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先祖探偵 ハルキ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 2023/11/15 |
JAN | 9784758446037 |
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商品レビュー
3.6
21件のお客様レビュー
物凄い今どきな話だなぁと思いました。とはいえ自分が知らないだけで、戸籍が無くて苦労していた人たちはもっと前から居たのかもしれない。 その国に生まれたらその国の戸籍がもらえるという条件ではないんだなぁ。アメリカなんかはそう言うお話でしたよね、確か。日本って閉鎖的なんだろうな。
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先祖を調査する探偵事務所を開く邑楽風子を主人公に据えたオムニバス。 キャッチーなタイトルだが、内情は各地に向かい、戸籍を調べ、聞き込みをし…と地道な調査作業。 自分のルーツを辿るというストーリーの中に旅要素や社会問題も織り込まれていて、興味深い物語だった。 調べてみたら、実際に祖...
先祖を調査する探偵事務所を開く邑楽風子を主人公に据えたオムニバス。 キャッチーなタイトルだが、内情は各地に向かい、戸籍を調べ、聞き込みをし…と地道な調査作業。 自分のルーツを辿るというストーリーの中に旅要素や社会問題も織り込まれていて、興味深い物語だった。 調べてみたら、実際に祖先を辿る調査事務所があるんですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2022年の同名単行本の文庫化で、特殊な戸籍にまつわる5話 先祖調査を業としている邑楽風子のもとに持ち込まれた依頼と、風子が自分の出自を調べる話で、近代戸籍の範囲の調査だけで、私が依頼を受けている過去帳や宗門人別帳を使わないのはちょっと残念。 1)幽霊戸籍 111才になる曾祖父の最高齢表彰をすると町役場から通知があったので、曾祖父を探して欲しいという依頼は、死亡届が出されない幽霊戸籍だとわかり、おまけにその戸籍をめぐって昔も今も他人になりすました事件が判明する。 でも、戸籍係の職員が他人になって転職するというのはちょっと設定としてどうかなぁ。 2)棄児戸籍 中学生の少女が父方の先祖を調べたいと来た。戸籍から出身地をたとり、訪問した家の亡父は中学生の祖父の従兄弟だが、その写真は少女にそっくりで、少女は両親に似ていない自分の出自に疑問を持っていたので安心した。 風子が実は捨て子で、姓名は役場の戸籍係がつけたもの、というということが明かされる。 3)焼失戸籍 小学生の息子が、紙を二つ折りにして咥えて呪文を唱える発作を起こすようになって、先祖の祟りだと言われたという相談があり、先祖を調べに岩手へ行くと火事で一家のほとんどが死に、残った子も行方不明になっていた。 憑(つき)祈祷をしてもらうと、「火事、死体、キョンちゃん恨んでねえ」という男の声が聞こえ、その声の主が曾祖父でハッケと呼ばれる占いをしていて、息子の発作と同じ所作、呪文を唱えていたという。 風子と同行者も、キョンちゃんの家で座敷童を目撃し、曾祖父の霊が息子に降りて、キョンちゃんに伝えたかったのだとわかり、息子の発作もなくなってめでたしめでたし。・・裏表紙の「新たなハードボイルド小説」ってなんだかなぁ。 4)無戸籍 出産の費用が払えずに出生証明書をもらえなかったため無戸籍で、学校にも行けず、定職にも就けない男性からの戸籍取得の依頼を受け、産院を突き止めて出生証明書を入手し裁判所に申し立てたが、実は戸籍のある弟が兄になりすまそうという悪企みだと判明。 5)棄民戸籍 風子を探しているという男性がいて群馬県へ向かうが、面会して自分の親ではないと分かる。しかし、直後知らない男たちに襲撃されて、父親が日系ブラジル人のマテウス・オガタというギャングだったとわかる。さらに資料館で自分と瓜二つの女性の写真を見つけて、母親が玉城カメといい、沖縄へ行ったことを知って、風子は沖縄へ向かうと、すでに病死していた。 母親は沖縄からブラジルに移住した一家に生まれ、終戦近くだったため日本国籍がなく、特例で日本に来たものの帰れなくなってオガタと知り合い、子供を産んだもののオガタはいなくなり、「棄民は戸籍を取得できないが、棄児なら取得できる」から娘の将来のために捨てたのだという。風子はショックを受けるが、自分の出自がわかって、これからも先祖探偵を続けようと思う。 最後は母親と似ていることに気づいてほろりとする場面もあるけれど、『元彼の遺言状』の著者の作品としては理不尽さに納得ができない。 巻末に同じ東大法学部出の辻堂ゆめとの対談があって、辻堂ファンとしてはお得感はある。
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