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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2024/01/26 |
JAN | 9784087718553 |
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商品レビュー
4.2
62件のお客様レビュー
阿部定の生涯を評伝風に綴ったフィクション。定に殺された吉蔵の息子、吉弥が定に関わった様々な人に話を聞き、その人たちのインタビューと定自身の独白が交互に挟まれる。吉弥が定の小説を書きたいと思い定自身に会って直接話を聞きながら小説を書いていくという、この小説自体が吉弥の書いた小説であ...
阿部定の生涯を評伝風に綴ったフィクション。定に殺された吉蔵の息子、吉弥が定に関わった様々な人に話を聞き、その人たちのインタビューと定自身の独白が交互に挟まれる。吉弥が定の小説を書きたいと思い定自身に会って直接話を聞きながら小説を書いていくという、この小説自体が吉弥の書いた小説であるという入れ子形式になっている。 阿部定が80歳まで生きたことは全く知らなかった。その時その時の感情に正直に生きた人…というのは作者の定への感想だそうだが、特別な悪女という訳ではなく、こういう人はいるだろうし、自分の中にも同じような部分はあると感じました。 作者のインタビューによると話の90%は創作とのこと。定自身も、事件の関係者も亡くなった昭和初期の事件だからこそ自由に書けたのだろうが、実在の事件を扱うことの危険性も感じる。これ読んだ人はほぼノンフィクションのように思ってしまうのでは。 定と吉蔵の濡れ場は詳細に赤裸々に描かれているのに、吉弥とアナキストで映画監督のRとの関係をふんわりぼかして書くのは何故なんだろうか…。ゲイという言葉は当時はなかっただろうけども、マイノリティの透明化だなぁと思ったり。
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最初は猟奇的な殺人が題材のエログロな話かと思っていたが、読み進めるたびに「どうも違うぞ」と気づいた。「定」という1人の少女が世間を騒がせた「アベサダ」になるまでの彼女の人生を、彼女と関わった様々な人々の目線から読者に伝えている。定は自分のことを理解してくれる人を求めていた。本を読...
最初は猟奇的な殺人が題材のエログロな話かと思っていたが、読み進めるたびに「どうも違うぞ」と気づいた。「定」という1人の少女が世間を騒がせた「アベサダ」になるまでの彼女の人生を、彼女と関わった様々な人々の目線から読者に伝えている。定は自分のことを理解してくれる人を求めていた。本を読み終わったとき、その読者、多くの人が定を理解する人になっていることを彼女はどう思うのだろうか。本を読んで作者の意図に気付いたときは鳥肌が立った。 作者の物語の書き方にも魅せられた。話し言葉で物語を繋いでいくから、ついつい語っている人に引き込まれてしまう…480ページも苦ではなかった。 人を愛することは、苦しい事だと思う。ある程度理性が働いたり、愛以外の場所に自分の価値が置ける人は、バランスをとりながら生きていける。でも、愛を常に求めてしまう人もいる。やっと二人きりになれた、最後のシーンが非常に優しく穏やかで、苦しみ抜いた果ての最後として良かったなぁ、と思った。 性的な描写も多く、苦手な人もいると思うが、もっと奥の本当のお定を知ってほしいと思った。
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衝撃。 生々しくて、ぶっ飛んでて、美しくて。 皆の心情が、本当にこの小説の通りだったんじゃないかと思ってしまう。 どれだけの時間をかけて研究したんだろう。 苦手な人は苦手だと思うけど 私の心には突き刺さりました。 素晴らしい一冊。
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