九十歳のラブレター 新潮文庫

加藤秀俊(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2023/12/25
• JAN: 9784101048512

商品レビュー

2024/11/03

深い愛情に満ちた一冊。
著者から妻へ向けた最後のラブレター。
人生を振り返りながら、いつも傍にいてくれた妻への愛と感謝の想いが溢れていた。
妻・隆江さんの魅力がたくさん綴られており、本当に好きだったんだなぁということが伝わってくる。
恋していたとき。結婚し新しい家族を築いていったとき。年老いてお互いに弱ってきて支えあっていたとき。どんなときも、人生を共に楽しみ、時には乗り越えてこられたのだなぁ。
隆江さんも素敵だけど、こんな風に妻のことを語られる著者も素敵だ。
いつか、こんな風に思えたら、思ってもらえたら、素敵だなぁ。そして、いつか、こんな風に、共に過ごした日々が、共通の思い出として心に残るように、大切な人を大切にしながら、一日一日を生きていきたいな。

2024/07/22

加藤秀俊さんの目線で妻との人生が終始書かれており、非常に読みやすかった。この本の感想を文字にすることに抵抗を感じる程に、とても素敵で優しい時間が綴られていた。大切な人の死は、決して「別れ」ではない。「死」の瞬間にその人との思い出が鮮明に蘇り、その人との「再会」を果たす。歳をとってもラブラブな夫婦に漠然とした憧れを抱いていたが、今は確実な理想の夫婦像を思い描くことができる。バイブルにしたい本の一冊となった。

2024/04/01

互いに一途で美
「妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ」は、
変わりゆく時代の中でも覚えておきたい大事にしたいものになった。

奥さんの「いずれいいことがあるでしょ、好きなようにしたらいいわ、あたし、待ってるから」のマインドがすごく好き。
あと互いに難しそうな局面を楽しもうとするところ。

たまたま、小さな本屋で出会ったこの本を
私は死ぬまで大事にする。