行動栄養学とはなにか？ 食べ物と健康をつなぐ見えない環を探る

佐々木敏(著者)

• 販売会社／発売会社: 女子栄養大学出版部
• 発売年月日: 2023/06/15
• JAN: 9784789554640

商品レビュー

2025/06/29

取り上げてるテーマが上手い。
心筋梗塞にはコーヒーか？紅茶か？。
ベジタリアンやビーガンになることで減る病気と増える病気。
プロテインでサルコペニアは防げるか？
糖類と虫歯の関係(どのくらい糖類摂取すると虫歯リスク上がるのか)は？
朝ごはん食べる子が成績良い？
カルシウムとビタミンDで骨折予防？
などなど
まぁメタアナリシスを行うと、大概が『有意差なし』になっちゃう結果なんだけど、調査期間が長すぎればサプリメントをのみ忘れるようになることも考えなきゃいけないし、短い期間ならそのサプリメントの効果が現れていない可能性もある、など統計に対する人間の不確実性とかも考慮されているのが誠実なところだ。そうそう、食事量の聞き取りについて、正常体型の人は２割減くらいで答え、肥満気味の人は３割から４割減で答えるらしいから、体重減量指導してるのに減らないなぁと思った人は申告された食事量を割り増しして考えてやらないといけないらしい。

2025/06/22

2025.6.22市立図書館
SNSでみかけて、おもしろそうだなと思って予約を入れて借りた。
月刊「栄養と料理」の連載「一枚の図からはじめるEBN　佐々木敏がズバリ読む栄養データ」（2011年〜連載中）から抜粋、加筆（第9賞）・再構成した本の三冊目とのこと。
一章ごとに観点をある程度決めて、食べ物と健康関連でよくある身近な問い（たとえば、朝ごはんを食べると頭がよくなるか、砂糖と人工甘味料どちらのほうが体に悪いか、適量飲酒で寿命は延びるか⋯）30あまりがたてられ、さまざまな研究やデータからその回答（現時点での落とし所）をさぐっていくというスタイルで、総じて食べ物と健康というのはそんな単純に因果がわかる関係ではないし（科学的に研究するのは思った以上に難しい）、それゆえわかりやすい悪者とか唯一の正解が決められるものでもないということがわかる。食べ物と健康という身近なテーマで統計データの読み方の勉強になり、かなりおもしろく読めた。
認知心理学的なバイアスの話などももりこまれているし、小規模調査の結果はちょっと大げさに出がちで、大規模に調べ直したり長期的に追跡していくと当初のインパクトは薄れていきがち、みたいなパターンは栄養疫学に限らず知っておいて損はないと思う。

2024/05/14

志望学部・職種：栄養学・管理栄養士
ここがオススメ！：実際に行われた研究を用いて様々な栄養についての知識が得られます。
自分や周りの人の食生活に対する疑問の解決につながります。
例を挙げると「早食いは太るの？」や「ビタミンCは風邪を予防できるの？」などです。
他にも、たくさんの内容がこの本には詰まっています。
栄養系の学部を考えている人はもちろん、栄養系の大学を受験する際に小論文を使う人は必ず読んでほしい一冊です！