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誓願 ハヤカワepi文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/09/05 |
JAN | 9784151201103 |
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誓願
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商品レビュー
4.8
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本当に面白かった! 「侍女の物語」では侍女目線であったために情報量が抑えられていたが、今作では小母のリディア、司令官の娘アグネス、他国で育ったデイジーの三名が語り手となり、よりギレアデについて理解が深まるつくりになっていた。この三名がどんなふうに繋がっていくのか、そしてギレアデの女性たちがどうなるのか、恐る恐る読み進めていった。 女性の権利をとことん剥奪していくくだりは読むのもつらかった。でもそれよりも、ギレアデで生まれ育った少女たちが、すべてを奪われていることすら知らない点が一番恐ろしかった。最初から無いものにはなかなか気付けないものだから。 リディア小母が、人生を失ったあの状態から権力と情報を握りすべてを壊すためには、これだけの年月がかかるのも頷ける。その期間たくさんの人が犠牲になったが、小母もこうするしかなかったのだと想像するとひどく悲しい。これはリディア小母にしかできないことだった。それだけ、創始に関わる者には責任が伴うのだなと思った。 リディア小母もすごい人物像だったが、ベッカのことも忘れずにいたい。静かに覚悟を決めたのであろう彼女は崇高ですらあった。 女性たち一人一人がそれぞれ性格も選択も違っていて、生き方は本来ひとつではないことがよく分かるようになっていた。ギレアデのやり方では男性だって幸福にはなれない。性別で役割を決めつけることの愚かさが改めて感じられた。 侍女の物語から繋がっていく誓願には、苦しい中にも希望があったと思う。姉妹であることが明かされ、ふたりが旅をする終盤がとてもよかった。手に汗握る展開だったが夢中で読んだ。 感想を書けば書くほど膨らんでいくような、一言では語れない物語だ。
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ノンストップの面白さで一気に読み終わった。素晴らしかった。読後感的には(着地しているから当然と言えるが)前作以上。ディストピア世界の描写がメインだった前作から3人の視点に押し広げたことで如何にして現在のこの苦境を変えられるか、その精神性に主眼があるようで、これまでのディストピア文...
ノンストップの面白さで一気に読み終わった。素晴らしかった。読後感的には(着地しているから当然と言えるが)前作以上。ディストピア世界の描写がメインだった前作から3人の視点に押し広げたことで如何にして現在のこの苦境を変えられるか、その精神性に主眼があるようで、これまでのディストピア文学を現代にアップデートし、実際にどうすればいいかを説いている面が魅力だった。現実を近未来SFで風刺するだけだとこれまでのディストピア物の繰り返しになるだけだから一歩先へと。凄くいいし、現代ではそれにこそ必要性があると思う。そこまで具体的で示唆的なわけではなく単に物語としても楽しめるし、続編としてキレイに機能している点もいい。序盤はバラバラだった三人が集い、前作との共通点が見えてくる展開の、興奮を湧き立たせる微細な流れが秀逸。 解説にて『「1984」にてオーウェルが巻末に注釈を附したのは微かな光を残すためである。オールドスピークで綴られた手記の発見だからだ。小説にそういう逃げ道を作っておくことがオーウェルとアトウッドの希望の表し方であるという。「侍女の物語」に附された記録にもあるように、オブフレッドの声をたしかに聞き届けられている。「誓願」もまた未来の読者である我々に同じ役割を委ねている』 現実を移すディストピア文学が手記の形を取っている理由、なるほど興味深い!!
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