九十歳のラブレター の商品レビュー
加藤秀俊さんの目線で妻との人生が終始書かれており、非常に読みやすかった。この本の感想を文字にすることに抵抗を感じる程に、とても素敵で優しい時間が綴られていた。大切な人の死は、決して「別れ」ではない。「死」の瞬間にその人との思い出が鮮明に蘇り、その人との「再会」を果たす。歳をとって...
加藤秀俊さんの目線で妻との人生が終始書かれており、非常に読みやすかった。この本の感想を文字にすることに抵抗を感じる程に、とても素敵で優しい時間が綴られていた。大切な人の死は、決して「別れ」ではない。「死」の瞬間にその人との思い出が鮮明に蘇り、その人との「再会」を果たす。歳をとってもラブラブな夫婦に漠然とした憧れを抱いていたが、今は確実な理想の夫婦像を思い描くことができる。バイブルにしたい本の一冊となった。
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互いに一途で美 「妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ」は、 変わりゆく時代の中でも覚えておきたい大事にしたいものになった。 奥さんの「いずれいいことがあるでしょ、好きなようにしたらいいわ、あたし、待ってるから」のマインドがすごく好き。 あと互いに難しそうな局面を楽しもうとする...
互いに一途で美 「妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ」は、 変わりゆく時代の中でも覚えておきたい大事にしたいものになった。 奥さんの「いずれいいことがあるでしょ、好きなようにしたらいいわ、あたし、待ってるから」のマインドがすごく好き。 あと互いに難しそうな局面を楽しもうとするところ。 たまたま、小さな本屋で出会ったこの本を 私は死ぬまで大事にする。
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あっという間に読めてしまう 筆者の奥様に語りかけるように、あなたと呼びながら昔を回顧していく文体に惹き込まれる とても理想的なカップルだと感じた。もちろん思い出は美化されていくものだし、息子さんのあとがきにもあったように思い出に酔われたように書かれてるところもあると思う。それで...
あっという間に読めてしまう 筆者の奥様に語りかけるように、あなたと呼びながら昔を回顧していく文体に惹き込まれる とても理想的なカップルだと感じた。もちろん思い出は美化されていくものだし、息子さんのあとがきにもあったように思い出に酔われたように書かれてるところもあると思う。それでも、奥様がまったく大袈裟ねと笑い飛ばしてる姿が想像されるくらいに詳細に2人の関係性が描かれていて素敵だった。 この作品が、亡くなられる直前90歳を超えた時に書かれていることも感動的だ。認知症が進んでいることを認められているのに、詳細に、当時の景色、季節感、会話、表情を書き記されていて、奥様と過ごされた時間の濃さと愛情を感じる。 何より奥様の人柄にすごく惹かれる。20代女の私にとって理想的な女性像に映った。好奇心が旺盛で、それを突き詰める忍耐力、そして何よりも環境を言い訳にしない行動力に感服する。アメリカでもハワイでも80歳になっても、あら面白そう学んでみたいわと言ってサッサと国を跨ぎ、団体や教室に申し込んで、自分の世界を押し広げていく。臆するより興味を優先されて、なんと深みのある女性だと思った。なかなかに身勝手な筆者だと思ったが、その人を旦那さんに選んだのは自分の選択という奥様の強い意志、そして我儘に付き合ってくれた奥様への感謝を忘れない筆者も魅力的だ。 隠居して、自室をそれぞれ持たれていたお二人。それでも毎日リビングで3時間デートを重ねていたという言い回しがとてもロマンチックだった。
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大切にしたいと思った本は本当に久しぶりだ。 今頃お二人は桜の木の下で手を取り合い笑いあっているのだろうな。だから一夫一婦制は辛いんだよなぁ、失うことの辛さを知りたくない→ひねくれの弱虫(笑)
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一緒に過ごした数十年、住む場所が変わっても家族が増えても、加藤俊文さんにとっての主人公はずっと変わらず奥さんだった。 言葉で言うのは簡単だけど実際1人を愛し続けるのって生半可な気持ちじゃできないと思う、こんなに愛して愛されて本当に幸せな人生だったんだろうな。 歳を重ねるの、意外と...
一緒に過ごした数十年、住む場所が変わっても家族が増えても、加藤俊文さんにとっての主人公はずっと変わらず奥さんだった。 言葉で言うのは簡単だけど実際1人を愛し続けるのって生半可な気持ちじゃできないと思う、こんなに愛して愛されて本当に幸せな人生だったんだろうな。 歳を重ねるの、意外と悪くないかもって思えた。ちょっと未来に期待した。
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結局、半日で、一気に読み通した。ちょっと立ち読みをして、あぁ、これは泣くなあ、と思ったが、前半はほとんどニタニタすることが多かった。人文研にいらしたことはなんとなく知っていたが、太秦に住んでいらしたとは。まずはその驚き。両親が亡くなるまで実家が太秦にあった。その両親が加藤先生とほ...
結局、半日で、一気に読み通した。ちょっと立ち読みをして、あぁ、これは泣くなあ、と思ったが、前半はほとんどニタニタすることが多かった。人文研にいらしたことはなんとなく知っていたが、太秦に住んでいらしたとは。まずはその驚き。両親が亡くなるまで実家が太秦にあった。その両親が加藤先生とほぼ同い年で、そんな年齢の人が、こんなにも想い合っていたことを描かれている。それがまた新鮮。ご自身のことをストーカーだったと回想されているが、僕にも似たような経験がある。待ち伏せをしたり、毎晩のように電話をしたり。それが次第にお二人とも歳をとり、病気をし、ニンチごっこをするようになる。後半は、80代半ばを迎える義父母のことを思いながら読む。義父はニンチが進み、義母はそれを愚痴る。そして26章。終盤で一気に涙があふれた。晩年になっても、ずいぶんとあちこち旅行にも行かれていたようだ。僕も妻とここからの2,30年の間、そんなふうに過ごせたらいいなと思う。しかし、まだしばらくは妻は仕事で忙しい日々を過ごすだろう。いまも仕事中だ。そして、子どもたちのことも、まだまだ安心はできない。昨日、1年ぶりに会った長男から衝撃の事実を聞かされたから。とは言っても、30数年前、自分もきっと同じように、親に心配をかけていたのだろうなあ、と今さらながらに思う。
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