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夢みる宝石 ちくま文庫
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夢みる宝石 ちくま文庫

シオドア・スタージョン(著者), 川野太郎(訳者)

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夢みる宝石 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2023/10/10
JAN 9784480439130

夢みる宝石

¥825

商品レビュー

3.7

8件のお客様レビュー

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2025/04/13

端的にいへば翻訳が上手くない  冒頭、拾はれた主人公が養父にいぢめられるシーン。胸糞が悪いが、ははあかういふ作風なのかとピンとくる。びっくり箱に思ひ入れがあるのだが、壊されてしまって逃げ出す。  しかし、どう思ひ入れがあるのか、丁寧に書いてほしい気がする。  翻訳はまだ慣れてゐ...

端的にいへば翻訳が上手くない  冒頭、拾はれた主人公が養父にいぢめられるシーン。胸糞が悪いが、ははあかういふ作風なのかとピンとくる。びっくり箱に思ひ入れがあるのだが、壊されてしまって逃げ出す。  しかし、どう思ひ入れがあるのか、丁寧に書いてほしい気がする。  翻訳はまだ慣れてゐないやうで、読みづらい文章がままある。

Posted by ブクログ

2024/12/19

288P シオドア・スタージョン (Theodore Sturgeon)1918年、アメリカ合衆国・ニューヨーク生まれ。1950年に、第一長篇である本書を刊行。1954年に『人間以上』(ハヤカワ文庫SF)で国際幻想文学大賞受賞。短篇「時間のかかる彫刻」(1970)はヒューゴー、...

288P シオドア・スタージョン (Theodore Sturgeon)1918年、アメリカ合衆国・ニューヨーク生まれ。1950年に、第一長篇である本書を刊行。1954年に『人間以上』(ハヤカワ文庫SF)で国際幻想文学大賞受賞。短篇「時間のかかる彫刻」(1970)はヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた。他の邦訳された著書に『一角獣・多角獣』(早川書房)、『不思議のひと触れ』『海を失った男』『輝く断片』(河出文庫)、『ヴィーナス・プラスX』(国書刊行会)などがある。1985年に逝去。没後、世界幻想文学大賞・生涯功労賞が贈られた。 夢みる宝石 by シオドア・スタージョン、永井淳 「愛する妻に死なれてからというもの――」(彼女はこの男の愛する妻をおぼえていた。彼が判事になる前、やっと夫の自惚れに迎合するだけの知恵しか持たなかった、粗野で頭のからっぽな女、それだけの人間だった)「――わたしはとても孤独なんだよ、ミス・ハローウェル。あんたのような人には一度も会ったことがない。あんたは美しいし、頭もいい。いや、それ以上の人だ。わたしはあんたという人をもっとよく知りたいんだよ」そう言って彼は作り笑いを浮かべた。 こうしたもろもろの富があるにもかかわらず、ホーティの部屋はいたって質素だった。ありきたりの家具以外に目につくものといえば、一台のテープレコーダーと再生装置――あらゆる楽器の音のあらゆるニュアンスや倍音の正確な再現を要求する耳のために、ホーティが自分で組み立てることになった巨大なハイファイ装置だけだった。その他の点ではごくありきたりの、設備もととのい、装飾の趣味もよい部屋と変わりなかった。ごくまれに、自分ほどの経済力があれば、マッサージ椅子やシャワーを浴びたあとに使う空気調節式乾燥室といった、ぜいたくな自動機器に囲まれて暮らすこともできるという考えがふと頭をかすめることもあった。しかし、その考えを実行に移す気にはなれなかった。彼の精神はきわめて知識欲に富んでいた。分析的な能力はすばらしかったが、それを応用しようとはめったに思わなかった。したがって知識は身につけるだけで充分であり、要求がないかぎりそれを利用する必要もなかったが、自分の力に絶対の自信を持っている以上、知識を利用しなければならないことはほとんどないといってよかった。 「本なんて!」ジーナは蔑むように言った。彼女はこれまでにかぞえきれないほどの本を読んだ。夢見る水晶の性質についてほんのささやかな手がかりでも与えてくれそうな本を、手当たりしだいに読みあさった。そして、生理学、生物学、比較解剖学、哲学、歴史学、接神論、心理学などについて新しい知識を得る(そしてホーティに教えてやる)たびに、彼女は人類こそ創造の頂点に位置するものだというひとり合点の確信を深めていった。答、答、――本はどんなことにでも答えてくれた。フダンソウの新種があらわれると、学者は指で鼻の脇をこすりながら、「突然変異だ!」とご託宣をたれる。それにちがいないことも時にはあるだろう。しかし――いつでもそうだろうか? 溝の中に隠れて夢を見ながら、ある種の不思議な 念動作用 によって、無意識のうちに創造の奇蹟を演じている生きた水晶はどうなるのだ? シオドア・スタージョンは相当に難解な作家である。解説担当者がのっけから難解さを売物にしては怠慢の謗りを受けるかもしれないが、熟考の末、ありきたりの解説者的視点では歯が立ちそうにないし、何も解説することにならないと観念したうえでのこの書きだしである。ただこの難解ということを今少し敷衍すると、作品の思想的内容が理解しにくいとか、文体が晦渋であるとかいうこととはちがう。強いていえば、発想のとっつきにくさ、馴染みにくさとでもいうことになるだろうか。SFやファンタジーの属性のひとつに、日常的思考の足もとを掬うということがあるとすれば、発想のとっぴさはひとりスタージョンのみの特性ではないわけだが、私見によればスタージョンの発想の馴染みにくさには他の作家と比較して明らかに質的なちがいがある。

Posted by ブクログ

2024/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

普通に未知なる生物の謎に迫るSFだなあ…と思っていたら後書きで述べられているように冒険譚であり、成長物語であり、復讐劇であり、また哲学的な問題にまで枝葉を伸ばした様々な要素が詰まったお話だった。 ただ未知なる謎に迫りつつ人間の醜悪さを描く皮肉たっぷりな物語の域を出ないのなら、結末にドテッとなっていただろうが冒険譚にはあの綺麗な締め括り方がぴったりだと思う。 人間からかけ離れた人間と、人間に近い姿形をした人間になりたかった存在、の対比も人間を人間たらしめる要素って何だ?と考えるきっかけになって良かった。文章が詩的でうつくしく、他の本も読んでみたい

Posted by ブクログ