1,800円以上の注文で送料無料

ヘルメス
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 書籍

ヘルメス

山田宗樹(著者)

追加する に追加する

ヘルメス

定価 ¥2,090

990 定価より1,100円(52%)おトク

獲得ポイント9P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

7/5(金)~7/10(水)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2023/08/21
JAN 9784120056871

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

7/5(金)~7/10(水)

ヘルメス

¥990

商品レビュー

3.3

24件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

序盤。構成の妙。 よくあるパターンとはいえ、ワクドキ製造型の視点じゅんばんこスタイルは大好物です。 最大のナゾ「ルキ」の存在をうまく使った語りの視点変換。「ルキ」を一人称。それ以外を三人称一元視点にすることで不気味さや読めなさが香ばしく沸き立つ。ムフムフしてしまう。 「地上の世界は〈空〉の気まぐれに翻弄され続けた。」 確かに。〈空〉って怖いんだなと再認識。 海の怖さは地震大国の住人として意識せずにはいられないけれど、空、大気で起こる自然現象を論理的かつ平らに列挙されると、至極正当な恐怖だった。 「自然の脅威」なんて十把一絡げで便利な言葉を無感覚に使いすぎて鈍麻してるけど、間違いなく怖い。 ただ、やはり地上で生まれ死んでいく者としては、恩恵と畏れに抱かれるこの世界こそが人間の舞台だと思っちゃうんですよね。 まあ、年中全力で紫外線から逃げているわたしはヘルメスに潜るべきかもしれないですが。 しかしルキの早期退場で、推進力の屋台骨がボッキリ。 なんだろうなー。 設定最高山田宗樹。 安定の読みやすさ山田宗樹。 好きだからハードルが上がってるのも否めない。が。 今回、リアリティとファンタジーのバランスがギクシャクしてるというか。 いや、違うな。決して現実味があるわけじゃないけど、振り切れ感が足りないというか。そんだけ振りかぶったんだから、全力で振り下ろしてくれ。的な。 テーマとしては色々詰め込まれている気もするし、「もしもこんな未来がほんとに来たら」の妄想が捗るのはやっぱりさすがの山田宗樹。 しかし読後のこの余韻というか、あらゆるポイントに対する余地というかは、この話用のものじゃない。モンヤリとした、じゃない感。 なんか悔しい。 でも最後のオチは、映画のエンドロール後に出てくるエピソードの匂いがして嫌いじゃない。

Posted by ブクログ

2024/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった! 2日で一気に読み切った。 特に一章の地下シェルター実験、集団心理、宗教。どうなるのかどきどきしながら、読み進めた。 二章で時間が進んだことに驚いた。少年は新しい神様にでも祭り上げられるのかとはらはらしたが、まさか死んでしまうとは。幸せになってほしかった。でもリアリティはあった。医療技術やAIの進歩、特にマイメンターの設定が細かく、面白かった。考えさせられる部分もあり、よかった。 三章で、あーこう収束するんかーとなった。最後は念で戦うというのが可笑しかったが、双方のトップが信じていないところが、実際そんなもんかも、と思った。

Posted by ブクログ

2024/02/05

初めて読む作家。最初は地球に小惑星が衝突するという社会を描く極めて古典的なディストピア又はパニック小説かと思ったが、そんな簡単な内容ではないらしい。よくある衝突騒ぎまでの人間の様々な葛藤を描くのではなく、運よくパニックを回避した後の人間の挙動に注目を当てた小説。しかも、普通なら一...

初めて読む作家。最初は地球に小惑星が衝突するという社会を描く極めて古典的なディストピア又はパニック小説かと思ったが、そんな簡単な内容ではないらしい。よくある衝突騒ぎまでの人間の様々な葛藤を描くのではなく、運よくパニックを回避した後の人間の挙動に注目を当てた小説。しかも、普通なら一旦衝突を回避したら希望に満ちたユートピア世界が永遠に続くと言うのが定番だったが、ここは少し捻ってくる。この様に、ちょっと切り口に工夫を加えるだけで、こんなに面白い小説ができるだなんて、SFの可能性は無限大ですね。 些か初期設定に納得できない所がある。2029年ってもうすぐやって来るが、さすがに小惑星の軌道なんてスパコンで簡単に求められるだろう。ギリギリ直前にならなくても、衝突するかしないかは簡単に判別できると思うのだが。そんなに科学力が弱い設定なのか?そうか、これは今我々が生きている次元の話じゃないんだ。どこかのパラレルワールドの話なんだ。SFだもん、それで、納得した。 そして、地球に寸前の所で衝突しなかったこの小惑星には2029JA1と名付けられたが、これがまた再び地球に衝突するという話が湧き上がって、再び人類を震え上がらせるなんて、ちょっと強引、虫の良すぎる設定じゃないの?そして再衝突の予想日が2099年7月27日ですって?ちょっと安易な設定、ていうかふざけてません?これって、ノストラダムスの大予言で有名な「1999年7の月」の100年後と言う事でしょう!もう忘れかけていた事柄とはいえ、流石にいくら何でも流用しすぎでしょう。確かにインパクトはあるかもしれないが、若者には全く響かないことは間違いなし。そして、2029JA1は最後に誰にも予想できない状況になる。これが人類に対して永遠に関わる訳だ。恐れ入りました。もーー、強引にも程がある。 そう、思い起こせばノストラダムスのことは当時かなり話題になった。1999年7の月が近づけば近づく程、恐怖が日本社会を席巻しメディアもこれを煽った。この私でさえ、五島勉の本を買ってくまなく隅から隅まで読んで勉強した記憶がある。丹波哲郎の映画も見た。小松左京の「日本沈没」の二番煎じ感は拭えなかったが。そして、アンゴルモアの大将軍(大王)はどのような形で現れるのかドキドキしながら6の月を過ごしていたのが懐かしい。やがて7の月になって一日一日がとても長く感じられた。夏休みになったら、一日中テレビにかじりついて、何か大ニュースが発表されないかハラハラしていた。そして遂に、7の月は終焉を迎えた。まさしく、この小説の登場人物になった気分。だが、不思議なことにあまり怒りは湧かなかった。ああ、やっと危機を回避したんだという安堵感の方が絶対的に私を支配していた。そしてその後、私はSF小説に深く身を投じることになる。ああ、真の平和が訪れたのだ。 この小説ではシェルターの功罪にも言及しているような気がした。核シェルターに入れる人はどの様な人なのか、どんな基準で選定されるのか?軍関係者?国会議員とその家族?一流企業の社長家族、財閥の会長家族?持っているお金の順?卑屈な人間はそう思ってしまう。そりゃ、当然でしょう。ところでその核シェルター何年持つの?様子を見るため外に出ようとしたら、海底にいたためハッチが永遠に開かないという笑い話もあった。そう言えば、地上に完全な閉鎖空間を建てて、その中で生活する人々の精神状態を解析する実際のプロジェクトをどこかの国で行っていた記憶がある。その後どうなったのかな。詳細な研究内容は公開されないのだろうか。そうだ!潜水艇の中でどれだけの期間、生活できるのかな。これはデータ得やすいかも。人間は安全が欲しい、安全がいの一番、安全だとひとたび妄信したらそれから逃れられない性質を上手く表現した小説だな。そして、この妄信こそが科学を上回る力を持つ、すなわち宗教は最強であるかもしれないという結論なのかも。だから地球上から戦争は無くならない。 エンディングではアイロニーがスパイス以上に効いていてちょっと痛快だった。イーロンマスクは宇宙船の中で生涯を閉じるべき。これこそ本当の宇宙葬と言える。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品