猫に引かれて善光寺 光文社文庫

新津きよみ(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2023/12/12
• JAN: 9784334101572

商品レビュー

2024/08/20

長野ミステリー第二弾。タイトルから察せられることですが、今回も猫、です。
真紀は一匹の猫を引き取ることにする。飼い主が入院する間の臨時の里親ということだが、もともとの飼い主は何者かに殺され、犯人がまだ不明ということだった。そしてその近所では空き巣事件も相次いで起こり、不審な自転車の目撃情報もあった。事件の謎、人間関係のもやもや、そして楽しい猫との生活、と読みどころがいっぱいです。
テーマはマウント。人間同士絶対に何かしらの優劣はあるものですが、それをあえて前面に押し出して自分の優位を主張しなければ気が済まない人……いますよね。逆にそうされなくとも、自分の劣等感を強く感じて落ち込んでしまう人もまた。他人は他人、と割り切ってしまえばいいのだけれど、案外そうもいかないんだよなあ、っていうのがつらいところです。猫にすら嫉妬してしまう感情も傍目には可笑しいんだけど、本人には深刻なんですよね。
今回事件の謎はがもちろんメインなのですが、猫のニシンの行く先がどうなるのか、が一番気になったポイントでした。でもどちらになっても、きっと猫にとって幸せな選択がなされるであろうことは間違いがないので、安心でしたが。

2024/05/26

猫が活躍する話ではないですが、猫好きならしっかり楽しめる。登場人物が推理好きなので、推理の思考を楽しみたい人向けかな。さらに長野県人ならめちゃくちゃ楽しめると思う。

2024/04/05

友と猫の約束／約束のその後と善光寺／
対立する二つの街と里親／尋ねまほしき園原やと県境／
歴史散策と謎歩き／猫育てと自分磨き／
姉妹の視点と猫の視線／猫の本能とヒトの理性／
輪転する謎と迷走する猫／安曇野の自然光と浮上する過去／
再浮上する過去と間接照明／家族の陰影と揺らぐ現在／
猫と友と約束

保護猫を引き取りニシンと名付けた文枝。文枝が事件に巻き込まれニシンを引き受けたのは敏子。敏子が入院するので預かったのは真紀。

さて 事件の解決は？ ニシンの暮らしは？