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私説 ドナルド・キーン
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私説 ドナルド・キーン

角地幸男(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2023/06/26
JAN 9784163917115

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2025/05/06

2023年刊。著者はキーンの長年来の友人(26歳下)。彼の著作も十数点翻訳している。 冒頭の章は「ドナルド・キーン小伝」(これのみキーン存命中の執筆)。キーンの自伝には4種類あるが、それらのコンサイス・バージョンといえる。亡くなる少しまえ、キーンも目を通し、お墨付きを与えている。...

2023年刊。著者はキーンの長年来の友人(26歳下)。彼の著作も十数点翻訳している。 冒頭の章は「ドナルド・キーン小伝」(これのみキーン存命中の執筆)。キーンの自伝には4種類あるが、それらのコンサイス・バージョンといえる。亡くなる少しまえ、キーンも目を通し、お墨付きを与えている。 本書の目玉は、「私説ドナルド・キーン」の章。なぜ自伝を4つも書かなければならなかったのかから始めて、なぜ国文学や日本文学の研究者はキーンの仕事を黙殺(orスルー)するのかについて考察している。そこからキーンの仕事の本質が見えてくる。 なぜキーンは日本語で書けるのに、英語で書き、気心の知れた翻訳者に日本語にしてもらおうとしたのか。「ドナルド・キーンから学んだ翻訳作法」の章には、その答えも書いてある。 「エピローグ」。著者は若い頃キーンから毎週のように夕食に招かれた。シェリー酒を飲みながら、キーンの手料理ができあがるのを待つ。そして食事をしながら、よもやま話に興じたという。ああ、なんという贅沢。

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2023/09/11

本自体が薄い上質な紙でつくられています。そして「キーンさんという陽の温もりを一身に浴びて、その恵みに守られて生きて来たような気がする」という言葉に端的に表現されているように、相互の慈しみが感じられます。 日本語のもつ象徴性の高さに魅せられたドナルドキーン。「時には、詩人が一篇の...

本自体が薄い上質な紙でつくられています。そして「キーンさんという陽の温もりを一身に浴びて、その恵みに守られて生きて来たような気がする」という言葉に端的に表現されているように、相互の慈しみが感じられます。 日本語のもつ象徴性の高さに魅せられたドナルドキーン。「時には、詩人が一篇の詩の終りまで全く違った二組の影像を並行させて、少しも破綻を来さずにいることもある」という例として、 消えわびぬうつろふ人の秋の色に身をこがらしの森の下露 という藤原定家の歌を引きます。恋人に捨てられる人を描いただけでなく、風吹く森の消えそうな露をも、二つの同心円的に描いている、とのこと。確かに、どうして自然の円も描くのでしょうね。私自身は、定家から遠く、しかも薄っぺらくなってしまいました。

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2023/08/10

評伝ではありません。キーン氏の翻訳に携わってこられた角地氏の雑感集なので、ちょっと取り止めのない感じもあります。日本の学会がキーン氏に対して無関心を装ってきたという不満は同感です。海外では日本文学の通史を知ることができる研究書がないので、「日本文化史」を完成させたそうですが、日本...

評伝ではありません。キーン氏の翻訳に携わってこられた角地氏の雑感集なので、ちょっと取り止めのない感じもあります。日本の学会がキーン氏に対して無関心を装ってきたという不満は同感です。海外では日本文学の通史を知ることができる研究書がないので、「日本文化史」を完成させたそうですが、日本人の私にとっても基礎文献です。日本語は音数が少ないから「掛け言葉」が生まれたという説は卓見で腑に落ちました。彼が晩年手がけた渡辺崋山の評伝は涙しました。明治天皇を通して幕末から明治を知るという試みもいいですね。キーンさんはかけがえのない啓蒙家でした。

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