証券と不動産のプロが語る30代からの失敗しない資産形成

五十嵐修平(著者), 黒沢勉(著者)

• 販売会社／発売会社: アチーブメント/アチーブメント出版
• 発売年月日: 2023/06/27
• JAN: 9784866431284

商品レビュー

2024/10/14

”資産形成”に”中古区分マンション”というルビを当てさせている本．

中古区分マンション投資が有効な資産形成手法であるという主張が目に留まったが，そのロジックは
・立地が山手線，6号線，7号線圏内といったいいところで5年後，10年後にキャピタルゲインが狙える物件であったこと（無論，駅徒歩N分圏内）
・所有者が本業を継続しており，ローン返済中の不動産賃貸収益自体からのキャッシュフローは一切期待していないこと
と読み取った．

つまり，今後もキャピタル毀損が起こり得ない好立地かつ，サラリーマンとして頑張りつつ，将来のドカンを期待して資産を作りたい人にとっては，区分マンション投資は選択肢の一つになり得るということ．
FIREしたいという人にとっては全く有効打にならない打ち手である．

区分マンション投資をしている人が「立地が全て」というのはまさに上述の理由によるものなんだなと理解．立地が良ければ入居率が維持でき，家賃も落ちない（場合によってはUpもできる）し，不動産価格も落ちない．賃貸経営自体は赤字だけどサラリーマン稼業は辞めない（辞めれない）から問題なし．まさに立地が全てを左右すると言っても過言ではないゲームである．

本著で語られる不動産投資（区分マンション投資）のメリットに対する個人的見解．
★年金対策　→　ローン返済したらね．あとこの手の話で出てくる数字は修繕とか空室率，管理費の数字が入ってないから，話半分に聞いておく必要あり．

★生命保険代わり　→　掛け捨ての生命保険で良いのでは？

★相続税対策　→ このメリットを享受するプレイヤーはごくわずか．これから資産形成する現役世代が気にすることではない．それに相続対策なら他にも打ち手はあるだろう．

★インフレ対策　→ まあそうなんだけど，株とか純金とかビットコインでもそれはできる．融資を組んでレバレッジをかけられること評価するのであれば不動産しかない．

★所得税・住民税の節税　→ 損する事業をして年収減らせば税金も減るよね，という話．サラリーマン家業をやめられなくなるから，それが嫌って人は節税（＝赤字）になるような物件を買ってはいけない．

以上を踏まえ，自分の状況や将来のwillに合致している人は「じぶん年金」と称する不動産投資にトライしてはいかが？という話．