったから」という理由で新卒で街金に入社し、心労で入院して上司から『姑獲鳥の夏』を差し入れられたという話。もうこれは忘れられない。上司の「詐欺ゆうのは一種のまやかし、虚妄の妖怪や」から始まる詐欺・被害者・街金の関係=憑き物落とし論が面白すぎるし、この上司はこの一篇にしか登場しないのにとても印象に残る。その後も小津さんは自費出版した句集を置いてくれる本屋を探すのに「本屋さん 素敵」で検索していたり、ちょくちょく笑えるエピソードが挟まれる。 絵本を読んだ記憶がない、から始まってフランスに住む現在まで時系列順にエピソードが並んではいるのだが、最初の宣言通りストーリーをなすようには語っていない。人生を物語にしないこと。「書きっぱなし」がいいとも書いているけれど、その哲学が息づいて美しいのに肩に力が入ってない、清い語り口が読んでいて心地よい。エピローグとして置かれた対話篇の小説風の文章もとてもよかった。おそらくこの人はフィクションとエッセイの中間地点的な私が一番好きなタイプのものを素晴らしく書ける人だろうと思うので、既刊を読みつついつかそんな文章が読める日を待とうと思う。
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