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今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる ポプラ文庫ピュアフル
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今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる ポプラ文庫ピュアフル

紅玉いづき(著者)

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今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる ポプラ文庫ピュアフル

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ポプラ社
発売年月日 2023/09/05
JAN 9784591178966

今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる

¥495

商品レビュー

4.4

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2025/08/17

光の幕を...の続きとなる今作はてっきり涙海が主役となって、ブランコ乗りを続けながら事件の犯人を追って行くと思いきや、彼女たちの大先輩である「初代」達が主役でサーカス誕生の物語だった。  カジノ建設の責任者だった父を不審な事故で亡くした少女マリナ。やがて初代ブランコ乗り——サン...

光の幕を...の続きとなる今作はてっきり涙海が主役となって、ブランコ乗りを続けながら事件の犯人を追って行くと思いきや、彼女たちの大先輩である「初代」達が主役でサーカス誕生の物語だった。  カジノ建設の責任者だった父を不審な事故で亡くした少女マリナ。やがて初代ブランコ乗り——サン=テグジュペルになる少女が涙海、愛涙に代わり主役を務める。  彼女がサーカスに入ることを決めた理由は当然、父の死の真相を知るため、そして黒幕を糾弾するためだ。  「乞食の涙だと思った。」サーカスに入る決断をする前の自分の泣き顔を見たマリナの考えが、胸に刺さった。唯一の肉親を謎の事故で失った哀れな少女。  見れば哀れに感じるし、何か手助けもしたくなる。その手助けが自分の利益にできるなら積極的に介入するだろう。でも他に用事があれば無視するし、自分に不利益を感じれば縋られても払い除ける。まさに彼女の涙は、それをみる人間の心持ち一つでどうにでも扱われる乞食の涙だった。  だから彼女はサーカスに入団した。唯のサーカスではない。経済復興の旗印の元、建設されたカジノエリア。そのシンボルとなるサーカス団に。自分の涙を価値あるモノに変えるために。  ところでいきなり結論を言ってしまうと、謎は解決しない。命を燃やし、自分の全てをブランコ乗りに捧げ、サーカス団で伝説の存在になっても彼女が父の死の真相に辿り着くことはなかった。そもそも提示された謎が解かれない、というのはこれが初めてではなく、前作の「光の...」でも思わせぶりに提示された謎やサーカス団に纏わりつく陰謀を、特に解決しないまま終わってしまった。  だからこう思った人もいたかもしれない。 「え? 涙海の事故は結局事故で終わり? チャペックが匂わせた団員退団トトカルチョの黒幕は?カジノ建設中に、何かとんでもない事が起きてマリナのお父さんは口封じで殺されたんじゃないの?何もわからないまま終わるの?そんなのは嫌だ!そもそも帯に青春ミステリーって書いてるじゃないか!」 僕もそう思った。ちょっとは。でもすぐこう思い直した。 事件、陰謀、闇。 そんなのはあって当然なんだ。だって「ここ」は欲望に塗れたカジノエリアの中にあってさらに、人々の欲望を一身に集める少女サーカス団なんだから。 その欲望は利権やおっさんの野卑な視線だけに止まらず、サーカスの演技を見た純粋な感動、この感動を永遠にしたいという願い、そう言ったものも含んでいる。  そんな重圧にサーカスの少女達が耐えていられるのは、彼女たちこそが誰にも負けない欲望を持っていたからだと思う。  そんな彼女たちがサーカスの中で何と出会い、何を選び、何と別れたか。そしてその結果未来に進めたのか、少なくとも先に進めたと、読み終えた僕たちはそう思えたのか。それだけわかれば十分だったのだと思う。  宙に舞ったブランコ乗りの指先は、確かに何かを掴み、対岸に渡った。  サーカスの観客にわかるのはそれで十分、そういうことじゃないのだろうか。

Posted by ブクログ

2024/09/30

うわー、不覚にも最後うるっとしてしまった! 今宵、嘘つきたちは光の幕をあげるよりも過去の物語 サーカスの曲芸師、初代の物語だ 物語の始まりは、まだまだサーカスが開催するかもあやふやな状態 企画だけされているが、本当にサーカスの公演はできるのだろうかと 不安がありながらも少女たち...

うわー、不覚にも最後うるっとしてしまった! 今宵、嘘つきたちは光の幕をあげるよりも過去の物語 サーカスの曲芸師、初代の物語だ 物語の始まりは、まだまだサーカスが開催するかもあやふやな状態 企画だけされているが、本当にサーカスの公演はできるのだろうかと 不安がありながらも少女たちは日々の研鑽に励む そして始まるゲリラ的なサーカス公演! 初代少女達が自ら名付けた『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』や『パントマイムのチャペック』など、自らを表す演目で登場 処女公演は拙いながらも、きっと誰しも魅了されることであろう! 黄金のマリナと呼ばれる今作の主人公的な立ち位置のブランコ乗りのサン=テグジュペリ 父が死んだその場所で多くの複雑な思いを抱えていた事だろう 最初はそんなに意欲的ではなかったのかもしれないけれど、研鑽をつむことで彼女の大切な場所になったことには違いない 身体がボロボロになっても舞台で喝采を浴びるぐらい! きっと処女公演も拙いながらも素敵な素敵なものだったんだろうな だからFと名乗る古参のファンは魅了されてしまったのだろうと想像できる! サン=テグジュペリは出会いよりも別れが多く、友であった者たちは皆居なくなってしまう 変わりゆくサーカスのメンバーにどれだけ心細かっただろう だからこそ、ずっと見守り続けたF存在に驚きを隠せない あぁ、Fさん……この方だったんだって そして陰ながら存在するサーカスの団長であるシェイクスピア 光の幕をあげるの方では冷酷な印象があったが、そっか、彼女の想いもずっとサーカスとともにあったんだなって 恋焦がれてこの立場にずっといたんだろうなって あまり登場の少ない彼女ではあったが、光の幕、そして影の幕を読んでからめっちゃ好きになってしまった 歌姫アンデルセンの子は正直最初好きになれるかな?って感じではあったけれど、彼女の価値観や信念彼女を知る度に強いなって感じさせる子であった まぁ私としては友人にはなりたくないかもですが苦笑 そしてパントマイムのチャペックや猛獣使いのカフカ チャペックの葛藤は正直この物語で1番読んでいて辛いものがあった! 自分の価値の自問自答、そして大切な子 サーカスを離れた先で見つけたもの 急な退団とかは好ましくは思えないけれど、それでも彼女も幸せを見つけられて良かったなって思うんだ こんな初代の時代があったからこそ、光の幕が上がったのかと思うと感慨深い 光の幕の代まで行くのに、どれだけの少女たちが戦い命を燃やしてきたのだろうかと、空白の期間も想像してしまう でも1番良かったのは推しへの愛情が…(涙)

Posted by ブクログ

2024/08/30

「黄金のマリアナ《入団オーディション》」 名前は演目に合わせ。 練習をしてきた成果を発表できる機会を潰されたら、強行突破をしてでも魅せたくなるかもしれないな。 「金魚姫は永遠をうたう」 マイクはオフのまま。 どれだけ練習してもクオリティが上がらないのならば、自分にあったレベルの...

「黄金のマリアナ《入団オーディション》」 名前は演目に合わせ。 練習をしてきた成果を発表できる機会を潰されたら、強行突破をしてでも魅せたくなるかもしれないな。 「金魚姫は永遠をうたう」 マイクはオフのまま。 どれだけ練習してもクオリティが上がらないのならば、自分にあったレベルの歌唱をしたらいいのでは。 「チャペックとカフカ」 新たな演目が加わる。 何かが起きるにはちょうどいい場所が出来たのだから、警備や施錠はしっかりとしておくべきだったろ。 「黄金のマリアナ《退団記者会見》」 酷使した腕は限界に。 一人で宙を舞い続けていたら、当たり前だが負荷がかかっている部分は少しずつ壊れていってしまうな。

Posted by ブクログ