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なぜ世界はそう見えるのか 主観と知覚の科学
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白揚社 |
発売年月日 | 2023/09/05 |
JAN | 9784826902519 |
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なぜ世界はそう見えるのか
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
ヒトが認知している「ものごと」は、外界を忠実に映し出したものではなく、なんらかの偏りを経た結果であることを書いた本。 まあ「バイアス」なのだが、この語は特定の偏りについて用いられる傾向があるので適切なのかわからない。 本書は「アフォーダンス」についての本だと述べるのが適切なのだが...
ヒトが認知している「ものごと」は、外界を忠実に映し出したものではなく、なんらかの偏りを経た結果であることを書いた本。 まあ「バイアス」なのだが、この語は特定の偏りについて用いられる傾向があるので適切なのかわからない。 本書は「アフォーダンス」についての本だと述べるのが適切なのだが。 特に面白いのが身体の状況によってヒトの認知が変わってくるということ。 坂道がどれほどの角度だと思うかは、坂の登りやすさによって異なる(元気な体育会系は緩やかな角度を答え、高齢者や身体の不自由な人は急角度を答える)。 その一方で自分の身体で角度を示すと誰もがかなり正確な回答をする。 このように、大脳を経由した「考えた結果」と、半ば反射的ともいえる「身体反応」に乖離があることの事例はほかにも紹介されている。 脳外科手術によって脳の一部が傷ついて視覚に損傷を受けた人についての報告。目の前のペンを識別できずぼんやりした円と認識しているのに手渡されたペンを正確に受け取ることができたり、障害物のある場所できちんと障害を避けながら歩けたりする事例があるという(つまり、脳内で映像化する機能とは別の機能が生きているということ)。 大脳を経由した認知は、外界を忠実に映し出したものだと思いがちだがそれは思い込みだという話だ。 身体だけでなく、感情や社会条件によっても左右されることを述べていく本であるが、身体について述べたところが私は面白くって、後半はそれほどではなかった。 ーーーーーーーーーーーーー なお、個人的に面白かったのは 「単語の音とそれが表す意味とは互いにつながりのない恣意的なものであり、記号表現シニフィアン(単語とその発音)は、記号内容シニフィエ(それが言い表す対象物や概念)とは無関係であるという…ソシュールが祖になった構造言語学」 の伝統的な考え方に真っ向から対立するという主張である。 それは次のものだ。 ●「小さい」を表す形容詞は閉じた口の形で発音される⇒little、tiny、petite、chiko(スペイン語)、peti(フランス語)、ミクロス(ギリシャ語)、チイサイ(日本語) ●「大きい」を表す形容詞は開いた口の形で発音される⇒large、huge、humongous、gordo(スペイン語)、grand(フランス語)、マクロス(ギリシャ語)、オオキイ(日本語) この主張の真偽はわからない(サンプルが少なすぎる)けど、興味深い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
思考が世界を理解するのでなく、肉体(五感)の知覚が思考に大きく影響する。 逆に知覚を反応させることで思考に影響を与える(偏見やバイアスを増減する)ことができる。 自分の中にある偏見は、人類の先祖がどのような暮らしをしてきたかによって現代まで伝わっているというのはちょっと眉唾だが一定の説得力はある。
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本棚に追加するかとても迷うけど読み返すことがなさそう…でも人に勧めたいしすごくいい本だ悩ましい。4.5にしたい。 発達(赤ちゃん)や子育て、差別など主観と知覚をテーマに取り上げられていてどれも興味深い内容だった。翻訳が読みやすいのもだいぶ救いになっているありがたい。。 あなた...
本棚に追加するかとても迷うけど読み返すことがなさそう…でも人に勧めたいしすごくいい本だ悩ましい。4.5にしたい。 発達(赤ちゃん)や子育て、差別など主観と知覚をテーマに取り上げられていてどれも興味深い内容だった。翻訳が読みやすいのもだいぶ救いになっているありがたい。。 あなたが世界を見ているのではない。あなたが見ている世界を見ているのだ。 客観視なんて概念はないのかもしれない。みんな見え方考え方が違う。生きていればなんとなくそれは分かるけれどこの本を読むと明確に違うことがわかる。全てが違う。怖くもあるが面白くもある。
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