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焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
| 発売年月日 | 2023/09/28 |
| JAN | 9784041126493 |

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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
2025.12.13市立図書館 河合隼雄学芸賞受賞のニュースを聞いたのが1年前だったか2年前だったか、そのうち読もうとずっと予約待機カゴには入れていたのだが、なかなか予約をかけられず。そうこうするうちに最寄り図書館の本棚にみつけたのでやっと借りた。 せっかく借りたのになかなか読...
2025.12.13市立図書館 河合隼雄学芸賞受賞のニュースを聞いたのが1年前だったか2年前だったか、そのうち読もうとずっと予約待機カゴには入れていたのだが、なかなか予約をかけられず。そうこうするうちに最寄り図書館の本棚にみつけたのでやっと借りた。 せっかく借りたのになかなか読み始められず(でも次に借りたい人がいないおかげで何回も貸出延長でき)、年をまたいで2月終盤になってやっと読み始めたらおもしろい。ロングセラー「女工哀史」のB面、取材源だった妻・高井としをが後に書いた自伝「わたしの「女工哀史」」はぜひすぐに読まねばと思う。 「労働者の立場が相対的に弱く劣悪な環境で虐げられていたかわいそうな女工さんたち(女工哀史)」でありつつも、「貧しい農村の労働から解放され自分の稼いだお金で好きなものが買えて休日もあり仲間もいる新しい生活を手に入れた女工さんたち(わたしの「女工哀史」)」でもあったという視点を得ると、見えてくる世界も変わるし、問題や課題のありかも変わるのがおもしろい。 「織物業」ときいてもいままでは「地理」か「歴史」の記号でしかなかったけれど、「地方などから集められた若い女性が寮などで暮らしながら働く世界」と解像度があがり、それがそこにできることでどういう変化や影響があったのか、そのなかにいる人の暮らしや気持ちはどうだったのか、と細かく見ていくと今にも通じる発見や知見があるのはすごい。 後半はアメリカのケースで、日本に先立って同様に女子を寄宿させる形の織物工場が登場したが、日米では女性の教育や連帯の状況に差があるのはどうしてかを紐解いていく。アメリカの女性が西部開拓や南北戦争で男手の不在や自給自足でのきりもりをしながら女性同士のネットワークを固めていったという説明はなるほどと思えた。女子の進学や女教師、キルティング・ビーなどの意味や意義を知れば、アン・ブックスを始めとした北米の少女小説の解像度もぐっとあがるというもの。 読み終えて、天動説は時間をかけて(多くの犠牲も払って)地動説に取って代わられたけれど、そして高井としをが夫やそのまわりの男性の意識に失望してもうずいぶんたったけれど、「男女の別なく人間は平等だ(が体格などに由来する違いに配慮しなければ真の平等はない)」という意識はいまだに地動説ほど受け入れられてはいないのだなと改めて思った。
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読みやすく、面白かった。家政学の成り立ちや、明治から大正にかけての女子教育の変遷は発見も多く、大正期の方向転換は今も尾を引いているように感じつつ。書名はいささか期待に沿っておらず、焼き芋とドーナツの話は象徴的とも言い切れない上に、日米間のシスターフッドではなく日米それぞれのシスタ...
読みやすく、面白かった。家政学の成り立ちや、明治から大正にかけての女子教育の変遷は発見も多く、大正期の方向転換は今も尾を引いているように感じつつ。書名はいささか期待に沿っておらず、焼き芋とドーナツの話は象徴的とも言い切れない上に、日米間のシスターフッドではなく日米それぞれのシスターフッドが主眼に置かれているとはあまり予想していなかった。
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『「おふくろの味」幻想~誰が郷愁の味をつくったのか』『胃袋の近代―食と人びとの日常史―』からの『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』。はっきり言って自分の中では湯澤規子ブームです。前著2冊での「家庭料理」「外食近代史」とテーマを変えながら今までの歴史に中では見過ごさされ...
『「おふくろの味」幻想~誰が郷愁の味をつくったのか』『胃袋の近代―食と人びとの日常史―』からの『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』。はっきり言って自分の中では湯澤規子ブームです。前著2冊での「家庭料理」「外食近代史」とテーマを変えながら今までの歴史に中では見過ごさされてきた個人的な「食べる物語」を繋げて生き生きと描かれる日常生活の近現代史に引き込まれてきました。今回は産業革命以降の工場労働者の「食」のストーリーということでは『胃袋の近代』に隣接していますが、テーマを「女性」にフォーカスしたことでまた新たな物語が浮かび上がっています。『胃袋の近代』でも取り上げられていた細井和喜蔵の『女工哀史』と彼の内縁の妻である高井としをの『わたしの「女工哀史」』の違いに心を寄せた著者の着眼が新たなる歴史を浮かび上がらせています。それは日本に留まらず太平洋を挟んだ対岸の女性たちの自己実現の物語に繋がっています。そこに今年5000円札に登場した津田梅子という仮の補助線を引くことでシスターフッドという精神的な紐帯が浮かび上がるのです。それは現在のジェンダーの問題にも繋がっていると思います。たまたま聞いた平野紗希子さんの「味な副音声」というポッドキャストの番組に湯澤規子さんが登場した回を聞いたのですが違う分野で響き合うシスターフッドみたいな気分を感じました。エピローグで語られる「一人ひとりが生きているという事実の重み」に気持ちが熱くなりました。いつものように最後になって著者の想いがほとばしります。『無名になって「わたし」を探し、「わたし」を取り戻し、「わたしたち」を生きる』…湯澤規子アンセム、グッと来ました。
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