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ナイフをひねれば 創元推理文庫
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ナイフをひねれば 創元推理文庫

アンソニー・ホロヴィッツ(著者), 山田蘭(訳者)

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ナイフをひねれば 創元推理文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2023/09/11
JAN 9784488265144

ナイフをひねれば

¥550

商品レビュー

4.2

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2024/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

翻訳ミステリの売れっ子アンソニー・ホロヴィッツによる「作家アンソニー・ホロヴィッツと探偵のダニエル・ホーソーン」(ホーソーン&ホロヴィッツ)シリーズの第4弾。 毎回書き物と殺人を繋ぐような副題をつけてくる本作だが、今回の副題は日本語にすると”事態をより悪化させる”とか”傷口を抉る”といった意味がある。 このシリーズは古典的な「ワトソン役」であるアンソニー・ホロヴィッツと、「探偵役」である退職した元警官のホーソーンが殺人事件の謎を解いていくという、形としてはかなり古典的な探偵小説の部類に入る展開を一貫して守っている。結果として連続殺人事件になることが多いが、エキセントリックな犯人が出てくるわけではないし、残酷描写がキツすぎると言うこともない。著者のアンソニー・ホロヴィッツはアガサ・クリスティーファンを公言しているだけあって、古き良き黄金時代のミステリーを再現しているのだろう。 この二人の組み合わせが面白いのは、”語り手”であるホロヴィッツが、自分は一貫してまともな人間であり、ホーソーンが変わり者であると主張してい続けているにも関わらず、 実際に書かれた文を読むと、おそらく関係性が逆であると言うことが伝わってくる点だ。ホロヴィッツは 自分が思っているよりも、ずっと気分屋だし、ホーソーンに何度言われても捜査にしゃしゃり出てきては事件を引っ掻き回してしまう。 自分では思慮深いと思っているが推理が当たったことはほとんどなく、終始一貫冷静で物事を見極めようとするホーソーンがいなければ永遠に事件は解決しなかったであろうことがすぐにわかる。言ってみれば、本作は「信頼できない語り手」による探偵物語とも言えるのだ。 本作ではそのホロヴィッツが、ついに殺人容疑者として逮捕されてしまう。自分が脚本を書いた舞台を酷評した劇評家が殺され、凶器からホロヴィッツの指紋が検出されたのだ。その上、次々と不利な状況証拠も発見されてしまい、おそらく裁判に持ち込まれれば有罪は確実という状況になる。 当初はホーソーンとの関係を終了にしたいと思っていたホロヴィッツも、彼以外に頼る人がない状況になり、留置所からホーソーンに電話をして救いを求めることになる。そして口は悪いが心優しいホーソーンは何だかんだと言いながらも、ホロヴィッツを助けるためにこの事件に巻き込まれることになるのだった。 個人的にはこれまでのシリーズの中で本作が最も面白く、その大きな理由がこの事件の舞台設定にある気がする。これまでのシリーズでも緊迫感がある場面は度々登場していたが、今回は事件捜査に限られる日数が極めて少ないということが物語にスピード感を生み出している。 ホーソーンと仲間の天才ハッカーケヴィンの働きにより一時的に釈放されているとはいえ、ホロヴィッツはいつでも逮捕されてもおかしくない状況にあり、二人には悠長に捜査をしている時間がないのだ。 最終的にはまさにタッチの差という感じで、ホーソーンは事件の真相にたどり着くことができるのだが、関係者全体を舞台に招待しての発表というかなり芝居がかったクライマックスを迎えるのも本作の評価を高くしている一つの要因だ。劇中ではホーソーンが「ホロヴィッツが本を書くために、良い絵を準備してあげた」と嘯くのだが、元々実際のホロヴィッツは脚本を手がけているということもあり、こういった絵になるような場面を実に楽しそうに書いている。 事件の動機が実は古い事件にあったということや、一見してはわからなかった「本当の人間関係」が事件を引き起こしてしまったこと、そして何より被害者が殺されたことに誰も(家族すらも!)悲しまないということまで含めて、実に本作は古典ミステリーの芳醇な香りに溢れている。KindleやSNSが出てきたとしても、しっかり正統な古典派に仕上げてきた本作の次のシリーズも楽しみだ(きっとそのうちBBCかNETFLIXがドラマ化するだろうから期待している)。

Posted by ブクログ

2024/09/11

シリーズ4作目。 前作のオルダニー島での事件が解決し、当初予定していた3冊の本の目途がついたところで、ホロヴィッツがホーソーンに契約の更新はしないことを告げるシーンから物語は始まる。考え直すように説得するホーソーンを振り切り、彼の家を後にするホロヴィッツ。コンビは解消だ。 もう...

シリーズ4作目。 前作のオルダニー島での事件が解決し、当初予定していた3冊の本の目途がついたところで、ホロヴィッツがホーソーンに契約の更新はしないことを告げるシーンから物語は始まる。考え直すように説得するホーソーンを振り切り、彼の家を後にするホロヴィッツ。コンビは解消だ。 もう彼らのシリーズを読むことはできないのだろうか。。。 場面は変わって。 ホロヴィッツが脚本を手掛けた『マインドゲーム』という舞台公演が、いよいよ初日を迎えた。しかしそれはある女性評論家によって、けちょんけちょんにけなされてしまう(特に脚本を)。そのことを知った関係者の中には、意気消沈する者あり、怒り狂う者あり、ホロヴィッツにおいては、読んでるこっちが哀しくなってしまうくらい落ち込んでしまう。 そして、そんな彼にさらなる不幸が降りかかる。 その女性評論家が自宅で何者かに刺殺されるのだが、なんとその犯人にされてしまうのだ。事件を担当するは、あの宿敵カーラ・グランショー警部とダレン・ミルズ巡査。次々に出てくる証拠は、すべてホロヴィッツが犯人であることを指している。 どうして??? 誰がその女性評論家を殺害したのか、そしてホロヴィッツのような人畜無害の人間を陥れようとしている人はいったい誰なのか。 ああ、もうこうなったら、助けを求める相手は一人しかいない。 そして再び手を組んだ二人は、48時間という限られた時間の中で真犯人を探すために奔走する。 謎は深まるばかり。 時間は過ぎるばかり。 そして相変わらず秘密主義のホーソーン。 今までの過去の作品に比べて、事件の奇抜さはないものの、非常に読み応えのある話だったと思う。事件を点で捉えている限り、決して真実にはたどり着けない。手繰り寄せる真実の糸は思いのほか長いからだ。 途中ある人の出現によって、ホーソーンの過去がまた一部明らかになる。小説を書く上で彼のことをよく知りたいホロヴィッツと、過去に触れられたくなくて必死にはぐらかすホーソーン。 こちらの謎も益々興味深い。 わたしが今まで読んだ彼のどの小説にも、随所にこの著者本人のミステリーに対する愛が垣間見える。 それがとても好きなんだ。

Posted by ブクログ

2024/09/02

作品名を出すと両作品のネタバレになってしまうので伏せるけど、クリスティーのある1作品といくつかの重要な点がすごく似ていた。 ある一言で「あれ?」と思って、謎解きのシーンでやっぱりあの作品と同じだったとわかった。 でも謎解きのシーンではっきりわかったので、犯人当てには繋がらなかっ...

作品名を出すと両作品のネタバレになってしまうので伏せるけど、クリスティーのある1作品といくつかの重要な点がすごく似ていた。 ある一言で「あれ?」と思って、謎解きのシーンでやっぱりあの作品と同じだったとわかった。 でも謎解きのシーンではっきりわかったので、犯人当てには繋がらなかったんだけど(^_^;) そもそもホロヴィッツ作品は毎回犯人探しを全く考えないで読んでいる。 考えても絶対に犯人が当たらないし、犯人当て以外の部分もすごく面白いから。 クリスティーの「ノンシリーズ」みたいに、ホロヴィッツ作品なら多分誰も殺されなくても十分楽しめる。 それだけ登場人物の描き方に魅力がある。 ホロヴィッツは相変わらずポンコツっぷりが楽しいし、犬のラッキーまですごく良い笑 ホーソーンの謎と内面が少しずつ見えてくるのがたまらない。回を重ねるごとにホーソーンの魅力が増していく。 今回も日本の何かが出てきて、日本へのファンサービスみたいで嬉しかった。 ミステリー部分も面白いし、ホロヴィッツのボヤキが笑えて楽しくて読書時間が幸せ。 日常を読書でこんなに楽しくしてもらったら★5以外は付けられない。 9月11日発売の『死はすぐそばに』が楽しみ。 Audibleにて。

Posted by ブクログ

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