鏡の国

岡崎琢磨(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2023/09/13
• JAN: 9784569855578

商品レビュー

2024/10/21

小説の中に小説が内包されている、という
面白い作りの小説。（何回言うんだ）
『裏の裏はただの表です』とかいう理屈が通じない私は
煽り文句の『反転、反転、また反転』だとか、
作中にあるクアドラプルミーニングとか、
正直言ってよくわからなかった。
最終的には、面白ければなんでも良くな〜い？の世界である。

編集者の勅使河原さんが作者代わりに
一章ごとに「この謎わかるかな？」ばりの挑発をしてくる。
なんかわかるようなわかんないような、
こういうことかな？と思いながら読んだら、
小説の内容については概ね当たっていた。

最後、あえて削除したエピソードについて
あの姉弟がどのような結論を出すかはわからないが
私は勅使河原さんの見立てと同意見だ。
いや、もし私が室見響子という先生のファンだったら
遺作の全てを知りたいと思うかもしれない。
でも『こう見られたい』と振る舞っていた可能性のある先生の
本当の姿を本人の死後勝手に披露されるなんて
私だったら嫌だなぁとも思うし、
全てを知らなくたっていいではないか。
素晴らしい作品を世に遺してくれている、
それだけで十分だと一ファンは思うのですけどね。

2024/10/18

作中作ミステリーは大好きでワクワクして読みました。

今までにたくさんのミステリー作家が挑んだテーマ。新たな作中作ミステリー誕生に嬉しい限り。

装丁もよく、削除されたお話も素晴らしい！

ぜひ〜

2024/10/06

学校　★★☆　　大人読書　★★☆

２年前に亡くなった人気ミステリ作家・室見 響子が、自身のほぼノンフィクションとして遺作を残した。

その作品では４人の同世代の若者が交流を深めるうちに、思わぬ過去の出来事が事故ではなく故意の出来事ではないかという疑惑が浮上する。

小学生のころ火傷を負ってアイドルをあきらめた新飼 郷音。
火傷の原因を作ってしまった元アイドルで「身体醜形障害」の香住 響。
二人の女性と幼いころ短い期間交流があった「相貌失認」の吉瀬 伊織。
香住が火傷を負わせた火事について書いたブログを見てウェブライターに誘った久我原 巧。

「顔」をキーワードとして４人の関係が変化していくのだが…。

読み手が４人のどの人物に共感をするかで読み方が変わるように思う。
若者の「顔」への悩みなどが描かれ、高校生には読みやすく、考えさせられる作品だと思う。