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アウシュヴィッツを泳いだ男
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アウシュヴィッツを泳いだ男

ルノー・ルブロン(著者), 吉野さやか(訳者)

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アウシュヴィッツを泳いだ男

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 アストラハウス
発売年月日 2023/09/30
JAN 9784908184475

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2024/03/24

アルフレッド・ナカッシュという水泳選手がいたことを私は知らなかった。ナチスによるユダヤ人迫害がフランスにまで浸透しスポーツ界にも及んでいく狂気の時代に、泳ぐことを通して人間性を維持した一人のユダヤ人トップアスリートがいた。水恐怖症であった少年が、ふとした出会いがきっかけで泳ぐこと...

アルフレッド・ナカッシュという水泳選手がいたことを私は知らなかった。ナチスによるユダヤ人迫害がフランスにまで浸透しスポーツ界にも及んでいく狂気の時代に、泳ぐことを通して人間性を維持した一人のユダヤ人トップアスリートがいた。水恐怖症であった少年が、ふとした出会いがきっかけで泳ぐことに夢中になり、やがてオリンピック選手となるまで成長していく様子が明るくすがすがしく描かれる。一方、アルフレッドが妻子と引き離され送られたアウシュヴィッツ収容所での、読むのも辛い生活の場面がさし挟まる。時系列をバラバラにした書き方が印象的な伝記物語だ。この書き方は、行きつ戻りつする人の記憶を表しているかのようでもある。また運命の明暗を交互に語ることにより、歴史が人生に与える残酷性が際立たせられている。 人類史上もっとも忌むべきナチスのユダヤ人差別・迫害は、記念碑的なものにしてはいけない。いつまでも生々しく語られなければならない。ナカッシュがアウシュヴィッツでのことを、帰還後なにも詳しくは話せなかったのは、語るにはあまりにも壮絶で、蓋をしたかったからかもしれない。この小説から私たちは想像する力をもらって、同じ過ちを繰り返さないようにしたい。

Posted by ブクログ

2023/10/21

 図書館の新刊コーナーで手にとりました。私が最初の読者でした。  内容はともかくとして、ものすごくすらすらと読み進めたことは★5つです。著者もいいけど翻訳者も上手なのでしょう。すいすい泳ぎ、滑るような読書でした。  ナチスによるユダヤ人迫害の本は「アンネの日記」以降、「戦場のピア...

 図書館の新刊コーナーで手にとりました。私が最初の読者でした。  内容はともかくとして、ものすごくすらすらと読み進めたことは★5つです。著者もいいけど翻訳者も上手なのでしょう。すいすい泳ぎ、滑るような読書でした。  ナチスによるユダヤ人迫害の本は「アンネの日記」以降、「戦場のピアニスト」や「アヴェ・マリアのヴァイオリン」などたくさん読みました。読むたびにナチスドイツの残虐行為に戦慄も怒りも悲しみも覚えます。そしてまたその災禍を生き抜いた人たちに深い感銘も覚えます。この本の主人公もそうです。  愛する妻と娘の動向が気になりますが、それはこれから読書する人のために伏せておきましょう。ナチスには人の心を持つ人間がいないのかと悲しくなりますが、まったくいないわけでもなかったようです。少し救われます。いい本でした。

Posted by ブクログ

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